前半12分 柿谷 曜一朗(C大阪)
後半45分 シンプリシオ(C大阪)
後半45分+2 マルキーニョス(横浜FM)
磐田戦から考えると、システムは大幅に改良、整理がされて、それが攻守に良いリズムを生んでいた。1トップの柿谷曜一朗が孤立することなく存在感を示していたし、シンプリシオが流れから取り残されることもなかった。この二人がゴールを決め、アクシデントにあいながらも、なんとか1失点でしのいだのは素直に嬉しい。
スタメンは変わらず4-2-3-1のシステムで、ダブルボランチの一角には出場停止の扇原貴宏に代わって横山知伸が入っている。サブには黒木聖仁が入った。
システムもメンバーも磐田戦とさほど変わりはなかったのだが、前述の通り、動き方が大幅に変更、整理されている。
まず守備時は4-4-2の3ラインを作り、ブロックで守る。これは変わらないのだが、押し込められた時は柿谷は無理に戻らずハーフウェイラインあたりで留まり、4-4-1-1のような形に変化していく。
このダブルボランチとシンプリシオが作る三角形が硬いブロックを作り、マリノスの攻撃の鍵を握る中村俊輔に仕事をさせなかった。スピードとスキルに長ける斉藤学、マルキーニョスには手を焼いたが、ある程度は予想通り、期待通りの展開ができたと思う。また、こうして前の二人が縦に余ることで、カウンターの際の展開の早さを生み出していた。
攻撃に関しては変則的な2トップのような形を採用した。カウンターの際は南野拓実かエジノが必ず柿谷と近い位置にカットインしサポートに入る。もう一方の2列目は少し開いて2トップのあたりがノッキングした時に展開できる保険になる。この受け渡しが絶妙で、1点目の柿谷のゴールなどはその理想形だった。
もともと柿谷と南野、シンプリシオとエジノは親和性が高かったので、システムを構築して3試合目でも、これほどうまく機能し始めたのだろう。
前半はいくつかピンチがあったものの、同じくらいの決定機を作れていたので、満足のいく内容だった。ただし後半に関してはまだ改良の余地やこのシステムが持つ短所が出たように思う。
まず心配なのは栗原勇蔵の肘を頭部に食らったキム・ジンヒョンの負傷だ。
あれほどひどい接触があったにもかかわらずカード一つでないのは腹立たしい。夏場は気温も上がり体力の消耗が激しい、考えるスピードも当然落ちてくる、だからああした接触は起こりうることで、それを戒める意味でも何かしらのアクションはほしかった。
結局頭部にダメージが残ったキム・ジンヒョンは交代、セカンドキーパーの武田が急遽ゴールマウスを守ることになった。
後半17分 |
そして、後半顕著だったのは、2列目の両翼、南野とエジノの運動量の低下だ。
この二人は守備時にはサイドバックの前まで帰陣し、攻撃の際はトップの柿谷の近くまで駆け上がる必要がある。サイドバックかそれ以上のスタミナ、そして柿谷やシンプリシオと変わらぬプレーの質を要求されるのだから、疲れて当然。キム・ジンヒョンを下げ、後半押し込められても、二枚替えで楠神順平、枝村匠馬を投入しなければいけなかったのはこのためだ。
後半34分 |
事実、フレッシュな彼らが入ってからは再び前線が活性化し、攻撃に早さと巧さが蘇った。特に楠神のタテへの推進力とドリブルは光っていた。
交代カード三枚のうち少なくとも一枚を彼らのために割かねばならないとしたら、試合の流れをコントロールする力を弱めることになるだろう。
レヴィー・クルピはかつて何度も大胆な交代策とシステム変更で試合をひっくり返してきた。後半の頭15分でも二枚替えをやってきた。それができなくなる危険を孕んでいるとしたら、やはりこれは問題だ。消耗の激しい夏に向かう中でこのシステムを維持し続けられるのか、これがこれから上位を狙う上で大事なポイントになるだろう。
上位対決が続くこの一週間、まずは一つ目をとれた。しかし、次節の広島も侮りがたい相手であることに変わりはない。そこをどう乗りきれるのか、注視して行きたい。
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