後半13分 南野 拓実(C大阪)
後半15分 前田 遼一(磐田)
後半16分 山田 大記(磐田)
後半26分 エジノ(C大阪)
誰かの心地良い状態が、他の誰かにとっても心地よい状態というわけではない。このシステムでは今までチームを支えてきた2人の選手が死んでしまう。そんな中で、よくも先制し、ひっくり返されても同点に追いつき、劣勢の中勝ち点1をとれた。
スタメンとベンチ。スタメンとシステムはナビスコカップ準々決勝2ndレグから変わっていない。1トップに柿谷を入れ、2列目には南野拓実、シンプリシオ、エジノが並ぶ。この3人は3シャドーではなく、南野とエジノはサイドに開いて仕事をする。
これだと攻撃時、エジノが得意な位置にいるので生きてくる。浦和戦と変わらずサイドで起点になっていた。さすがにこの位置まで屈強なセンターバックが上がってきたり、ボランチが出張ってくることがないので、ボールが収まりやすく、そこからの展開が容易なのだ。
その代償として、柿谷曜一朗、シンプリシオは死ぬことになる。
守備時、このシステムではシンプリシオが出張って4-4-2のような形になる。
これだとシンプリシオの足の遅さが際立ってしまって、相手の最終ラインにかける圧力がまるで足りなくなってしまう。そして、磐田はもともと最終ラインでボールを回しながらサイドを突くことを基本にしているチームなので、かみ合わせが異様に悪かった。
ボールを奪う位置は最終ライン近くに限定され、そこからいちいちボールを運ばないといけない。そうすると今度は前線でボールを収められるのが柿谷一枚なのでとても苦しい。中盤でのドリブルミス、パスミスが多く見えたけれども、それはボランチから前の構成力の悪さに起因する。
シンプリシオの球離れの悪さと遅さは、ボランチの位置ではとてもいい効果をもたらす。前線の選手はアクションを起こす時間が作れるし、後ろの選手にとっては一息つく暇ができるからだ。
しかしそれはプレスが少ない位置だからこそできる芸当で、敵のボランチとまともに組み合う2列目中央ではプレスの餌食になってしまう。
そこでボールが落ち着かないので、柿谷にはいつも以上に無茶なパスしか回って来なかった。ボールが来なければトラップの技術だって披露できない。
前半は、構成力に勝る磐田に対して劣勢が続いた、至極当然の帰結だった。前田がもう少し調子よく動いていたらやられていたシーンが一度。
それでも、セレッソが先制するのだからサッカーはわからない。後半にあったゴールは南野の個人技とディフレクションによる幸運がかさなったものだが、シュート意識の高さがその運気を呼び込んだのだ。
ところが、ここでセレッソに妙な落ち着きが出てしまった。磐田にすれば、うまくいっていたのに逆の展開になり、焦って前がかりになる時間帯である。前に前にという意識をまともに受けてしまった。受け身に回ったセレッソの脆さは御存知の通りで、たった2分間で2点を奪われ、逆転を許す。
最悪の展開の中、セレッソの選手交代は楠神順平、横山知伸の同時投入。南野を中央に入れたように見えた。
後半23分 |
ここまで書いてこなかったけれども、扇原貴宏の動きもなかなか厳しいものがあった。そこを入れ替え、守備時トップに出張る選手を南野にしたことでチーム全体の動きが随分と良くなった。
とくに横山の出来は出色で、ここでボールが奪えてカウンターに持ち込めるのは大きかった。次節は扇原が出場停止のため、横山の復調はとても大きな意味を持つ。
そうして、同点ゴールは居場所を見つけたエジノ。柿谷がファーに流れた酒本憲幸のクロスをうまく折り返し、つめていた彼が強引に決めた。
これでまた巻き返せるかと思ったが、前半から飛ばし気味だったはずの磐田は運動量が落ちず、劣勢の時間帯が長く続いた。ここで対策をとれなかったのは反省材料だ。
特に、流れを変えようと出場機会を与えられた楠神、杉本健勇が殆ど仕事のできないままだったのは大きな問題だ。
後半41分 |
杉本はロングボールをおさめるポストとしての役割を担っていたはずだが、そのタスクをこなせなかった。楠神もドリブルで持ち上がり、攻撃を組み立てるという仕事ができずだった。どちらかでもできていたなら、まだ勝つ出目は残っていたはず。
攻撃の効果的なカードが無い、というのは問題で、誰かがキープレーヤーになる必要がある。もちろん杉本、楠神がレベルアップすれば大きいし、他のプレーヤーが台頭してもいいが、ボールを運べる、ゲームが作れる、前線で保持できる、なにかしらの一芸をもった曲者がいればなと思う。
この試合単体で見れば、劣勢の中よくぞ勝ち点がとれたと評価できる。しかし、その劣勢はそもそも選手起用の問題に起因するセレッソ内面の問題で、ここから連戦が続くことを考えれば、早く手を打つ必要がある。次の試合はもう水曜日にあるのだから。
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