4/07/2012

2012 J1 第5節 大宮 0vs3 C大阪 8と20の神話。 #cerezo

得点者


後半8分 清武 弘嗣(PK)(C大阪)
後半10分 キム・ボギョン(C大阪)
後半22分 キム・ボギョン(C大阪)



8と20。


セレッソを救ってきたのは、いつも8と20をつけていた二人だった。足の骨にヒビが入ろうが、オーバーワークになろうが、足の腱がボロボロになろうが、彼らはセレッソのために戦ってくれた。


去年、ACLラウンド16で歴史的なゴールを決めた背番号20は、しみじみと

「少しは背番号に見合った活躍ができましたかね」

と語ったそうだ。

先代、先々代より若干控えめな背番号20だが、仕事はしっかりやってくれる。


背番号8もようやっとお目覚め。これで戦力が揃ったろうか。


スタメンとベンチ。懸念の左サイド、黒木か児玉かと思っていたところに高橋大輔が入った。本職は右サイドバックだが、経験とフィジカルに賭けたか。黒木もベンチ入りし、念には念を入れた形、村田に代わって永井が控えFWとしてベンチ入りしている。


完成度が上がってきたチーム。


前半目をひいたのは、キャプテン藤本が戻り、復活した守備ブロックと、ケンペスのポストプレー。


大宮がナビスコカップから間もない事もあって出足が悪かったけれども、それを差し引いても守備陣の堅さは素晴らしいものだった。

昨年の茂庭、上本コンビはスピードと対人能力に長けていたが、チーム全体がそれに頼るあまり、酷い崩され方をすることが多々あった。チームとしての守備ができず、ハイプレッシャーを仕掛けてくる相手が苦手で、神戸や仙台にはまんまとやられてしまった。

また高さ、という要素も若干不安で、長身FWのいるチーム、セットプレーが得意なチームに対しても脆さがあった。

今年、ボランチの二人が成長し、藤本が守備ラインに加わり、ソアレス監督が堅実な守備組織を持ち込んだことで、セレッソに安定感と高さが加わった。


その代償として人と手間をかけた攻撃ができなくなったのだけれど、そのハンデを補うために、前線のケンペスが呼ばれた。


今まではまわりと呼吸が合わず、不安があったケンペスだが、今日のポストプレーは十分に満足のいく出来だった。味方のフォローも以前より良くなっている。

ブランキーニョがブレーキになって前半の好機を度々逃してしまったが、チームとしての内容は良かった。


エゴを出したエース。


こういういい流れの時に決めきらないと、後半コロリとやられてしまうのがセレッソの悪癖。心配していたが、セットプレーでPKを得ると、清武がしっかり決めて先制できた。

セットプレーはブランキーニョかキム・ボギョンが蹴る決まりごとだったようだが、このPKの場面では清武は毅然とボールを保持し、自ら蹴る意志を見せてくれた。

こういう姿を嫌悪する人もいるが、点を決める選手には、これくらいの性根が無いといけないだろうというのが主観。特に清武のように、誰かに合わせるタイプのプレーヤーがエゴを出してくれたことを嬉しく思っている。


先制点をとれれば、守備が計算できる分チームに安定感が出る。立て続けの追加点も良い流れの中で奪えた。


堅守速攻型チームのジレンマ。


対する大宮はホームで弱いというジンクスを持っている。これには「呪い」みたいなものではなくて、しっかりと理由がある。


大宮はホームに迎えると、本当にいやらしいチームだ。守備が引いてしっかりとブロックを作り、攻撃はラファエルを軸にタテに速い。

だがホームになると前に出る(つり出される?)シーンが多くなる。相手が今日のセレッソのように引いていると、相対的にポジションが前に出て、日頃ケアしていない裏のスペースが広がるようになる。

今日の2点目、セレッソが左サイドからカウンターで入ってケンペスが流したところにキム・ボギョンというシーンでも、後ろを向いた守備陣は脆かった。


キンチョウスタジアムの呪いは?


セレッソもキンチョウスタジアムで勝てない。去年は2勝、今年も仙台に不用意な失点を食らって敗れている。

こちらは日頃攻撃的なチームが余計に前に出るもので、茂庭と上本の二人では守備が持たなかったのが理由。今年続けているバランス重視のサッカーがうまくまとまれば、疫病神はさっさと帰ってくれるだろう。


らしくない安定感で完勝。


3点目は大宮の緊張の糸が切れたところを上手く突けた。後は完封するだけ。

かえすがえすになるけれど、今日の守備陣は本当に頼もしく見えた。大宮の不調を差し引いても満足の行くものだ、仙台戦を引きずらずによく立て直せたし、左サイドの高橋大輔も無難にプレーできていたし…。

左サイドに入った高橋は丸橋よりも若干守備的ではあるけれど、フィジカルが強く、高さもあるので前に出てくる相手にはハマるかも知れない。

交代策も的確で、攻撃陣を入れ替えることでボールを大宮サイド深くに押し込んでいた。

後半25分、ブランキーニョ→柿谷

特に柿谷は好調をキープ、自陣から独走してシュートまで持っていくところなど鳥肌が立った。

ブランキーニョが調子をつかめずにいる中で、こうした活躍を見せてくれれば先発も十分にありえる。ここまで回り道をしてきたが、その分だけ大きく育ってくれたように思う。


後半37分、ケンペス→播戸

後半39分清武→永井

開幕からこれほど好調なセレッソというのも例年にない。夏には清武、キム・ボギョンの移籍が噂され、五輪で山口螢、扇原らを欠く時期も出てくるが、そこまでに勝ち点を積み上げていければ、少なくとも去年のように順位表の下の方を心配しながら眺めることはないだろう。

ブランキーニョが復調し、柿谷が今のレベルのプレーを続け、丸橋が復帰すれば、さらに上を目指せるかも知れない。

サポーターに「勝者のメンタリティー」が無いものだから、ここまでくると逆に不安になるけれども、まあ、悪い気はしないな。


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