前半1分 金井 貢史(鳥栖)
後半27分 丸橋 祐介(C大阪)
後半41分 南野 拓実(C大阪)
今のセレッソの状態から考えて、あのまま0-1で負けていてもおかしくなかった。それを救ってくれたのは、丸橋の左足とメインスタンド側の線審の右手だった。
スタメンとベンチ。武田洋平が負傷から復帰した以外は土曜のJリーグ川崎戦と同じで、今の時点でのベストメンバー。
鳥栖がリーグ戦から大きくメンバーを入れ替えてきたことから、主導権を握るのはセレッソだと踏んでいたのだが、油断からか開始わずか30秒ほどで左サイドを崩され失点してしまう。この1点はセレッソにとって本当に重いものだった。
鳥栖の選手達は高く強い。セレッソが不得手とするタイプの選手が揃っている。その選手達が密に4-4-2の3ラインを作るので、中央突破は困難を極めた。ボランチとセンターバックの間でノッキングを繰り返し、トップに入った鳥栖FW早坂良太を起点とするカウンターに苦しめられる。
セレッソは狭い中央からの突破とともにサイドバックを活かした側面からの攻撃を試みたが、そのために高くはったサイドバックの裏を突かれることが多く、茂庭照幸、藤本康太はその応対に広い範囲を走り回ることになった。早坂の突破からの1対1はキム・ジンヒョンがビッグセーブ。
しかし、これだけリスクをおかしてもセレッソの攻撃は実を結ばない。ラインを高く保っているのでウラ一発を狙いたいが、扇原貴宏に対するプレスもきつく、出どころを抑えられてしまう。
前半37分にはレヴィー・クルピが早くも動く。扇原を下げて突破力、キープ力に優れた楠神順平を投入する。
前半37分、扇原→楠神 |
ここからの攻めの姿勢が勝利に結びつく要因になるのだけれども、その場にいて予感めいたものは感じなかった。それほどにセレッソの攻撃は鳥栖に封じられていた。
特に印象深かったのは時間稼ぎ。それはもう露骨極まりないもので、茂庭、柿谷曜一朗は不快感をあらわにし、さかんに審判に抗議をしていた。
前半は鳥栖の守備に悩まされ、0-1で折り返し。
後半も流れは変らず、攻めるセレッソ、守る鳥栖ながら、プラン通りに試合を進めていたのは鳥栖だった。鳥栖ゴールキーパー赤星拓はホームサポーターの大ブーイングを受けながらもゴールキックを急がない。
後半16分には同じ2列目に南野拓実を投入するが、膠着は変わらず。
後半16分、枝村→南野 |
あの丸橋のフリーキックが無かったら、恐らくこのフラストレーションのたまる試合は鳥栖に軍配が上がっていたはずだ。逆に言えば、彼のあのキックにはそれだけの価値があったということ。コースと精度、スピード、どれをとっても非の打ち所が無い完璧なゴールだった。
この時点までに鳥栖は前線の選手を2枚下げて5バックにしていた。中央突破に持ち味があるセレッソの流れを絶ち、1-0で勝つプランを着々と進めていたのだ。セレッソのセットプレーは怖くないという算段もあったろう。その全てを一蹴りで吹き飛ばした。
その直後に鳥栖ユン・ジョンファン監督は清武功暉に代えて金民友を投入しているが、攻守のバランスが狂った鳥栖には追加点を奪う余力は残っていなかった。交代カードを早めに切っていたために豊田陽平や呂成海という高さに強みを持つプレーヤーを出せなかったのも痛かったろう。
勝ちに行くセレッソは播戸竜二を投入する。
後半36分、杉本→播戸 |
この采配がスバリ的中し、播戸は南野の決勝点のお膳立てをする、のだが、アレはどうにもオフサイドに見える微妙なものだった。もしこれが優勝や降格のかかった試合でのジャッジだったら、コトはもう少し大げさになっていたかもしれない。しかし、仮にジャッジが覆っても鳥栖の予選リーグ突破は不可能であったためか、ユン監督はこれを流してしまった。
試合はこのままタイムアップ、セレッソは無事予選リーグ突破を果たし、決勝トーナメントに歩を進める事となった。
「タイトル」セレッソのプレーヤー、スタッフ、サポーターが口を揃え、欲しているものだ。そこまであと5試合、夢は続いている。
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