9/11/2014

第94回 天皇杯 4回戦 C大阪 2vs0 磐田 懐かしい。 #cerezo #photo #diary

2014年9月10日(水) 19:00キックオフ[ 観客 4,213人 ]

得点者

前半30分 南野 拓実(C大阪)
後半19分 永井 龍(C大阪)


永井龍と杉本健勇が前線で走り回る、楠神順平が自由闊達にドリブルを仕掛ける、南野拓実がグイグイとスピードで相手を切り裂く。そうそう、こういうサッカーをずっと観たかったんだ、「観客を魅了する」というのはこういうサッカーだ。以前は毎節ごとに観られていたのに、随分回り道したな。


少し時間がなくて細かいことは書けないけれど、総論だけでも。

システム自体はペッツァイオリ前監督の終わりの時期と同じ4-4-2、けれど、戦い方、攻め方に違いがあった。


ペッツァイオリ時代は中盤の4のラインがそのまま前に持ち上がることが多かった、サイドの選手はサイドで、中央の選手は中央で。なので、トップと中盤の距離が開き気味になることが多かったし、サイドバックが上がるスペースには中盤の両サイドがいることが殆どで、その攻撃性が活かされることが少なかった。


その一番の被害者は酒本憲幸だろうか(それは、走れない、守備ができないという欠点を克服できなかった酒本自身の問題ではあるけれど)、以前「トップ下がいないので前線との距離が遠い」と漏らしていた選手がいたが、サイド偏重、カットイン、ポジションチェンジの少ない攻めがこの言葉を引き出したのだろう。

大熊裕司新監督の場合は、まず両サイドの選手が中に絞ってきて、ボランチとトップの間に入り込んでくる。サイドバックが空いたスペースに進出、後ろも上がってコンパクトになり、分厚く幾重にも攻め立てる態勢が出来上がる。


このシステムでは二列目の二枚が奏でるハーモニーが攻撃の軸になる。実際、新体制の初ゴールは楠神が左サイドからカットインして運んだボールを、反対サイドから入ってきた南野が決めてくれたもの。この「チームコンセプト通りの成功体験」が、チームに勇気を与えてくれたように映る。


もちろん、このシステム(以前のセレッソに近い戦い方)は前述のような長所だけが映えるシステムではない、代償として守備にとても負担がかかる。例えばボランチの位置で不用意にボールロストすると酷いカウンターを食らい、センターバックはとんでもない距離を後退しなくてはいけなくなる。

セレッソにとっては悪いことに、磐田は前三枚の個の力で突破するカウンターだけを狙っていて、扇原貴宏とキム・ソンジュンのダブルボランチの不具合から足元をすくわれそうになるシーンが最低でも二度あった。逆の出目、スコアになる危険性もわずかながらあったということ。


それでも山下達也、小谷祐喜の両センターバックは失敗を恐れず、攻撃陣が上がるとしっかり距離を保ってラインを上げ、セカンドボール奪取に成功していた。背走を重ねて押し込まれ、十重二十重とシュートを食らうというような「受け身の守備」は殆どなかった。小谷などは攻撃に参加するため二列目を追い越すことさえあった。

そう、どの選手もアグレッシブで出足もよく、磐田にわずかな考える暇すら与えていなかった。攻守の素早い切り替え、強く激しいプレー、ランコ・ポポヴィッチもマルコ・ペッツァイオリも目指して叶わなかったサッカーがそこにあった。


後半、より流れが良くなったのは、キム・ソンジュンに代わって入った秋山大地の活躍が大きい。


彼は体こそ小さいが、体躯の違うプレーヤーにでも果敢に食らいついていき、攻撃の芽を摘み取ってくれる。多少荒削りではあるけれど、秋山が前で攻撃の選択肢を削り、後ろが先回りしてボールを奪うスタイルで磐田の出鼻をくじいた。


永井の貴重な追加点は、それまで攻撃ではスペースに走りこみ、または相手を背負ってボールを保持し、守備ではファーストディフェンダーとしてボールチェイスに奔走したことへのご褒美だろう。あれだけ動いていれば相手も捕まえづらかったはずだ。杉本にも同じようなチャンスはあったけれど、あれが決まっていたら満点の試合だった。

途中交代の吉野峻光、平野甲斐もまずまずの出来で、セレッソは新体制をいい形で始めることができた。


よく走り、よく挑戦するサッカー。それを就任わずか二日目で体現できたのは、セレッソが育成型クラブであり、この日出場した14人の選手の内、セレッソでプロキャリアをスタートさせた選手が11人という状態だったからなんだろう。育成を一時凍結させ、育成での戦い方、哲学をトップに移したことはあまり褒められたことではない。けれど、まずもっての目標である一部残留にとっては都合がいい。できれば早くに残留を決めて、あるべき姿に帰りたいところだ。

そのためには週二試合目となる土曜の柏戦でも今のスタイルを貫き、より精度を上げ、結果を残さないといけない。ボランチが今日のような出来では困るし、攻撃の精度も練磨できる余地がある。この試合で見せてくれた真摯さが継続できれば、早い内に都合がつく課題だと信じてはいるけれど。

まあとりあえず、次の試合の笛が鳴るまでは、今日の余韻に浸りたい。多分、あらかたのサポーターが同じ気持でいるだろう。ああ、早く長居に行きたい。

1 件のコメント :

  1. もう一度目標をもとにもどすべきでしょう!!!
    観客を魅了しての(天皇杯)優勝!!

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