9/23/2013

2013 J1 第26節 C大阪1vs1 柏 俺達は勝つんだ。 #cerezo #photo

得点者

前半38分 工藤 壮人(柏)
後半38分 柿谷 曜一朗(C大阪)


同点ゴールを決めた柿谷曜一朗は、喜びもせずにゴールの中からボールを素早く奪い取り、一目散にセンターサークルに戻した。


俺は、この魂がある限り、セレッソは死んでいないと言える。勝つんだという意志がある限り、戦い続けられる。ずっとね。


スターティングラインナップはかなり細かく変更があった。


ケガの丸橋祐介はベンチに戻ってきたが、スターターの左サイドバックは続けて新井場徹。右サイドバックは出場停止明けの酒本憲幸。フォワードである杉本健勇とエジノがそれぞれ2列目で起用され、楠神順平はベンチスタート。


アウェイ、日立台での試合では、前半は完全に柏ペースで、十重二十重と攻撃を仕掛けられたが、今回の柏はまず守備から入っていた。田中順也が1トップ気味、澤昌克がその下にいて、こちらのダブルボランチ、山口螢と扇原貴宏、それにセンターバックの山下達也、藤本康太にチェックを入れていた。


写真を整理して感じたのだけれど、守備時の田中順也の貢献は凄まじいもので、山下の写真を選ぶと必ず彼がフレームに入っていた。セレッソのセンターバックはゲームメイク能力が低いので、そこを捨ててボランチに詰める形が「定石」。それがここまで自由にしてもらえないというのは珍しい。


守備のキツさは前線でも同じだった。

杉本健勇が柿谷の援護にまわり、2列目に入ると、高さで競り合うゾーンが相手ボランチと重なり、競り勝てる場合が多いのだけれど、ここでもガツガツと詰められてあまりいい形が作れなかった。

さらに言うと、エジノと酒本の右サイドはそれよりも危険な状態だった。ボールロストの殆どがエジノの判断の遅れからで、場所やタイミングが悪すぎた。ここを起点にされてボールを回されることが多かった。


それでも、セレッソは決定機を、少なくとも前節Fマリノス戦よりは作れていた。2列目がリスクを負いながらも前への意識を強く持っていたのがポイントだった。柏のタイトな守備で今一歩決めきれなかったが、いい形を少なくとも1度作り、33,174人の観客を飲み込んだ長居スタジアムを沸かせている。


しかし、 先制点はアウェイに続きまたしても柏だった。スコアラーも同じ工藤壮人。

工藤は純然たるフォワードではなく、代表と同じく2列目右に陣取り、攻撃時にはトップに近い位置まで上がる「隠れフォワード」とでも言うべき動きをしていた。こちらの左サイドがそのマークの受け渡しに難儀していて、失点のシーンでも右サイドからスルスルと上がっていく工藤に付ききらないままだった。かなり特殊な動き方だったので、対応しづらかったのはわかるけれど。

前半は、攻めながらも詰めが甘いセレッソと、キッチリと決めきった柏とのコントラストが際立った。


これはマズいと考えたのか、レヴィーは後半の頭から2枚替えをする荒療治に出た。山口螢とエジノの右サイドを下げて楠神と枝村匠馬を入れ、杉本健勇がトップの位置まで上がる4-4-2のスタイル。




後半開始時

この交代は効果を呼び、後半開始から10分くらいの間はいい流れを作れた。


特に楠神順平のドリブルは効果的なアクセントだった。ボランチの位置まで下がって、前線までボールを運ぶ、南野拓実がしていた仕事ができるのは、今のメンバーでは彼くらいだから。彼がボールを持てば、少なくとも2トップの近くまでは攻撃を展開させることが出来た。

それでも、ドリブルの仕掛けどころ、パスかシュートに切り替えるポイントがはっきりせず、連係の不味さが目立ってしまった。これはマイナスのポイント。それがわかると、まず彼を止めればよいと柏側にシンプルに考えられてしまって、4-4-2にした柏の8枚のブロックを突き崩せなかった。




もう一つ不味かったのは、ボランチの選択がシンプリシオと扇原だった、ということだ。

2列目を一枚削って前線を増やす選択をしたのに、ボランチの運動量とスピードが下がってしまい、守備が後手に回る機会が増えてしまった。それで、後半10分くらいからはお互いにかなりオープンな体勢になってしまい、多くのピンチと数少ないチャンスという、あまり良くない状態が続いた。

山口螢は前半消えていることが多かったけれども、運動量はシンプリシオよりもあるのだから、山口、扇原の方がよかったのでは?ケガなのかもしれないが。

後半33分にはもう最後のカード。丸橋が左サイドに入り、限りなく攻撃的な姿勢。

後半33分

この交代と、柏のジョルジ・ワグネル、クレオの投入が、セレッソ同点への呼び水となったように思う。

こちらは田中順也や澤、工藤の運動量に悩まされていた。前述の通りオープンな打ち合いで3対3など危険な形を作られていた。けれども運動量よりも技術や高さで勝負をする2人が入ったことで、セレッソは局地戦を不利な状態で向かえる機会が減ったのだ。

そうして、今際の際の38分に柿谷のゴール。


柿谷はここまでに前後半1度ずつ決定機を外していたけれど、一番難しい最後のチャンスで決めきってくれた。ボールの運び役であるエジノ、杉本健勇、シンプリシオ、枝村、楠神がうまく噛み合わず難儀したが、このゴールでは丸橋、杉本、シンプリシオ、楠神が攻撃に加わり、かなり厚い攻撃ができていた。


もちろん、勝ちたかった。これで首位争いからはかなり交代してしまって、横浜Fマリノスがコケない限り奇跡は起きない状態になった。状況は節を追うごとに厳しくなっている。

それでも、ACL圏内である3位はまだ十分に射程内に入っている。まずはここを目指そう。そうしてそこからもうワンランク上を目指すつもりで戦っていこう。 常に気持ちを前に、目標を設定し、一つ一つを大切にしていこう。その姿勢はスタンドにいる多くの子供たちにも伝わっているから。


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