1/31/2011

シンジの爪、槙野の舌。「情熱大陸 香川真司」

セレサポなら、シンジ好きなら昨日の「情熱大陸」を観ていたと思う。スゴイものを二つ見た。
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プロの足というのは、あれほど酷使されているものなのだな。まだ21歳、キングカズクラスまで行くならあと20年は付き合っていく、その商売道具である足の爪が、シンジの足の爪が真っ黒だった。

ボールを蹴り続け、相手に削られ続け、右足の人差し指、左足の親指、人差し指が真っ黒に変色していた。爪と指の間の血がどす黒く乾いた色になっていた。人差し指に関してはずっとこんな感じだという。そこまでしなければ、ブンデスでは活躍できないのだなと感じるとゾッとした。

途中みやぎバルセロナのチームメイト(今はコーチをやっているようだ)が真顔で「シンジがサッカーでやっていけてよかった。サッカーでダメだったらどうなっていたろうとみんな心配していた」と話していたのが印象的だ。全てを賭けて、何もかもをサッカーのために捧げなければ、プロになれないのだ。成功しないのだ。サッカー以外の部分(車の運転だとか、ドイツ語の会話の部分)があまりに稚拙に映ったのも、全く興味がないからなのかも知れない。あくまでサッカーをするために必要だから車を運転しているだけ、語学の本を開いているだけ。


もう一つ、心に残ったのは槙野だ。ドイツに渡ってからというもの欧州各地で活躍する同世代のプレーヤー達と盛んに顔をあわせ、バカ話をしたり、メシをつついたり、シンジも彼があまりに笑わせてくるので、表情を崩していた。

こういうのも才覚だ。もし槙野がいなかったらシンジも、内田も、テセも、矢野貴章も、安田理大も、もっと窮屈な生活を強いられて、笑うことも励まし合うことも少なかったろう。


長谷部や遠藤が抜けた後のコトを心配する人達がいる。きっと彼らはラモスが抜けた後も、カズが代表を離れてからも、中田が引退した後も、同じ心配をしていたろう。多分大丈夫、放っておいても、コーチから「黙れ」とお金を1000円渡されても、異国に放りこまれても、ずっとコミュニケーションをとり続ける愛すべきバカが、まだ日本にはいるんだ。日本サッカーの未来は、意外に明るいかもな。
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