3/06/2011

2011 J1 第1節 G大阪2vs1C大阪 二人のユダ。

後半20分 アドリアーノ(G大阪)
後半28分 倉田 秋(C大阪)
後半31分 遠藤 保仁(G大阪)



ユダはキリストを裏切ったけれど、キリストはあんな感じだから、それを知った上で全てを受け入れた。でも、セレッソはキリストじゃない。とことんお人好しなチームだ。
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スターティングイレブンはACLアレマ戦と変わらず、ベンチには酒本が復帰している。

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試合開始時


去年の万博でのダービー、ガンバのしかけた猛攻に耐え切れず、足元が落ち着かないうちに2失点を喫してしまった。試合巧者相手にアドバンテージを与えてしまうと、どうしても走らされたり、じらされたりで心身ともに疲弊してしまう。

だからこの試合は立ち上がりでの失点を防ぎ、後半勝負に持ち込む去年のセレッソの勝ちパターン、これに引きずり込むことがどうしても必要だった。

この点に関して言えばチームはよく耐えた。けれど、そこから先、跳ね返す作業がどうしてもできなかった。問題は中盤の構成にあったと思う。


去年はボランチにアマラウ、マルチネス、シャドーに家長、清武、乾というメンバー。今年はアマラウ、家長が抜け、清武はベンチ。ボランチに中後、マルチネス、シャドーにキム・ボギョン、倉田、乾になっている。

シャドーに関していうと、去年よりさらに攻撃的な性格が強くなったが、キープ力や連携、パスワークの部分については(今の時点では)悪くなった。それぞれが個々に仕掛けると攻撃が散発になるし、無理に繋いで上がっていくとどこかで選手とボールが逆の方を向いてしまう。ストロングポイントだった3シャドーが今は穴になっている。

これではボールポゼッションが上がらず、守備陣の負担が増えてしまう。だからレヴィーは中後、マルチネスと、ともにパスでの展開力がある同タイプのボランチを並べているのだと推測している。今まで一列前で捌いていたボールを、今年は中盤の底でもコントロールする。意図はわかるが、まだ機能していない。アマラウのような泥臭い守備をしてくれる人間がいないのもDFラインの負担を増やしている。
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キム・ボギョンはいい選手だが、まだ連携が…。


この状態にさらに拍車をかけているのが、乾の不振だ。
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乾が好調な時は、いい意味で軽いプレー、常識にとらわれない意外性のあるプレーが光る。ただし一度歯車が狂いだすと、空回りして、結果が出ないことに焦り、どんとん自分を追い込んでしまう。香川が抜けた時、代表で限られた時間でのプレーを要求された時に、よくこんなプレーをする。今日の乾がまさにそれだった。


いくら茂庭、上本がいい選手だからといっても、たった二人で守っていてはいつかほころびが出てしまう。前半、PKを献上するまでの10分間くらいは、守って、クリアしても前に繋がらず、セカンドボールを拾われる。これの繰り返しだった。

ここで蹴るのは日本が誇るPK職人、遠藤。1点は覚悟するシチュエーションだが、ここはキム・ジンヒョンが頑張った。この流れをうまくくめていたら…。
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後半も悪い流れは変わらなかった。むしろ無駄走りを多様した分事態は悪化していたかもしれない。セレッソが昨季後半勝利を続けていた、あの頃の相手チームに近いコンディションというと分かりやすいだろうか。疲弊し、選手同士が孤立した状態。そんな時にゴールを決めていたのは、そう、彼だったな。速攻で右サイドを破られ、マイナスのクロスにマークがズレる。褐色のストライカーが、かつての味方に牙をむいた。
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さようなら。


これでセレッソもようやっと目が覚めた。本当に起きるのが遅いチームだが、その分処方箋はキツめ。中後を下げて清武、倉田をボランチに下げる荒療治。

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後半27分


この交代の直後にセレッソの今季初ゴールが生まれる。相手ゴール前で再三のクロス。マイナスのボールに反応したのはガンバにとってのユダ、ボランチの位置から駆け込んだ倉田だった。
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ようこそ!


交代とポジションチェンジはセレッソの攻撃力、ボールの流れを劇的に良化させたが、攻撃に傾倒した分のリスクも同時に生まれていた。DFラインの前ががら空きになる時間、危険なボールロストが増える。決勝点になった遠藤のゴールはそれ自体見事であったけれども、そこに至る経緯にこそ問題があったのだ。チームバランスの良い時間帯がもっと長ければ、30を超えたボランチにあそこまで上がられていたろうか。薬を投与された時間が遅すぎた。何とか同点にと播戸を送り込むが時既に遅し。

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後半38分


2-1、まだ諦める時間ではないはずだが、セレッソはもうチームとしての体を無くしてしまった。焦るあまりに強引さ、ラフさばかりが目立つようになってしまった。あまりに悲しい時間だった。ロスタイムの4分も殆ど見せ場なく、またしてもダービーで敗北を喫した。


選手にブーイングを送るサポーターを批難する人もいるが、この試合に関してはするべきだというのが私感。ゴール裏の連中はオレの何倍も労力をかけて、試合の度に頑張っている、ある意味誰よりもダービーの大事さを理解している連中だ。なのに、何年も何年も後塵を拝し続けている。オレタチは何度同じシーンを観なければいけないのだろう、どれだけ屈辱に耐えれば勝てるのだろう。その歴史を変えてほしいという願いが届いていないと感じるのは、悪いことなんだろうか。
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毎年スロースターターなのはわかっている、ガンバに相性が悪いのも認める、ただ、それでも勝たなければいけないのがダービーだ。それがダービーだ。もし贖罪の意識がチームにあるなら、勝て!

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