前半26分 工藤 壮人(柏)
前半45分+3 山口 螢(C大阪)
後半31分 柿谷 曜一朗
後半45分+3 柿谷 曜一朗
正直前半の様子を見ていたら柏に勝つなんて結末は考えられなかった。飛ばしてくるのはわかっていたから先制点をとられることだけは気をつけようと思っていたら、耐え切れずに失点してしまって負傷者まで出て、前半の44分とアディショナルタイムの2分50秒までは柏のプラン通りに話が進んでいた。
スタメンとベンチは下記の通り。負け無しのチームのため固定メンバーで臨んでいるが、ナビスコカッブ鳥栖戦から中二日というのはきつかったろう。天候も暑いほどだったようだから、スタミナ勝負になるなと感じていた。
柏もACLアウェー現代戦を戦った後の中二日なんだけれども、異国とはいえ、時差1時間の場所からの移動の影響とはどの程度だろうと考えあぐねるところがあった。
実際、前半の柏は4-4-2の3ラインがキッチリと等間隔に、高く設定されていて、セレッソはロクにボールを運べずにいた。
相手に押し込まれ、突破口は柿谷曜一朗 の裏一発というのはホームの新潟戦やF東京戦と同じ図式。
ただし、先の2試合と違っていたのはセレッソが耐え切れず先制点を献上してしまったことと、茂庭照幸が負傷退場してしまったこと。
どちらもセレッソにとってダメージの大きなものだった。先制されたことで柏は引いて守るという選択肢が出てくる、そうなるとセレッソとしては打開策が殆どなくなってしまう。他のチームなら高さなりフリーキックなり、飛び道具を使ってこじ開けるんだろうけども。
茂庭の負傷に関しては精神的なダメージが危惧された。代わって入った山下もいい選手だけれども、プレー以外の部分、人を引っ張る力で考えれば、茂庭の方に分がある。
前半33分、茂庭→山下 |
前半は泣きっ面に蜂という様相だった。あえて逆転の伏線を探すなら、柏のセンターバック2人、渡部博文と近藤直也が柿谷の突破を防ごうとする際に不用意なプレーをしていたことぐらいか。
本当に絶望しか無い前半、このままで終わっていたらスコアが逆でもおかしくなかったが、柿谷のカウンターでのドリブルで得た最後のフリーキックで山口螢がゴールを決め、同点に追いつく。セレッソとしてはこれしかないというゴールだった。2試合連続フリーキックでのゴールはセレッソとしては珍しいもので、柏としても予想外だったはず、柏のゴールキーパー菅野孝憲は身長差を反射速度で補っている選手で、直接フリーキックやPKなどではどうしても他のキーパーより先に読んで動き出さないといけない、それが裏目に出た形になった。
このゴールで柏はリズムを完全に狂わせてしまった。後半に出てきたチームは前半のそれとは全く別なものになっていた。選手間の距離は時間とともに離れるようになり、守備でも攻撃でも個人の技量に委ねられる比率が多くなった。
セレッソはこの間延びを見ると残った2枚のカードを一気に切る。ボールを運べる楠神順平と、スピードに長けた南野拓実を入れる。
後半28分、枝村、杉本→楠神、南野 |
この交代は当たりだった。特に南野は本来のポジションであるトップで伸び伸びとプレーしていた。左サイドハーフでもかなりいいのだけど、彼はやはりフォワードなのだなと再認識する。
この直後に逆転弾。扇原貴宏からの難しいボールを柿谷が何とかおさめてゴールに導く。これは柿谷のポジショニングとスキルがなければ生まれていなかった。
このころには柏は気が焦っていても体がついてこないという感じで、ここでようやっとACL疲れが露呈した。
重ねて書くが、柏とすればそこまでに先制点を奪いリードをとり、運動量の落ちた選手から代えていって逃げ切るという算段だったはずだ。そして九分九厘までうまくいっていたが、セットプレーからの得点で全てがご破算になった。そこからの修正が効かなかったのだろう。流れに関係ないところからの失点がこたえるのはセレッソだけではないようだ。
3点目は柏センターバック近藤の緩慢さを南野がうまく突いた形。視界の外からルーズボールを奪うしたたかさが柿谷のゴールを呼び込んでいる。近藤はこの前にも南野に不用意にボールを奪われていたから言い訳はきかない。
スコアだけ見れば1-3と圧倒したように見えるけれども、薄氷を踏むどころか、水の上を歩くレベルのヒヤヒヤの勝利だった。
それでも、勝ち点に変わりはなく、この意義は大きい。
水曜のナビスコカップは予選突破を決めたのでメンバーを落とせる。主力は週末のリーグ戦に勝った余勢を持ったまま臨めるのだ。名古屋にはあまりいい思い出はないけれども、なんとかいい勝負を、いいゲームをしたい。
さあ、キンチョウをピンクに染めよう。
ちなみに、韓国なら時差ナイよ。
返信削除