5/24/2015

明治安田生命J2リーグ第15節 熊本 0vs0 C大阪 内外の問題。 #cerezo #photo #diary

関西国際空港に向かう飛行機の中は、ほとんどがセレッソサポーターだ。誰も彼も疲労困憊で、ぐっすりと寝入っている人もいる。明るい顔はほとんどなく、とても重苦しい。


パウロ・アウトゥオリは試合後の会見で「内外に問題がある、試合内容は妥当」との内容を口にしたそうだ。内部の問題とはなんなのだろう?それが、下位クラブ相手の取りこぼしの原因だとするなら、早急に解消してほしい。もうシーズンは1/3を消化してしまったのに…。

システムもスタメンも、およそベストではなかった、それも内部の問題の一つなのは分かった。ボランチには山口蛍と長谷川アーリアジャスール以外のメンバーがいない。彼ら以外に中盤をつとめられる「実績」のあるプレーヤーは扇原貴宏、橋本英郎、関口訓充、しかしその全員がケガでメンバーにも入っていない。


そのため中盤は二枚、その前にパブロを置いて、前線三人にボールを供給する。


アウトゥオリのサッカーはハッキリしている。まず前にいるプレーヤーは守備時から攻撃の付せんとなる位置取りをしておく、そしてボールを奪ったら相手の裏へ、または空いているサイドへと素早く展開し、相手が守備のシステムを組み終えるまでにゴールに迫る。


しっかりと4-4、ないしは5-4のラインをしかれるとそう崩せるものではない、だから、戻りきられる前に攻めきってしまうという道理は理解できる。

しかし、このサッカーでは前線の守備における役割が少なく、逆に中盤以降への負担が非常に高い。なので終盤に疲弊し、プレーの質量が一気に低下する。後半ラスト15分での失点が全体の半分をしめるのもそれが直接の原因だ。


また、セレッソのアタッカーは足元でボールを受けるタイプが多い。今日先発した楠神順平、関口、ベンチ入りしている玉田圭司、復帰を果たした吉野峻光もそうだ。なので監督のしたいプレーと、選手がしたいプレーに開きがあって、どうしてもうまくかみ合わない。

セレッソが活発に攻撃している時間帯はしっかりとボールを保持し、サイドバックや二列目が前線を追い越し、十重二十重の攻撃を仕掛けている。アウトゥオリのベストとしているパターンと真逆の時なのだ。


なので、この試合でも前半の攻撃は単発で力押しで、つまり効果的ではなかった。


カカウ、フォルランの技術は確かで、スピリットも無いわけではなかった(と、信じたい)しかし、そこに二人三人とつかれれば突破は容易ではない。後ろに下げて組み立てるにしても全体が間延びしていてパスミスの確立が高く、不用意に奪われてはカウンターを食らっていた。前半でその状態だから、後半の攻撃に関してはさらに輪をかけてマズいものだった。


外国籍のアタッカーを一気に下げたのは、現地で見ていても予想外というほどの驚きでは無かった。

ケガ明け、バンコクグラス戦でテスト出場した吉野と、ルーキー沖野将基を入れたのも、台所事情の厳しさからなのは理解できた。

玉田を含め、投入された三人はそれなりに自分に与えられた役割を全うしようとしていた。吉野はなれない空中戦をしてまで攻撃のアクセントになるべく奔走していたし、玉田は前線でフォルランが担っていた役割を引き継いだ。沖野はデビュー戦で硬さはあったものの、持ち前のスピードで左サイドを駆け上がった。


それでも、監督の目指すものと選手が望むもののギャップは埋まらず、90分間を通じて決定機のようなものは3度くらいしかなかった。


年俸総額の差はどれほどだろう、そんな「巨大戦力」を擁して、こんなサッカーしかできないのだ、それも、シーズンが始まってからずっと。勝った試合は監督の意図から外れた試合か、セットプレーや個人技で押し切ったものだけで、監督の手腕が光った試合は、交代枠を残しながら流れが変わるのをひたすら待った大宮戦くらいしか記憶にない。

クラブもチームも、一体となって戦わなければリーグ戦を勝ちきることはできない。問題があるのなら早く摘み取るべきだ。人に問題があるのなら人を変えよう、約束事に問題があるのならそれも変えよう、契約でも監督でも、その例外ではないはずだ。


もし一年で戻るべき場所に戻れないと、以前のように何年も厳しいシーズンを過ごすことになる。それがどれほどツラいものかは肌身に感じている。時間は、もう恐らくそれほどないはずだ。

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