9/10/2006

G大阪3VS1C大阪 来年また来る、それが目標。

 今日のセレッソは本当についていたと思う。ガンバがいくら試合をリードし、シュートを打っても、なかなか決まらないのだから。こういう日は、勝つか、少なくとも引き分けなきゃいけない。それが出来ないから最下位なのだろうし、それを覆せるから首位なのだろう。

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 スタメン。FC東京戦で出場停止だったブルーノ、大久保が戻り、かわって今節は河村が出場停止。ボランチの代役は山田で、名波はベンチスタート。

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 前半はかなり頑張っていたのではないか。万博のゴール裏は相変わらず試合を観戦する場所ではなく、応援する為だけの席だったから、誰がどうだったかは、はっきり言ってよく判らない。ただ、テクニック不足を運動量で補おうという姿勢は感じ取れた。フィニッシュまで行った回数は圧倒的に少なかったけれど、何とか耐え凌ごうという意思を全員が共有していたと思う。


 文句をつけるところが有るとすれば二つ。一つ目は、前線の動きが余りにも少なかった事。二人ともいいポジションに張り付くタイプなので、味方はここしかない、というポイントに出さないと、カットされたり、ラインを割ったりする。今更あの二人に「もっと運動量を!」なんて無茶は言わないけれど、出し手のクオリティを考えれば、もう少し受ける動作をキチンとしなければ辛い。

 中盤も、もう少し何とか出来なかったか。カウンターのディレイも出来ないし、パスワークやフリーランニング、ドリブルなど攻撃のアクセントも作れない。前述のように走る量を増やす事で、これらの質の低さをカバーしていたけれど、河村や名波がいないと、今はこれくらいなんだろうか。

 しかし、それでも1-1だった。これは本当に幸運だった。内容はとにかく、スコア上は後半に十分望みを繋いだのだから。


 ロックアウト後、塚田監督は早速切り札を使ってきた。名波の投入。「時間制限」の有る森島寛が下がる。

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 名波個人の出来は、さほど悪くなかったと思う。生でじっくりと観る機会が無かったので、推量でしかないけれど。

 ただこのチーム構成を見れば、彼を抑えれば攻撃力が下がるだろう事は容易に想像がつくわけで、ガンバは守備の際、橋本か明神が必ず名波をケアしていた。さすがに運動量豊富な選手が二人で見ていると前を向くのも難しい。前線の選手にいいパスを出したり、広い展開を試みたりなどという事はさらに困難になる。

 こういう時、森島寛や古橋といった「使われる系」の選手がサポートしていれば、少しは負担が減っていただろうが、森島寛は入れ違いでもうベンチにいたし、古橋の位置ではカバーなど厳しい状態だった。加えて前二人は前述の通りそういうパスを上手く受けるタイプではないし、そもそも前半でとっくに疲弊していて、そういう余裕は残っていなかった。


 そうなると流れは俄然ガンバに傾く。鈍重な横パスをかっさらってカウンター、という場面が何度も何度も反復される。キーパーと1対1の場面も有ったし、そこをさらに抜けた時もあった。それでもボールはゴールラインのギリギリ前でかき出されたり、枠を外れたりで、奇跡的にタイスコアが保たれていた。

 そこで何か手を打つべきなのは、チャレンジャーであるセレッソである筈だった、しかし、ベンチはこの幸運にあぐらをかいていた。逆にガンバはこれではいけないと、日本に帰って間もない、ろくに休養も摂れていないだろう遠藤と加地を送り込んだ。ここが、この試合最大のポイントだった。


 幸運はその存在が稀有で有るが故に幸運と呼ばれるのであって、それを期待しているような人間の下にそう何度もやってくるものではない。何かを成し遂げる者は、成し遂げるだけの努力をしているから、その座についているのだ。古橋のサイドを散々加地にやられていたのに、打った策はあまり守備的とは言えない徳重の投入。攻撃的に行く事で加地のポジショニングを下げようというのが意図だったのだろうけれど、他の手は無かったのだろうか。徳重はあまり見せ場を作る事無く試合を終えている。

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 さて失点のシーン。何度目かは数えてはいないけれど、カウンターを食らってシュートまで受けた。吉田がかすかに触って、脇の下でボールのコースとスピードを変えた(ように見えた)。その時ゴール前には柳本一人、ガンバは三人が詰めていた。柳本はボールのコースを見て、ポストに当たって跳ね返るだろうと勢いを弱めたが、ガンバの選手はなんとか先にボールに触れようと、足を止めなかった。たまたま播戸がフィニッシュしたけれど、柳本に直接跳ね返らなければ、多分違う選手に詰められていただろう。ここで、運は尽き果てた。


 そこからの采配は、台所事情もあるだろうけれど、あまり褒められたものではなかった。機能を停止していた中盤に、これ以上のてこ入れは無く、最後のカードもチーム最多のシュートを放っていた大久保を下げて柿本という、理解に苦しむもの。

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 ロングボールを放り込むのなら落としたボールを拾う人間が必要になる筈だが、そんな選手は誰もいなかった。名波は力を封じられ、全体を押し上げる気力も体力も消え失せていた。つまりセレッソはチームとしての体裁を保てなくなっていた。そこにダメ押しでフェルナンジーニョの投入。セレッソの選手達は、まるで足枷でもはめられたかのように、鈍重だった。


 現時点では、3-1に納まったのは、まだいい方だったのかもしれない。得失点差を考えれば、3-1も6-1も同じなんて言えないから。あまりにちっぽけかも知れないが、来年も万博でダービーをする。これがセレッソの今の目標だろう。

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