前半7分 杉本 健勇(C大阪)
後半3分 杉本 健勇(C大阪)
後半34分 山下 達也(C大阪)
後半45分+1 杉本 健勇(C大阪)(PK)
ゴールも多くて、局面局面では面白いところもあった。けれど、ベストメンバーから柿谷曜一朗、山口螢、南野拓実、酒本憲幸、丸橋祐介、キム・ジンヒョンと過半数が抜けると、どこか味気なく、もどかしい試合だった。
誰に問題があったとか、どのシーンをこうすればよかったとかではなくて、単純に選手のコマ不足に起因するものだから、気にすることはないのかもしれない。それでも、寂しさは募った。
スタメンとベンチを見れば、台所事情がよくわかる。契約が宙ぶらりんのブランコ、怪我の吉野峻光、南野、丸橋、それに第四キーパーの多田大介と代表の二人以外、今セレッソのユニフォームを着られるほぼ全員が、これだ。一人も余裕が無いのだ。格下のアマチュア相手とはいえ、不安。
こういう試合は、まず何より先制点。この試合では開始直後の前半7分に、左サイドを抜けた楠神順平のクロスを、中央で競り勝った杉本健勇がヘッドで合わせて先制。早いうちにジャイアントキリングの芽を摘み取ることができた。
杉本健勇は格下の相手とはいえ、いい動きができていた。ちょっとした自信なり切っ掛けなりが掴めるのであればと思う。
クロスを上げた楠神にしても、前半は攻撃の切り札的な役割を担っていた。エジノと杉本のラインが噛み合わない上に、枝村は持って上がるよりゴール前のスペースに位置取る場面が多く、シンプリシオも攻撃的なポジション、プレーが出来なかったので、彼のドリブルだけが縦への強さを持っていた。
守備に関しては新井場徹がバランサーのように穴を埋めてくれていたし、扇原貴宏とシンプリシオと本職のボランチ二枚がいたのでまずまずの出来。右サイド(関西大学の左サイド)ではもたつきがあって何度か突破を許したが、ギリギリのところで藤本康太と山下達也が踏ん張ってくれた。
本来は、もう一列前でストップを掛けたかったけれど、関大が意図的に縦に早いパス出しをして、スピードに劣るダブルボランチを振り回してくれた、これには難儀した。前半は得点を奪われても果敢にアタックを仕掛ける関大に手こずった印象。
後半、駒不足のはずのセレッソが2枚同時にカードを切ったのも、そうした理由から。
後半開始時 |
守備に長けた横山が入って、前線で攻撃を作れるシンプリシオが一列上がる。右サイドの小暮大器は、よりフレッシュでスピードと思い切りのあるプレーヤーだ。
前半の椋原健太、後半の小暮、どちらが素晴らしかったのかを結論づけるのは難しい。椋原がでた前半ではエジノ、枝村匠馬らが「蓋」になってらしいオーバーラップがし辛い状況だった。小暮にはまだ経験不足という不安材料を払拭できない。この試合のように前半は椋原の経験を、後半、様子を見て小暮の可能性を活かすのがベターな選択だろう。
試合自体は後半立ち上がりに左サイドを抜けだした杉本のゴール、セットプレーの流れからの山下のゴールで危なげなくリードを伸ばしていった。
後半32分の交代は、もうこれは「パッチした」以上の意味が無い。ガス欠した枝村を下げて本職ではない黒木聖仁が入る。
それでもそれなりのプレーができるのは、黒木のいいところで、また、損をしているなというところでもある。使い勝手がいいばかりに、活きるポジションで使ってもらえないのはもったいない。
チーム事情で選手個々の良い所を伸ばせない試合は、ただ結果だけがついてきたという印象を受けた。
今は、ただタイトルを奪うためだけに、結果を残していくためだけに、この試合をしたのだと割り切っている。次はJ2とはいえ頭ひとつ抜けている2チームのうちの1つ、神戸が相手。この試合を不格好ながらも勝ち抜いた意味を考えれば、しっかりと勝ちきる覚悟が求められる。
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