先発組は4-4-2、控え組は3-5-2か3-4-3で、繰り返しミニゲームをしていた。
相手の前が三枚だと、こっちの後ろは山下達也、染谷悠太の二枚だけで不利になる。だから対策が必要だった。ボール回しを早く、それと、ボランチの一枚かサイドバックの一枚が下りて数的同数をキープする。そういう約束事を徹底させていた。
付け焼き刃で通用するかと思ったけれど、試合でもある程度うまくやれていたんじゃないだろうか。後手に回って、自分のゴールに向かう体勢でボールを奪うのではなく、先を読んで相手ゴールに向かう形でボールが奪えた。それができると攻撃への手数がひとつ減って、スピードアップができる。
雨も、今を思えば幸運だったかもしれない。セレッソには空中戦にめっぽう強い田代有三がいる。キチンとロングボールを当てれば必ずキープして、攻め上がる玉田圭司、関口訓充、それに吉野峻光や山口蛍にいいボールを供給していた。
今季初の逆転勝利、それを決定づけた玉田のゴールも、ロングボールを受けた田代が、シンプルに相手守備ラインのウラに出した形。以前はこういうポストプレイヤーがいなかったので、雨が降ると恨めしく感じたものだ。でも今は大丈夫、セレッソには田代がいる。
茂庭照幸が守備ラインを統率し、秋山大地も猟犬のような俊敏さで相手のボールホルダーにプレッシャーをかけ続けた。交代策も悪くなかったし、全てが素晴らしい試合、になるはずだった。
酒が不味くなったのは、キム・ジンヒョンのケガがあったから。不要なプレーではなかった、彼は適切な判断をした、けれど、ケガを負ってしまった。まだ正式な発表はないが、乾貴士がTwitterで「鎖骨が折れた」とつぶやいていたから、かなり厳しい状態なのは覚悟している。
どうしてこんな風になるんだろうね。彼はチームのためにプレーをした、それが認められて母国の代表にも呼ばれるようになった、何も愚かしいことをしていないのに、キャリアの要所要所でケガをしてしまう。
持って生まれた運なのだといわれても、納得がいかないな。その日は濡れて帰った。
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