後半43分 ピンパォン(C大阪)
この試合に関しては、勝ち負け抜きで。細かいことを言い出すと本当にキリがないので。
マルチネス、キム・ボギョン、キム・ジンヒョン、乾、清武、山口、扇原。外国人、主力、若手がごっそり抜けたが、それでもある程度チームらしいメンツは組めるものだ。中後がマルチネスに代わって中盤の底でタクトを振るう。トップは小松、ピンパォンと2枚で、攻撃的な位置では村田が先発。
試合開始時
90分通して両チームの決定力不足が目立ったこの試合。京都はディエゴ、ドゥトラの力が抜きん出ていて、再三セレッソ左サイドから攻め込むものの最後の最後が決めきれずにもどかしい。普通に決めきっていたらスコアが逆になっていてもおかしくなかった。
セレッソはさらに重症で、決定機の2歩手前くらいまでしか形を作れない。攻撃の際には2トップと攻撃的な位置に入ったプレーヤーがさっと前線に散ってしまい、誰もボールを受けて組み立てようとしないのでボランチの前あたりで攻めのスピードが鈍化してしまう。中後、黒木では両サイドにボールを散らすにも判断がワンテンポ遅く、京都のプレーヤーにプレスをかけられては危ない位置でボールロストを繰り返す。守備ではラインに全員が揃っていてボールホルダーに対して誰も突っかからない瞬間があり、大木監督率いる京都の細かいパスワークを寸断できないでいた。個々の頑張りとツキだけで凌いだ印象が残っている。
その中で収穫だったのは村田。
京都が3バックで、両サイドに比較的スペースがあったことを差し引いてもいい動きをしていた。とにかく判断もプレーも思い切りが良く、速い。単純なスピードだけならシャドーとして期待されているプレーヤーの中でもトップだろう。前半の半ばになると右サイドに張り出しした村田に自然とボールが集まるようになった。少なくとも5回はサイドを破り、2度はボックス内まで侵入している。攻撃陣の連携が取れ、相手が中にも意識を配らなくてはいけなくなれば、彼の魅力はさらに引き出されるはずだ。
中後も、彼をピッチ上の王様し仕立てれば何かと役に立つ。攻撃の組み立てはまだまだではあるけれど、制度の高いキックやバランス感覚などは、マルチネスとコンビを組んでいる時よりもずっとよくうつった。何度も書くが前の選手との繋がり、これがカギになる。
他のプレーヤー、特にトップの小松、ピンパォンについてはやや不満。急造2トップではあるけれど、もう少し意識しあえば、お互いの良さがもっと出てくると思う。
ピンパォンはアドリアーノのような独力で突破したり、力技でフィニッシュにもっていく選手ではない。中盤で味方と連携をとりあいながら相手を崩し、ボックスの中に入ってから決定的な仕事をするストライカーのようだ。ならば彼に得点を量産させるためには他の選手が去年よりも守備を崩してやる必要がある。全体でゴール数を増やすにしても連携してボールを繋ぐ動きが欠かせない。それが出来ていない今はピンパォンの消えている時間帯が多い。
前述したがとにかくボールを待っている選手ばかりで、流れの中での受け渡しが殆ど無い。止まって、受けて、動く、これを繰り返すだけだから相手は守備がしやすかっただろう。前半は実入りの少ないスコアレス。
後半は上本、丸橋を下げて藤本、尾亦を投入。左サイドの守備を再構築する。
後半開始時
守備に関しては丸橋と高橋が同時に上がった時にボールロストすると、その都度必ずピンチになっていたので、よりサイドバックとして攻守のバランスが取れる尾亦を入れたのは正しい判断。上本は今年になってプレーがより激しくなりすぎてしまって空回りの時間が増えたので、しばらくはこの形での交代が増えるだろう。藤本にとってはチャンスなので、それを生かしてくれれば。
後半になると大車輪の活躍だったディエゴ、ドゥトラが少しずつ力を失い始めた。しかしセレッソも村田がガス欠気味になり、試合自体が低調になる。真剣勝負でないにせよ、貴重な実戦なので、工夫が見たかった。
後半21分には唯一光を放っていた村田が下がり、永井投入。パワフルな突破に期待がかかったが、そこまでボールが入らないもどかしさ。
最初の得点は試合終了も間近、中後のいいコーナーキックから高さのある高橋のヘッド。高橋以外にも高さ、上手さのある選手がもう一人いればセットプレーでの得点はもっと増えるだろう。藤本?杉本?播戸?
これで集中力が切れた京都に、今度は流れの中からピンパォンのヘッドが決まって2点目。少し神経質なブラジリアンにとってこれが気持ちを切り替える転機になれば…。
試合自体は内容が薄い、両軍にとって厳しいものとなったが、まず我々がスタジアムに出かけて、普段どおりに応援ができる日本に一日も早く戻ること、それが一番大事なのだ。まだ東日本では困っている人、危機的な状態の中で、命の危険にさらされながら生活している人がたくさんいる。彼らも昨日のオレタチのように試合を楽しめるよう、心の底から祈る。試合後両チームサポーターが日本、仙台、鹿島、水戸、栃木に対してエールを贈り続けていた。みんなが仲間なんだ。これ以上頑張れとは言わない、オレタチが頑張るから、待っていてくれ。
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