初春の穏やかな日差しの中で、娘が中学生になった。
ザビエル公園の桜はまだ満開ではなかったけれど、俺の感傷的な気持ちを揺り動かすに十分なトリガーだった。
多分、今の俺は、娘が感じているよりも多くの不安を抱えている。勉強はできるだろうか?友達はできるだろうか?新しい町で新しい生活に慣れるだろうか?などなど…。少し時間ができればウロウロソワソワして落ち着かない。
こんなに落ち着かないのは、13年前にこの娘が生まれた、その日以来かも知れないな。
娘はそんな親父の心配などどこ吹く風で、海沿いの桜並木を元気にしっかり歩いていった。
女性は強いなと、つとに思う。
身体能力だとか、そういうものは、それは男にはかなわないかも知れない。けれど、実生活の中でひたすら走るとか、重い物を持ち上げるだとか、そういうシーンなんてそう無い。学生時代の運動会ぐらいじゃないかな。
肉体労働をやっていたこともあるけれど、アレはアレでコツがあって、ある程度は技術でカバーできるしね。
実生活では何かに耐えるとか、気をうかがうだとか、「知恵」とか「勇気」、「忍耐」が必要な所の方が圧倒的に多くて、 そんなものを比べたら、圧倒的に男のほうがヘタレだ。
だから多分、俺はあの世に行くその日まで、娘のことが心配で心配で、子離れできないバカ親のまま過ごすんだろう。そうして、娘はそんな俺を見て呆れてしまうんだろう。
でも、それくらいは許してくれよ。それくらい大好きなんだからさ。
まだまだ俺にできること、残っていると思う。それを全力で果たして、バカ親なりに頑張ってみよう。
0 件のコメント :
コメントを投稿