6/25/2014

2014 FIFA World Cup Group Stage - Group C JAPAN 1vs4 COLOMBIA 「らしさ」とは。 #JPN #cerezo #photo

日本の2014ワールドカップが終わった。代表は試合に負けた以前に、いろんなことに振り回され、疲弊していたように思う。

それは協会であったり、スポンサーとなった企業であったり、選手を間近で見たいというサポーターの欲求であったり、そういったものだ。本来は代表のプレーヤーを守り、後押しし、サポートするべき味方が、代表の首を締め付けていた。


例えば今回のワールドカップ、ブラジル入りしてからの拠点はイトゥというサンパウロ州の都市に置かれたが、これはスポンサー企業の現地法人が立地していることと無縁ではない。温暖で乾燥した過ごしやすい都市ではあるが、試合会場のどことも2000キロ以上離れており、また気候も違っていた。ここで調整しても、どれほど試合でフィードバックできたか疑問が残る。


それから、今大会では攻撃的な、どちらかというとポゼッション志向のチームが苦戦を続けている。対して5バック、3バックの堅守速攻を是とするチームの躍進が著しい。高温多湿、過酷な環境下では、選手間をコンパクトに保つポゼッションサッカーはスタミナを削り、思考能力を鈍らせる。

コロンビア戦スタメン

コンパクト、攻撃的、ポゼッション、4年間かけて日本がザッケローニとともに追求してきたスタイルだ。ブラジルで大会が行われることはその前にわかっていたことであるのに、協会はザッケローニにこの4年を託した。

ザッケローニ自身が引き出しが少なく、本戦になってテストもしていなかった吉田麻也のパワープレー、大久保嘉人の1トップ起用、大迫勇也、柿谷曜一朗の2トップなどを指示したことは誤算だったかもしれないが、根幹となる戦い方がブラジルの気候風土に適さないものだったことは問題にはならないのだろうか。

後半39分

その失敗を見てきたにも関わらず、日本サッカー協会の原博実氏はスペインサッカー、攻撃的なサッカーを基本線に次期監督を選考しているという報道もなされた。

原氏自身がスペインサッカーに対して造詣が深いことを差し引いても、今大会トレンドとなった堅守速攻とは真逆のスタイルを模索していたのはどういうことだろう。(もちろん、次の大会開催地ロシアが冷涼な気候であるため、ポゼッションサッカーが盛り返す可能性も多分にあるが)


もちろん、多くの人々の目を集め、スポンサーを獲得し、市民権と資金を得ることは日本サッカーにとってとても喜ばしいことだ。スポーツバーで選手の区別もつかず、ビールを片手に「もっと走れ!」と罵声を浴びせるだけの人間も、スポーツバーの飲食費や、コンビニエンスストアで購入したグッズ代くらいはサッカーの発展に貢献している。


ただし、その全て、根幹には「強い代表」「夢を与え続けられる代表」があることを忘れてはいけない。スポンサーの意向で何もかもをなし崩してしまったり、監督をCMスタジオやロケ地のスタジアムに借り出したり、選手にイベント出演を要求したり、それは全て根幹が揺るがない範囲での「遊び」であるべきだ。

自分がサッカーを愛しているから、ということももちろんある。けれど、弱い代表ではメディアに取り上げられる機会が減り、スポンサードする価値が無くなり、選手の生活が成り立たなくなり、そうした負のスパイラルに陥ってしまうということの方が、はるかに大きな理由だ。


「自分たちのサッカー」選手たちが口々に話していたそれは、ピッチ上、スタジアムの中だけに限ったことではない。日本が日本代表を強くするためのスタイル、それこそが「自分たちのサッカー」ではないか。

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