後半40分 小松 塁(C大阪)
後半45分+4 播戸 竜二(C大阪)
今のセレッソ、攻撃陣に絶対的な存在はいない、圧倒的な点取り屋も試合をコントロールする代表レギュラークラスのプレイヤーもいない。茂庭を中心としたDF陣とキム・ジンヒョンの頑張りで試合は壊れること無く進んではいるが、逆に相手を破壊することもできず、ドローゲームばかりが続いていた。
これを一朝一夕に解決するのは無理だ、しばらくはベンチ入りした7人も加えた18人全員が一体となったサッカーをしなければ勝てないだろう。ただ点をとったからと次の試合、その選手をスタメンに使ったとしても結果が出ないだろうことは、セレッソサポーターならご理解いただけると思う。
その18人、上本が前節退場の為出場停止、清武、山口、扇原が世代別代表に招集されたため、苦しい布陣。藤本が先発し茂庭とラインを作る。トップは永井、ピンパォンの2枚。ベンチには高橋大輔の実弟、高橋祐太郎がシーズン初のベンチ入り。
前半の立ち上がりは、うまく試合に入れた。やはりハーフナー・マイクがいないのは大きい。全体がコンパクトで中盤でのポゼッションが高く、ほぼやりたいことがやれていた。ピンチを招いたのは前半20分頃右サイドを突破されたのが最初で、シュートを食らうこと自体2、3度という感じ。また前半15分の時点でMFダニエルが負傷しピッチを去ったのもセレッソにとってはプラスに働いた(こういうプラスはあまりいい気持ちにはならないが)
「ほぼ」とつけたのは前線でのキープやフィニッシュに難があったため。永井とピンパォン、個々人ではいい選手なのだけれど、うまく馴染めないまま時間を過ごしてしまった。ピンパォンはボールタッチが多くて開幕からはずいぶん良くなったけれど、まだまだ。永井はいい所に顔を出すのだけれど、ワンタッチ目が少し荒くて、マークがついているとキープができない。キム・ポギョンが右サイドを突破して(右足で!)クロスを上げた時、上手く入り込んだのが一番の見せ場だったけれど、それ以外では無駄走りが多かったように覚えている。
ただし、この無駄走りが全く意味がなかったわけではない。前線のプレーヤーが小気味良く走りまわり、甲府の守備陣(FWも含めたフィールドプレーヤーの全員)から心身のスタミナを奪っていたのが、後半の伏線になった。前半終わってシュート数は2対10くらい。
後半立ち上がりも流れに変わりはなく、三浦監督の代名詞でもある2ラインを綺麗につくる規律正しい守備と、レヴィー・クルピが手塩にかけた自由闊達なセレッソ攻撃陣の対峙、という構図は揺るがない。
しかし今日の天気は曇り空、ピッチには試合開始前まで降っていた雨の影響があり、湿度も90%と高い。小瀬はさながら蒸し風呂のような状態だったろう、モニターを通じても選手の肌やユニフォームがグッショリと濡れているのがよくわかった。さらに前節からは二日しか空いていない連戦中の身だ、疲弊しないのがおかしい。
こういうコンディションで集中力を維持したり、運動量をキープするのが難しいとなれば、ベンチワークの重要度は高くなる。実際甲府MF柏が投入され、攻撃にアクセントが入ると、セレッソは時おり危険なシーンを招くようになる。その殆どはイージーなミスからのボールロストから、マルチネスでさえ持ち過ぎてプレスを食らい、ボールを奪われてしまう状態。
最初の交代は前半15分の播戸投入、あのシチュエーションを考えれば決して早くはない。
ただ永井に比べると播戸のプレーエリアはゴール前に限定されているので、全体的な運動量の維持にはつながらず、徐々に甲府に主導権を明け渡す時間帯が増えていく。コーナーキックからピンパォンがゴールと思えばファウルがあったと取り消され、不快指数が跳ね上がる。
そこを我慢して後半37分に小松投入。これが効いた。
本当によくあるパターンで、小松が入ると相手チームは皆「ターゲットマンが入った!ロングフィードに注意だ!」となって身構えてしまう。そうすると小松はスルスルとサイドに流れて足元いい位置にボールを持てる。他のプレーヤーも相手DFがハイボールを警戒するのでサイドの突破が楽になる。こういう試合がもう何度あったろう!この試合もそうだった。マルチネスがボールを受けてがら空きの左サイドに、丸橋はどフリーでボールを受け、小気味良くボールを中に折り返すと、一人ストライドが違う小松が詰める。試合終了5分前に大きな大きな先制点。
去年ならこのスコアのままでも逃げ切れる自信があったのだけれど、今年はどうにも不安で、チームはどちらかと言えば2点目を獲りにいくように動いていた。播戸は例のごとくラインにへばりついてボールをよこせと無言の圧力(? をかけている。甲府もホームで無抵抗のまま敗戦は許されないので同点を狙いにプレーエリアを前に前にと動かしていた。
かくてロスタイムに入る頃には播戸が決めていれば!というシーンが2度もあった。もし冷静に決めていたら0-4だったかというとそうではないだろうけれど、兎にも角にもバタバタした終盤。3度目の正直でキレイに決めて、試合も終了、無事0-2での勝利となった。
本当に歯がゆいけれど、大ナタを振るわない限り(チームが大枚はたいて点取り屋をとってくるとか)、しばらくこんな試合が続くと肝に銘じたほうがいい。絶対的な存在がいない以上、チームとしてどう動くか、誰がどんな仕事をするべきかをはっきりさせて、それをしっかり努めていく全員サッカーをやるしかない。今日だって上本、清武、山口、扇原、そして乾がいない(使わない)中で勝ち点3を奪ったのだ、爆発的な勝利は今しばらく我慢して、コツコツと頑張っていこう。
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