前半24分 ホドリゴ ピンパォン(C大阪)
後半23分 マルチネス(C大阪)
後半39分 播戸 竜二(C大阪)
後半45分+1 倉田 秋(C大阪)
レヴィーは年に一度くらい、こういう「博打」をする。今までになかったアプローチ、相手の良さを潰す仕掛け、味方も驚くような采配。そしてこの監督の老獪なところは、部の悪い博打はしないということ。かならず勝ち目のある仕掛けをやってくる。今日の2-0あたりまでの流れは、この人間の予想したとおりだったと思う。残りの3点については柏の自滅というか、リスクを負ったところで悪い目が出てしまった(出させたのはセレッソの選手たちであるけれども)ところではあるが。
まず、この布陣を見てほしい。普通にサポーターをしている人間なら違和感を覚えるはずだ。
試合開始時
結果が出なかった4-2-2-2を4-2-3-1に戻したのは分かるが、それにしてはベンチの攻撃要員が少ない。恐らく今までの流れなら山口螢のところに永井か小松が入っているはず。でなければピンパォンがガス欠した瞬間に2トップというオプションが消えてしまうのだから。先発がキープ力に長けたキム・ポギョンではなく、運動量豊富な倉田なのも面白い。レヴィーはこの判断をしたのだ。
何を狙っているのかはすぐに分かった。ポイントは、柏の守備システム。
今まで対戦してきたチームで4-4-2のシステムを採用していたところは、軒並み4人のラインを二つ作って、その間をコンパクトにすることで守備を機能させてきた。ところが柏は攻撃のポイントを下がらせたくないからか、サイドバックの力を信じているのか、4-2-2-2と攻撃的な選手を下がらせない。なのでセレッソのシャドーはボランチの2人だけで応対することになる。そこにセレッソはいつもより1枚多い3シャドーをぶつけた。
3シャドーのうち2枚が同一サイドに寄って起点を作り、1トップのピンパォンと残った1枚のシャドーが開いているスペースで仕事をする。至ってシンプルな作戦ではあるが、柏には茂庭のようなスピードのあるセンターバックも、大海のような1対1に強いハードマーカーも、キム・ジンヒョンのような身体能力で難を乗り切るキーパーもいないのだから、効果は絶大だった。
柏が地上戦速いパス回しとフリーランに弱いのはガンバ戦で明らかだったこと。レヴィーはいつものように自分たちの持ち味を出すことに固執せず、相手の良さを完璧に消すことで、試合の主導権を奪う腹づもりだったわけだ。1点目の乾のゴールの前にもいいチャンスは2度ほどあった。そこで修正できなかった柏の油断も、その後の焦りも、全てがセレッソに有利にはたらいた。
2点目は、ピンパォンを褒めないわけにいかない。試合の大勢を早々に決める得点を、勤勉なチェイシングから生み出したのだから。できれば、チームスタッフはファミレスよりもいいお店で、ご馳走を食べさせてほしい。
これで柏の苛立ちが顕著になり始めた。攻撃の核となるべきレアンドロ・ドミンゲスが前半26分と僅か2分後の28分に悪質なファウルを続けてイエロー2枚を食らい退場。柏のチーム力を大きく下げる結果になった。
これで全体的にも数的優位を作ったセレッソは、去年夏場に連勝を重ねた頃と同じように、じっくりと相手を弱らせていった。とにかくポゼッションし、ボールを回し、相手を走らせ、弱らせていく。心身ともに疲れたところで無理をしてくれば仕留めればいいし、相手がついてこないならそのままタイムアップすればいい。前半はやりたい事を全てできた上で、柏の自滅も重なり、100点以上の出来だった。
後半柏も博打を打つ、4-4-1を3-4-2に変更、守備時には中盤の誰かが空いたスペースを埋める変則4バックになるよう指示を出していた。
ただそうなると、10人の上にさんざっぱら走らされているチームが、さらに運動量を求められる戦術をとったことになる。部の悪い賭けだし、実際出た目は最悪だった。
後半27分
後半30分
後半33分
残りの得点。播戸、マルチネス、そして倉田のゴールについては、本当にハンティングのようだった。無駄走りで心身を困窮させた相手を確実に仕留めていく。シュートは新潟戦よりずっと少ない14本だったが、それぞれが危険な香りの漂う素晴らしいシュートだった。
こういう試合はそうない。今日長居につめかけたセレッソサポーターはいい夜をすごせているだろう。これが次節以降続けば文句はないけれど、毎試合5-0なんてチームは無いし、気は緩めずに、一つ一つ…。
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