4/26/2010

J1 第8節 C大阪0VS1名古屋 収穫一敗。

後半45分+1 玉田 圭司(名古屋)


今日の試合、勝ち点を上積みできなかったことは悔しい。何度もあったチャンス、決めるべきところで決めていれば結果は変わっていただろう。しかしその中にあっても、沢山の財産を得ることができたことは、不幸中の幸いといえる。この財産を無駄にすることなくシーズンを過ごせるなら、今日の試合に意味はある。

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スタメンとベンチ。マルチネスは回復せず、アドリアーノも負傷。播戸が代わって1トップに入り、前節同様4-2-3-1の布陣を敷く。ベンチにはユースから昇格した2年目の丸橋が初めて入っている。

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試合序盤に名古屋のシステムを確認したのだが、今季採用している4-3-3ではなく、4-4-2のスタイルだった。玉田、ブルザノビッチが2トップで、中村と三都主がボランチ。試合開始直後にマギヌンが足を痛めて小川と交代したが、このシステムは変わらず。この名古屋を相手にどのような守備システムを組むのか、指示に注視していた。

セレッソの守備は今まで基本相手のトップに対してDFを1枚多く入れている。1トップならセンターバックは2枚、2トップなら3枚、というように。だからこのセオリーを守るのであれば3バックの3-6-1で対応するはずだ。しかしレヴィーは前節からのよい流れを守った。4-2-3-1での真っ向勝負。これは素直に嬉しかった。怯えて引きこもるより前で奪って攻めに繋げるほうがずっといい。名古屋が今週2試合目、要のマギヌン、ケネディを欠いているというバッドコンディションであったことを差し引いても、5分以上の戦いができていた。気温が高く、両チームとも細かなミスを連発していたが、それさえなければ試合はもっと素晴らしいものになっていただろう。

唯一つ心配だったのは、相手のセットプレー。小川、中村、玉田、三都主、そしてブルザノビッチ。名古屋には危険なキッカーが揃っていて、なおかつ闘莉王、増川と高さのある選手もいる。ゴール前40メートルのファールが即ピンチに繋がるのは厳しい。守備陣も常に気をつけているようだったが…。

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攻撃に関しては前半からいい状態だった。乾、香川が調子を落としていて、播戸との連携もいま一つだったが、家長は変わらず絶好調。攻守の要としてチームを牽引、好機を演出していた。

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キッカーとしても活躍


前半大きなチャンスは2度。一度目は右サイドからの折り返し(家長?)を播戸がうまくマイナスに受けて時間と空間を作ったシーン。シュートはキチンとミートしたものだったが、楢崎の正面。もう一つはミドルシュートからの混戦を香川が詰めたシーン。こちらも決まっていてもおかしくない場面だったが、香川が珍しくコントロールミス。頭を抱えていた。

播戸の1トップに関して、序盤こそ浮いているような感覚があったが、味方がサイドをうまく崩した時には、いいポジショニングをしていた。さすがに単純な動きでは闘莉王、増川といった屈強なDFは破れないが、クイックネスとベテランの味でカバー、前半半ば頃には違和感無くプレーしていた。いい手ごたえを残して前半を終える。

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スタメンに溌剌としたプレーで応える


後半、守備陣が強く印象に残っている。羽田は相変わらず安定したプレーをしていたし、アマラウも珍しく攻撃参加からミドルシュートを連発(スタッツによると5本もシュートを放っている!)楢崎をよく混乱させていた。上本、茂庭は今季からコンビを組んだとは思えない連携と粘り強さで相手の攻撃をはじき返していた。間延びしてくる後半、センターバックには辛い体力勝負、フィジカル勝負の場面が多発したが、気持ちを折る事無く、辛抱強いディフェンスをしてくれた。高橋も小柄ながら空中戦や1対1でことごとく勝利、一度玉田のうまい動きでウラをとられたが、それ以外は満足のできる働きだった。

心配だったのは左サイド。尾亦一人の責任ではないが、マッチアップした小川、田中隼磨らに突破を許し、全体が下がってしまうことがあった。あそこを修正できれば、今季の4バックはかなり安定した戦いができるのでは。彼らが固い守備ブロックを作ってくれたおかげで、前の選手はシンプルで効果的なカウンターを何度も仕掛けられた。

後半26分には疲れの見え始めた播戸を下げて小松を投入する。布陣は変わらず。

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後半26分


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今季初登場、J1デビューとなった小松だが、それなりのプレーはできていたと記憶している。スピードも問題なく、高さでもある程度貢献できた。一度ペナルティエリアをドリブルで切り込んでスタンドを沸かせたが、フィニッシュまで繋がらなかった。ただFWとして、ある程度エゴイスティックなところを見せてくれたことに期待を感じている。


守備も安定し、攻撃でも様々な試みでゴールを脅かしたセレッソ。しかし不幸なことに、今日の相手GK楢崎は素晴らしい出来だった。今日セレッソが放ったシュートは18本、枠外にふかしたものは殆ど無く、威力のあるミドルや至近距離からの難しい判断が要求されるシュートが何本もあった。前述した播戸、香川、乾、小松に一度ずつあった「押し込みさえすれば」という好機、そのどれかが決まっていればと思わないでもない。しかしそれを差し引いても、今日の楢崎を賞賛しないわけにはいかない。


この試合、唯一惜しいと思われるのは交代のカードの切り方だったろう。小松を投入した後は両チームのバランスが微妙なところで拮抗していて、手を加えるのが難しい状態だった。ただし乾の調子は後半半ばから少しずつ落ちていて、尾亦のサイドも危ない突破を何度か許していた。いつかこれらをパッチする必要があった。結局カードを切れたのはロスタイムに入ろうかというところで、代わって投入された石神や丸橋にとってはゲームに入るのが難しいシチュエーションだった。丸橋にとってはこれがJリーグデビュー、どれ程緊張していたかは容易に想像がつく。

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後半90分


そしてパッチしたはずの左サイドで、セレッソは不用意なファールを犯してしまった。一気に二人の選手が交代し、チームとしてのまとまりが一瞬緩んでいたのも災いした。危惧していたセットプレーでの失点。結局これが試合を決する一点となった。


この一試合だけを吟味するなら、これほど悔しい負けは無い。2試合続けてロスタイムの失点というのも問題だ。ただし結果以外の面で言えば、チームはベストの戦いをしてくれた。バックスタンド、ゴール裏に選手達が挨拶に来た時、殆ど誰もブーイングをせず、ただ温かい拍手と声援で迎えていた。それが何よりの証拠だ。チームの状態は決して悪くない。それを信じて、応援を続けたい。

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