3/10/2008

J2第1節 水戸0VS2C大阪 八部咲き。

 6年ぶりの開幕戦勝利、嬉しくないわけがない。ただし修正すべき点が多々あり、水戸の拙攻に助けられた感も否めない。課題が多い一戦だった。

DSC_087901.jpg


 スターティングラインナップは下図の通り。怪我の古橋、森島康はベンチ入りも無し、代わって小松、カレカが2トップを形成し、ベンチには高卒新人の白谷が入った。

field-2008-03-09-st.gif


 果たして前半、イニシアチブを取ったのはホームの水戸だった。"セレッソキラー"西野、新人FW荒田を軸にしたタテに速い攻撃と寄せのキツイ守備がセレッソを苦しめる。しっかり繋ぐセレッソの攻めが相手の守備にはまってしまい、不味い位置でのボールロストが目立った。最終ラインも不安定でラインの裏、SBの後ろのスペースを突かれるシーンも多々あった。去年は安定していた羽田、前田のラインも上手く機能しない。

 ストレスを増加させたのは主審井上氏のレフェリング。水戸の木山監督は開始僅か20分足らずで退席を命じられ、その他にも不可解なカードが両軍に飛び交った。


 このもやもやとした閉塞感を打破したのはやはり香川だった。前半40分過ぎ、尾亦、濱田の流れるようなパスまわしが相手ラインにギャップを生じさせ、香川が飛び込むスペースが出来た。濱田のパスに追いついたのはかなり深い、ゴールまでは角度の無いポイントだったが、冷静に状況を確認するとここしかないというコース、スピードでシュート、見事先制ゴールを奪ってみせた。

 これで流れはセレッソかと思ったが、好事魔多しとはこの事か、ジェルマーノが直後のプレーでこの日二枚目のイエローを食らい、前半で退場してしまうという非常事態。残り50分間を11対10で戦うことになった。


 後半、レヴィーは守備の枚数を揃える策に出た。小松out江添in。羽田が一列上がって4-4-1に。

field-2008-03-09-ht.gif


 しかし小松が下がった事で前線での基点が無くなってしまい、セレッソはいよいよ水戸の猛攻にさらされた。

 この試合だけに限ればもう一人のFWカレカはまるで良い所がなかった。ポストプレーも空中戦もままならず、相澤のゴールキックはほぼ全て水戸ボールになってしまった。どちらかというと前線のすぐ後ろで前を向いた方が良い動きをしていたので、森島康のようなしっかりとボールキープをするタイプと組ませたほうが良いのかも知れない。とにかく小松との2トップ、そして1トップは中盤との連携が取れるまではあまり機能しないだろう。怪我ということを差し引いても起用法を再考する余地は多分にある。

 反対に獅子奮迅のプレーでセレッソを救ったのはGK相澤。至近距離からのシュートにも素晴らしい反応をしていたし、シビアなバックパスも無難に処理していた。もし並みのキーパーだったならこの試合の結果は違ったものになっていただろう。

 もう一人、新戦力の尾亦は無難なデビューだった。速いいいクロスを出すなど見所もあったが、水戸に押し込まれる場面が多かった為、持ち味の攻撃参加自体が少なかった。


 セレッソがちぐはぐなプレーを続けている中、水戸は分厚い攻めで再三ゴールに迫っていた。同点も時間の問題かと思われた中、レヴィーは一度に二人の選手を入れ替え、てこ入れを図る。カレカを下げてスピードのある白谷、濱田に代えてタテの勝負が出来る酒本。守備を固め、一閃のカウンターに狙いを絞る。

field-2008-03-09-76.gif


 白谷はアンバランスな1トップにも如何せず、自分の持ち味を上手く出していた。スペースに流れてボールを受けるとスピードとフィジカルを生かして水戸ゴールに迫る、良い意味で国見らしい選手。酒本も中堅らしく落ち着いたプレーで流れを引き寄せようと奔走していた。


 この試合を決める2点目は、またしても香川が叩き出した。白谷、香川が素早いカウンターで相手陣内を侵食、白谷のラストパスは決して易いものではなかったが、香川はそのボールを見事にコントロール、シュートはまたしてもサイドネットに突き刺さった。後は老獪に時間を使い、タイムアップの笛を待つだけ。相手の焦る気持ちを逆手にとって白谷、酒本がシュートを放つ余裕さえ見せ、無事無失点のまま2008年の開幕戦を飾った。


 相澤、尾亦、白谷といった新戦力が活躍し、香川は課題だったシュートテクニックに成長の跡を見せた。一方でカレカは役割を果たせず、守備陣も不安定、何より次節はジェルマーノを欠く。良いところも悪いところもあったこの試合をどう生かすかが、次節以降の勝利へのカギになるだろう。次節の相手山形を率いるのは、かつてセレッソをJ1優勝目前まで導いた小林監督。果たして恩返しなるか。


DSC_089501.jpg


0 件のコメント :

コメントを投稿