前半28分 藤本 康太(C大阪)
後半1分 酒本 憲幸(C大阪)
後半4分 扇原 貴宏(C大阪)
後半40分 ファビオ ロペス(C大阪)
後半42分 大竹 洋平(PK)(C大阪)
たまに死にたくなる時がある。
幸せで幸せで、もうこれ以上幸せになることなんてありえないと感じた時に、今日死んでも満足だよと思うんだ。
でも、困ったよな、この4試合で3試合が、死にたくなるくらい幸せな試合なんだもの。魂がいくつあっても足りはしない。
スタメンを知った時は、怒りで心が震えたものだ。清武がU-22代表戦で酷使された挙句に右足を負傷、全治2週間との診断。ACL QF 2nd legにも出られないことがほぼ確定したのだから。代わってキム・ボギョンが一列上がり、ボランチは中後と、これまた二日前の五輪予選で活躍した扇原。センターバックも藤本がスタメン、上本がベンチ。先発が予想された大竹はベンチスタートになった。
立ち上がりは山形との試合らしい重苦しい感覚。守備が固く、イライラする。攻撃は手数をかけず、大久保に当てて押し上げを待つ形しか無かったのでそれ程脅威ではないのだけれど、先に点をとられれば試合はグッと難しいものになっていたはずだ。
だから前半半ばに生まれた播戸のゴールには千金の価値がある。それを呼び込んだファビオ・ロペスの飛び出しと正確なクロスもそれと同等か、それ以上の値段がつく。この二人は地球半周分も離れたところで、バラバラの年に生まれたというのに、まるで双子のように惹かれあうものがあるのだな。
さあ、ゴールショーの幕が上がった。立て続けに追加点だ。左サイドからのコーナーキックに藤本のヘッドが火を吹く。マークしていたのは前田だったから、やり方は知っているはずなのだけれど、うまくフリーになってくれた。
この2点が先行逃げ切りしかプランのない山形に与えたダメージは計り知れない。選手達から躍動感がパタリと消えてしまった。桜色のプレーヤー達は一足早く現れた黄色い秋の林の中を生き生きとすり抜けていく。ボールを奪うにも素早く、よく集中しているからボールロストも少ない。本当に過酷な日程を経てきたのかと信じられないくらい、よい動きをしていた。前半2-0は妥当なスコア。
山形にチャンスがあるとすればハーフタイムだった。激を飛ばし、プランを変更し、選手の気持ちを切り替えさせれば得点が生まれるかもしれない。1点とれば、1点とられれば、流れは変る。実際3点差を逆転したチームがいるのだから、安穏としてはいられない。
セレッソの選手達はよくやってくれた。後半立ち上がりの2ゴールは、山形の戦意を完全に削ぎ、試合を祝祭に変えるものだった。後半1分には右サイドからのフリーキックに藤本。今度はニアですらせてボールを流し込む。期待に応える2ゴール。
その直後には身体的にキツイはずのU-22代表扇原が長い距離を移動して左サイドを崩し、憎たらしいほど冷静にゴール。
前田もよほどこたえたのだろう、セットプレーごとに藤本に何かをつぶやいていた。後の祭りなのだけれどね。
4点とれば、大丈夫。レヴィーはチームバランスを考えながら交代カードを切る。後半13分には体調が万全ではない茂庭を下げて上本、上本は茂庭を笑顔で迎えていた。
後半13分
後半19分にはチームの潤滑油として働いていた倉田に休養を用意。代わって入るのは大竹。
後半19分
この後の試合の流れは、セレッソの一方的なもので、守っていたシーンの記憶が殆ど無い。中盤から前が上手くプレッシングしているからいい位置でボールが奪えるし、選手の距離がいい上に個々の技量に優っているから、ボールを奪われない。チャレンジしたパスもよく決まる。下村のシュートは見事だったけれど、キム・ジンヒョンが素晴らしい反応で防いでくれた。
後半25分、肩を痛めているキム・ボギョンを下げて黒木
5点目のゴールは、セレッソに関わる全ての人々が待ち望んでいたもの。チームの為に労を厭わず、皆に上質のラストパスを送り続けた勤勉なブラジル人を、神は見捨てはしない。ファビオ・ロペス、混戦からキーパーと1対1を冷静に決め、チームメイトとのパフォーマンスを情熱的にやってのけた!
さあ、シメと行こう。東京のメッシ、キンチョウスタジアムのアウェーゴールを初めて奪った男は、セレッソに来てもキンチョウに愛される存在だった。左サイドのライン上を綱渡りのようにドリブル、山形はたまらずファウルでPK奪取。本人が冷静に決めて、この最高級のフルコースが終わった。大竹選手、セレッソにようこそ。
大黒柱の清武が抜けた中で6-0。大竹がチームの流れに加わり、後はゴールだけだったファビオ・ロペスも結果を出した。これで文句を言えばバチが当たるんじゃないかい?キンチョウに居座っていた悪魔は夏の暑さにやられて死んだ。後は、いつもどおりにやるだけさ。
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