だから、この一年の戦い方を、しかとカメラで残しておきたかった。現場の空気感をどこかに記しておきたかった。じゃなきゃ、Nikon D600、AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR、タムロン A007なんてクソ重たい一式を抱えて九州に三度も行ったりしない(あと二回行く予定なのだけれど)
そうして、その土地土地を巡り、相手サポーターと話をし、対戦をして感じたことをツラツラと書きたい。
J2は厳しいリーグだ、J1と違った意味での難しさがある。限られた予算、環境、観客動員の中でどうやってチームを戦える状態に持っていくのか、どのクラブでも頭を悩ませている。「生きていく、続ける」のに必死なのだ。
そんな中で、セレッソ戦というのは「ドル箱」の試合になる。現役の日本代表、韓国代表、各国の代表経験者がズラリと名を連ねる。こんな対戦相手は過去…ああ、大阪のもう1チームがあったな、でも、それくらいだ。だから試合の盛り上がり方も、サポーター、チームのモチベーションも違う。
輪をかけて悩ましいことに、セレッソはJ2の戦い方、泥臭くても果敢にチャレンジするやり方を終始徹底してくるチームにからきし弱い。
固く守ってカウンター、可能性が低くてもくじけずに続ける。そういう「スピリット」を持ったチームに当たると受け身になって、上手さ、テクニックでいなす事ができない。岡山戦、金沢戦、群馬戦、福岡戦、長崎戦、そして熊本戦、磐田以外の敗戦や不完全燃焼のドローはおよそこのパターンだ。
外国人FWが守備をあまりしないのは知れた事だけれど、そもそも「相手が守備ラインを整える前に攻めきる」をコンセプトにしているチームと「奪われたらとにかく帰陣」を徹底しているチームのミスマッチだ。
アウェイの遠征では、土地土地の温かさに触れて、地元の美味いものに舌つづみをうち、肝心の試合では苦々しい思いをする。そのくり返しだ。そこから土地土地の楽しみが無くなったら、もう苦行だな。
土地の温かさは、もうこれは行ってみて感じてほしい。岡山でも九州でも、例え敵だと名乗っても「よく来たね」「楽しんでいってよ」と笑ってくれる。スタグルはどこがうまいとか、細かな事までもてなしてくれる人がたくさんいる。そうすると、それだけで自分も穏やかな気持ちになってくる、ふしぎなもんだ。
クラブがどんなに約束事を作っても、名店をスタジアムグルメに招いても、いい座席をしつらえても、それを運営している人、それを支えているサポーターが温かくないとダメなんだなと痛切に感じた。自分のしでかした事の代償だとはいえ、大阪で穏やかに過ごすことが無理になった自分にとっては、アウェイは別天地に感じたよ。
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