10/15/2006

大分1VS1C大阪 火の国狸に火がついた。

 なんだろう、腹の立つ一日だった。公私共にいいところが無いというか、なんでそんな風になるかなという鬱屈したストレスが、今もグラグラと煮えたぎっている。せめてセレッソだけはと思っていたけれど、火に油とはこの事か。そういえば今日の試合は熊本開催、火の国で尻に火がついたなんて、笑えない。

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 まずスタメンに文句をつけよう。なぜ右サイドで古橋を使わなくてはいけないのか。藤本はそれ程重篤な状態だったのか。ゼ・カルロスはいい意味でも悪い意味でも軽いプレーをするから、逆サイドはどうしてもバランスを取らざるを得なくなる。それを判っていながら、ゴール前で最も輝きを放つプレーヤーをサイドラインまで押し込める、その理由がわからない。

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 最終ラインとボランチを3試合固定し続けていた効果からか、序盤の守備は安定していた。そこがしっかりと跳ね返せるから、攻勢にも出やすかっただろう。いびつな編成ながら、前半のセレッソは試合の主導権を握れていた。前半だけでコーナーキックも5、6回は有った、大分を押し込めていただけに、シュートへの意識の希薄さと、それ自体の質の悪さが目立ってしまったが。

 特に西澤が良くない。ボールも収まらないし、もともと運動量が少ないプレーヤーが、あれだけ味方を引き出す動きをしないとなると、やはり苦しい。まだ大久保はマシだったけれど、さりとて「マシだった」という表現しか出来ない。それに加えて森島寛も本調子ではなく、とにかくこのトライアングルが機能しない。古橋も宝の持ち腐れ状態となると、ノーゴールなのもやむなしか。

 ネット中継を観ている中で、一番目立ったのがピンゴというのは、いい事なのか悪い事なのか。持って、はたいて、フリーランでスペースを見つけるという基本に忠実なプレーで、相手守備を混乱させていた。ここに来て悪いところと良いところの比率が少しずつ変わり始めているけれど、もう今年はこの試合を含めて8試合しかない、些かフィットするのが遅すぎはしないだろうか。それだけが残念。


 後半の頭になると、セレッソに攻め疲れが見え始め、大分がイニシアチブをとるようになってきた。松橋を裏へ、という策はあまり効果的では無かった(あまり足の速くない選手ばかりの守備陣が、上手く封じ込めていたと思う)けれど、高松、梅崎、それにボランチの両外人が強烈だった。高松はポストもいいし、前を向いた時のスピードも悪くない。去年もう少し資金を出し渋っていなければ、これほど苦しいシーズンにはならなかったのにという気持ちが過ぎった。

 しかし先制点はセレッソ。本当に久しぶりではないだろうか。古橋とのコンビでピンゴが右サイドを侵食。ゴール前の細かいスペースに上手く入り込んでのシュートだった。

 これで勢いがつけばと思っていたものの、その矢先からセットプレーで失点。高松が上手く合わせたのは判るけれど、もう少し集中出来ないものか。ゲームプランに思案を巡らせていられたのも、僅か3分だった。

 失点後もハングリー精神よりも保守性が優先されて積極的なプレーが見られず、守勢にまわる時間が続く。

 ここで名波が投入されたものの、交代は森島寛。名波の欲するパスを引き出すプレーヤーが削られる。少し理不尽な気分。

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 案の定というか、名波効果は薄く、試合の流れが変えられない。失点直後程は押し込まれなくなったが、相手ゴール前でのアイディアが枯渇していて、上手く網をかいくぐれない。


 個人的に言うならばこの後の二人目の交代、三人目のカードのどちらかで、西澤を下げてほしかったし、古橋を下げないでほしかった。

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 前の三人、大久保、名波、西澤はボールをもらってから仕事をするタイプなので、フリーラン(誰かが言うところの無駄走り)が少なく、どうしてもゴール前で窮屈になってしまう。大きな展開を望むのなら、それだけ動き回れる選手を用意しないといけない。その意味で、今日古橋が下がり、西澤が残ったこの交代は疑問なのだ。

 その後ピンゴと河村が一つずついいチャンスを作ったものの、ピンゴは僅かにシュートをミスし、河村のミドルは下川にかき出されてしまった。それ以外にもチャンスの芽はいくつか有ったが、期待を感じる程では無かった。

 相手もお付き合いをしてミスを重ね、絶好機も吉田がファインセーブを連発。結局使った体力の割には実りの少ないドローという事になった。


 今の時点では京都も引き分け、福岡が明日5点差以上で負けない限り最下位は変わらずという状態。名波が加入した当初に、セレッソも底辺から抜け出すチャンスは有ったのに、それを自らふいにしてしまい、今では左足の魔法も消えかかっている。京都がここに来て監督交代の荒療治を施し、福岡はFW布部の覚醒で勝ち点を重ねている現在、数字の上でもメンタルな部分でも、セレッソは一番危険な位置にいる事は間違いない。ここを抜け出す為には如何するべきなのか、誰が答えを持っているのだろうか。

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