6/06/2011

~Clasico~ オラが町の誇り

6/4から大阪でもようやっと「クラシコ」が観られるようになった。



大雑把に言うと2009年シーズンの地域リーグ(北信越リーグ)、その一年間を松本山雅FCAC長野パルセイロを中心に、その歴史的対立構造も含めて紹介したドキュメンタリー映画で、サッカーだからってわけじゃないけど上映時間はしっかり90分+アディショナルタイムの97分、サッカー好きなら精神的に集中できるベストな時間だなあと。

映画の細かいテクニックとか話の割り方、持っていき方みたいなのに関しては、正直ああ、こここうすればいいのに、ってところがたくさんあるけれど、今の日本でこの映画を作ろうと考えた人がいて、その人が手応え感じられる、掘り下げられるぞと思えるチームやサポーターがいたってことに、嬉しさを感じる。多分10年前、5年前でも無理だったろうな。

そう、この映画の素晴らしいところは「この映画が作れるだけのバックボーンが日本にもできた」と、観賞したコアなサッカーフリークにわかってもらえるってことだ。


その一方で、不安もある。一部のチーム以外では、やっぱりまだコアサポとライトなファンの間に深い溝があって、山雅のようにライト層まで巻き込めている例ってのが圧倒的に少ない。本当に日本にサッカーが根付くためには、映画の中に出てきたスタジアムの入場口すらわからないおばあちゃんと孫、サッカーのルールもしらなかった食堂をやっているご夫婦のような人達に対してのアクションがもっと必要なんだ。

「クラシコ」を観た人間は、その事実をガツンと受け止めて、オラが町のチームにもっともっとライト層を巻き込んで、ごっそりスタンドに入ってもらえるように執心しないといけない。

日本サッカーはIT用語(?)で言うところのキャズムをまだ超えていない、サブカルチャーに近い存在、本気でそこから抜け出したいなら、地味な活動でもコツコツと続けていこう。

そうして山雅のような「オラが町のチーム」がどこにでもあって、まるちゃんのような熱いサポがたくさんいて、平気で試合日は店たたんじまうような日常が当たり前になるようになって、はじめて「100年構想」ってのが形になるんだよ。そしてサッカーには、サポーターには、そんな世界を作る力があると信じている。


そんな日本ができた時、この映画はもう一度評価されるはずだ。あの時クラシコって映画があったよね、ああ、俺も観たわって会話を、スタジアム近くの飲み屋で言い合える世界、最高じゃないか。
DSC_216001.jpg

と、ダチョウのユッケを食べながら思っていましたっと!

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