この旗の持ち主は、みんなから「ぐっさん」と呼ばれている小柄な女性。あんな小さな体のどこから、こんなに大きな旗を打ち振るパワーが湧いてくるのか、今でも不思議に思っている。
このテグッキはキム・ジンヒョンのために打ち振られている。長居でも、アウェーでも、彼が行くところには、ぐっさんとこのテグッキがある。
それは、異国から渡ってきた青年に勇気を与えるためのもので、そしてぐっさんや他のキム・ジンヒョンを愛してやまない人達が勇気をもらうための媒介なのだ。
だから、今年で彼は見納めなのかもしれないと耳にした時、真っ先に考えたのは「ぐっさんは大丈夫だろうか」ということだった。すごくナンセンスかもしれない、でも、それしか思いつかなかった。
今シーズンのラスト、アウェイ浦和戦で、ぐっさんはハングルのメッセージ幕を出した。
「우리 중요한 수호신 다음시즌도 함께 싸워주세요! !」
(私達の大切な守護神、次のシーズンも一緒に戦って下さい!!)
でも、この時のジンヒョンの表情は、ずっと硬いままだった。
そうして試合後、ジンヒョンはユニフォームを脱いで、ぐっさんに渡した。これは手向けなのかなと、大勝した中で胸がチクリとした。
だから、彼が残留を決めたと聞いた時は、驚きと安堵と喜びがごった煮になって、なかなか口では言い表せなかった。
彼は残留に際し、こんなコメントを発表した。
このように引続きセレッソでプレーする事ができ、またセレッソのサポーターと一緒に戦える機会を頂きありがとうございます。来年こそ必ず優勝を成し遂げたいと思います
これは、ぐっさんのメッセージへの彼なりの「返歌」なのかも知れない。
ジンヒョン、来年もゴールマウスを任せた。彼女の想いに、サポーターの願いに、応えてほしい。
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