とにかくケガ人の数が尋常じゃない。試合中のケガは分かるけれど、練習での負傷となると「フィジコは何をやってるんだ。」と言いたくなる。
今年に入ってケガをした選手を列記していこう、ザクっと覚えているだけでもこんなにいる。
GK
キム・ジンヒョン
DF
染谷悠太、藤本康太(去年から離脱中)、田中祐介、中澤聡太、椋原健太、茂庭照幸、池田樹雷人(公式未発表)
MF
山口蛍、楠神順平、吉野峻光、岡田武瑠(去年から離脱中)、秋山大地、橋本英郎、関口訓充、沖野将基
FW
永井龍、田代有三、玉田圭司
現在セレッソと契約を結んでいる全36人中、19人が一度はチームから離脱している。この他にもレンタル移籍した温井駿斗や完全移籍した安藤淳も負傷離脱がある。これはかなり異様な数ではないだろうか。
チーム内の管理体制が完璧であってもケガ人をゼロにすることは不可能だけれど、ある程度の数は防げたのではないかと思う。去年降格した要因のひとつに、チームを支える大黒柱である山口蛍の負傷離脱があった。にも関わらず、去年から何も学んでいないような現状には、ただ辟易してしまう。
俺はパウロ・アウトゥオリの采配に批判的な立場をとっているけれど、ケガ人によってベストメンバーが組めない点に関しては同情する。
彼のサッカーは後方からのロングパスを前線が受ける、あるいはサイドから逆サイドに素早くボールを展開するなど早く長いボールを多用する。ボールを大きく動かすスタイルによって相手の守備陣を縦横に間延びさせ、スキを作って攻略することが狙いだ。だがこのやり方ではショートパスを繋ぐスタイルよりも強いフィジカルが要求される。
前線の選手はスプリント回数が増えるし、相手ディフェンダーとの駆け引きのため、常に細かい動き出しを繰り返している。エジミウソン、ディエゴ・フォルランという守備では殆ど貢献できていないプレーヤーを前線に残すのは、この動き出しの質の高さを買われてのことだ。
中盤から後ろではロングパスを正確に繰り出せる選手が不可欠だし、その選手をフリーな状態に持っていく手間がかかる。例えば扇原貴宏はボールを展開する時、センターバックの横か間にまで降りてきてボールをはたくことが多い。
フィジカルができていないチームでこれを継続すると、相手よりも早くチームがガス欠を起こし、ロクなプレーができなくなる。その証拠にセレッソはラスト15分間の失点が異様に多く、実に14ものゴールを許している。ちなみに、首位を快走している大宮の同時間帯の失点は僅かに5だ。
ケガ人がこれほどいる中で、なおかつタフなサッカーを続けなければいけないのは厳しい。今日現在ではフィード力のあるキム・ジンヒョン、染谷悠太、パス出しがうまい吉野峻光、運動量で貢献している秋山大地と関口訓充が離脱していて、ベストと呼べる戦い方ができない。
特に染谷の離脱は痛手だ。彼がいるから相手チームの前線はセンターバックまでケアしなければいけなかった。染谷がいないことで「センターバックは捨ててボランチに入った瞬間にスイッチを入れる」または「展開力の無いセンターバックに圧力をかけて、セレッソのスイッチを入れさせない」という割りきったプレーができるようになった。染谷がいれば、ボランチを飛ばして二列目や前線に送る、プレスをかけられても扇原とのコンビでどちらかがフリーになるという回避策がとれているのだけれど。
昇格するにしても、万一昇格を逃してしまっても、ケガ人を出さないチーム作りは課題として残る。現在のフィジカルコーチは好漢ではあるけれど、更迭も考えておくべきかも知れないな。
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