前半20分 清武 弘嗣(C大阪)
後半2分 扇原 貴宏(C大阪)
後半38分 キム ボギョン(C大阪)
後半42分 山田 大記(磐田)
後半45分+2 チョ ビョングク (磐田)
ホームでは勝たなければいけない。
たくさんのサポーターがチームの勝利を信じてやって来る。大阪だけではなくて、関東や、他の地方から足を運んでくれる人だっている。
サポーターのために、クラブの運営も必死で頑張っている。地元の人達も応援している。そんな頑張りを無駄にしないために、勝たなければいけない。
今日は不恰好ではあったけれど、最低限の結果を残してくれたこと、感謝している。
スターティングメンバー
丸橋が本格的に復帰、左サイドバックに入った。舩津がボランチ、左サイドバックの控えとして、村田がシャドーの控えとして、ともにベンチ入りしている。
試合開始時 |
ロングボールが冴えた前半戦
磐田はここまでリーグ戦4勝2分1敗と好調。前田頼みだったところから中盤のタレントが成長し、チームとしての厚みが生まれている。個々のプレーヤーが前年から確実にレベルアップした印象。
ただし基本的なチームのスタイルは変わらずで、馬蹄形に相手を囲んでポゼッション、サイドから相手を崩し、前線のタレントにフィニッシュさせる形。
前半特に印象的だったのは8番ペク・ソンドン。運動量が多く捕まえづらい。シュート精度が高ければ早々に先制点を奪われていたはず。
対するセレッソは明確な磐田対策を講じてきた。それが磐田両サイドの裏を突くロングボールだ。
セレッソがボールを奪うと、両サイドバックがすっと高い位置に入っていく、そこにボランチから長いボールが一気に入る。
磐田はセレッソ陣内深くでポゼッションするために裏にはスペースがあった。特に右サイド(セレッソの左サイド)は攻撃の組み立てのためにどうしても駒野が上がっていかねばならず、守備の際はアキレス腱になっていた。丸橋は怪我明けとは思えない運動量でその裏を突く。
ケンペスへの長いボールはどうしても収まりが悪いのだけれど、サイドで起点を作れると、そのケンペスやブランキーニョが生きてくる。彼らが生きてくれば、生命線の清武、キム・ボギョンへのマークも緩くなる。
前半は多くの時間帯磐田がポゼッションしていたが、セレッソもカウンターから少ないながらもいい形を作れていた。前半20分にはブランキーニョのひらめきから清武がゴールマウスにボールを流し込み先制。
前半はこのまま1-0で折り返し。
効いた追加点
後半開始早々には高い位置でボールを奪ってハーフカウンター、キム・ボギョンに引っ張られて扇原がフリーになった。扇原らしい押さえの効いたシュートがネットを揺らす。
セレッソとすればキム・ボギョン、清武が生きているのでやりやすい。前述の磐田対策でサイドバック、特に丸橋が脅威になっていたので、磐田はらしさを消されていた。
前田をシュート0に抑える |
後半38分のキム・ボギョンのゴールまでは完璧な試合だった。キム・ボギョンは今季6ゴール目で、セレッソの全12ゴールの半分は彼のもの。
後半30分ブランキーニョ→柿谷 |
まだ見えない息切れ対策
ところがここから磐田の反撃を食らい、最終的には1点差、薄氷を踏むような試合になってしまった。
リーグ戦ここ2試合、後半にプレッシングが弱くなって失点というパターンが続いている。その前の6試合で4失点だったのが、この2試合で5失点。その全てが後半の失点だ。
原因は三つある。
一つは単純な運動量の減少。昨年まではボールを保持する時間を増やすことで守備の負担やスタミナの減少を防いでいたが、今年は帰陣して守備のブロックを作り、奪ってカウンターの形が多いのでどうしても息切れしやすくなる。ケンペスのところで起点を作れないのも、後半の負担増の一因といえる。
二つ目はシステム変更や選手交代への応対の送れ。前節では中盤の入れ替えに対応しきれなかったが、この試合ではパワープレー要員として前に上がっていたチョ・ビョングクに1点を献上している。藤本がパンクして下がっていなければ食らっていなかった失点かもしれないけれど…。
後半39分ケンペス→播戸 |
後半44分藤本→山下 |
今季のセレッソは徹底した相手チームの分析を行なっている。なので相手が想定内の動きをしている内は非常に冷静に対処できる。けれど、前節の中盤システム変更や、今節のセンターバックの前残りのような「想定外」が起こると、とたんに脆くなる。
三つ目は、密集した守備ブロック。
セレッソの4バックと2ボランチの距離感はとても近い。なので強引な中央突破や偏ったサイド攻撃は比較的容易に跳ね返せるが、大きな展開には弱い。振り回されてからサイドを崩される形が多いのもそのため。
前線がスタミナのある間はボールの出し手にプレッシャーをかけてパス精度を下げさせるのだけれど、前線がスタミナ切れを起こすとどうしても劣勢になる。
ソアレス監督もそれはよくわかっているようで、いろいろな微調整を行なっている。
例えば守備に帰陣する際、4-4-2の形をとるけれど、清武、キム・ボギョン、ブランキーニョは決まった位置に帰るのではなく、攻撃がストップした際にいたポジションに近い位置で守備組織に加わるようになった。
なので前の2枚はケンペスと前述の3人が代わる代わるペアを組む形に変わっている。帰陣する距離が短くなれば守備組織が形成されるまでの時間が短くなるし、スタミナの消費も少ない。
また、今日の試合では柿谷が入った後、守備の際には中盤のラインに加わって4-5-1の形を作っていた。これでサイドにふられた時にも最低一人、マークにつける。
今日の柿谷は少しお休み |
それでも失点は減らず、課題は残ったままだ。
個人的には、やはり前線に走れる選手、ファイトできる選手を入れ、攻撃的な守備をキープするのが一番のように感じる。
セレッソのサポーターをやっているからそういう発想になるのかもしれないが、攻撃している時間、相手陣内でボールを保持している時間は点をとられない、この試合でも播戸が前でファイトしていたが、そんなカードの切り方はこれ以上できないものだろうか?
まだ修正点は多く、答えも出されていない。ゴールデンウィークは過密日程になっていて、5月3日には札幌まで遠征、中2日でハイプレスが持ち味の神戸を迎えるとなると、楽観視はできない。
また、何度も書くことになるけれど、清武、キム・ボギョン、山口螢、扇原はオリンピック期間中は離脱してしまうし、清武、キム・ボギョンについては今夏の移籍が濃厚だ。それまでの間にチーム力の底上げをしておかないと、タイトルをとる、という今年の目標も霞んでしまう。まだまだしばらく、苦しい戦いが続きそうだ。
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