9/20/2006

桃栗三年、柿谷十三年。

 先のアジアU-17選手権で我らが日本U-17代表が優勝しました。「我らが」なんてフレーズが使えるのも彼のおかげ。

kakitani.JPG


 U-17の中心選手、柿谷くんです。OFFICIALの紹介を見れば判ると思いますが、3歳から今まで、彼はずっとセレッソの下部組織でプレーしていたんですよね、そうして基礎を学んでいった。それが結実した事に、素直に感動しています。まだ16じゃないか、と言う人もいるでしょうが、彼がここに立つまで13年かかった事を考えれば、むしろ長いと感じるべきではないかな。


 セレッソっていうと、泥臭くて、多少のテクの無さは運動量でカバー、かっこ悪くてもガムシャラに、ってのが選手のカラーだと思ってるんですが、柿谷はなんていうか、何から何までその対極にいて、ボールタッチ、パスワーク、テクニック、センス、そういう単語が似合う感じです。こんなシュート打つ選手が桜色のユニを着ているんだなって思うとゾクゾクしますよ。



 パスもいい。



 最初この動画だけ観て、相手がバテていて、足が止まったときのプレーじゃないの?なんて色眼鏡だったんですが、実際120分通して観てみて、彼の良さを改めて感じました。

 まずスペースを見つけるのが上手い。モリシのようなウラへの抜け出しはまだまだですが、ボランチとDFの間とか、サイドの何気ない空間をキチンと見つけて、そこでボールを受ける。そもそもボールを止める、蹴るがしっかり出来ている上にスペースで受けるので、次のプレーに移りやすい。彼の他にも中盤はタレント揃いで、日本らしい繋ぐサッカーを、この年代から実践していました。

 対する北朝鮮は典型的なキックアンドラッシュのチーム。7、11、10番あたりがとにかくよく走る。特に7番アン・イルボンは上手いし強いプレーヤーでした。全盛期のコ・ジョンウンやソ・ジョンウォンを思い出しましたよ。

 この年代だと、パワーとかスピードが重宝されて、組織的にボールを繋ぐチームというのはとかく苦戦するんですが、それでも勝っちゃうんですからね。北朝鮮が前半ラッシュをかけて後半逃げ切りというプランを持っていて、それが出来ずにガタガタになっていた事を差し引いても(そもそもそのプランをぶち壊したのが柿谷のゴールとアシストなんですが)、見事の一言です。


 とかく育成に疑問符をつけられていたセレッソが、ようやっと実らせた大きな果実。大切に育てて、将来のエースにしましょうよ。ひょっとしたら2、3年後の長居スタジアムは「柿谷ギャル」でいっぱいになっているかも知れませんよ。

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