10/11/2015

明治安田生命J2リーグ 第35節 C大阪 1vs0 北九州 関口の意地、玉田の意地、田中の意地。 #cerezo #photo #diary

己の、プロサッカー選手としてのプライドにかけて負けられなかった。試合にも、監督の評価にも。その想いを胸にピッチに立った選手は、特別なオーラがあった。


スタメンには関口訓充が、ベンチには玉田圭司が戻ってきた。システムはスタート時は4-4-2で中盤はダイヤモンド型。トップ下はパブロかと思ったけれど、前半を見る限り関口がかなり左右にポジションを動かしていて、マグノクルスとパブロはそれぞれのサイドで関口のバックアップに入る事が多かった。


北九州には懐かしい顔。小松塁がトップに入り、後ろには井上翔太、2005年を知る前田和哉が最終ラインを固めていた。


攻めはすごくシンプルで、縦に速く、その小松に当ててから展開する形。ベテランのはずなのに、小松がよく動く。高さはそこそこ、むしろ速さや上手さが持ち味だったのに、いつのまにか競り勝つ強さまで身につけていた。


ただし、そこは山下達也がいて、染谷悠太がいて、堅い守備が待っている。なので、前半は目を覆うようなピンチはほぼゼロだった。


残念なのは、こちらのチャンスもゼロに近かったこと。セレッソも田代有三に当てからという形があって、もう一つバリエーションとして遅攻が何種類かあって、引き出しの数では断然上のはずなのに崩せない。

それでスタッツを見たのだけれど、セレッソはこの試合9本しかシュートを放っていないのだな。ゴールへの執着心みたいなものが見えなかったのが数字に出ているように感じる。前半一番の好機は左サイドからのクロスを田代が胸トラップからボレーしたものだけれど、それにしても枠内シュートではない。


パウロ・アウトゥオリは負けられない状況をよく理解していて、後半からシステムをいじった。田代とマグノクルスを下げて玉田と秋山大地を投入、慣れた4-4-2のダブルボランチに戻して打開を計る。


ところが、早目に動いたことが裏目に出てしまう。後半5分に染谷が左肘を痛めて負傷交代、中澤聡太が急遽最終ラインに入ることに。セレッソは残り40分間メンバー交代無しでしのがなくてはいけなくなる。


染谷の離脱は攻撃の停滞を引き起こした。高さのある相手を封じるというタスクは中澤でも十二分に果たせる、むしろ得手な分野だ。しかし、最終ラインからトップにくさびを入れるパスはさすがに厳しい。


折悪しく代表で山口蛍を欠き、扇原貴宏ひとりがゲームメイカーとしての役割を演じ続けなければならなかった。後は左サイドでのパブロの組み立てから丸橋祐介の突破か、関口の崩しか。とにかくエジミウソンまでボールを運ぶので精一杯の状況だった。


この試合唯一の得点は、これしかないという形だった。

流れの中ではなくセットプレーで、ターゲットも山下、中澤、エジミウソン、パブロを外れてファーの田中。セレッソを知っていれば知っているほどこの流れは読めないはずだ。玉田のキックも正確無比なものだった。


本来ならこの流れのまま2点目が欲しい、楽になりたい状況ではあったけれど、勝ちに見放されている今のセレッソにその力は無かった。選手交代枠を使い果たしているという潜在的なリスクもあり、散発的な攻撃を試みた後は、残り時間を頭に入れながら試合を「潰し」にかかる。

うまいチームならもっとスマートに勝ったろうけれど、俺達が応援しているのはセレッソ大阪、そんな狡猾さを期待してはいけない。それなりにハラハラし、不必要な冷や汗も流し、ヘトヘトになってタイムアップ。



磐田が引き分けたため、2位との勝ち点差は4、今節勝利した3位福岡とは2のまま。2位争いは混沌としてきた。

セレッソの残り6節は
群馬、讃岐、熊本、金沢、長崎、東京V

磐田は
札幌、熊本、東京V、長崎、横浜FC、大分

福岡は
栃木、徳島、横浜FC、群馬、愛媛、岐阜

セレッソ、磐田はプレーオフ圏内を争う長崎、東京Vとの対戦を残しているほか、今節大宮を下した熊本との対戦がひかえている。福岡はプレーオフ圏内を争うチームとの対戦は愛媛1チームだけで、カード的には一番優位に立っている。

それでも、サッカーは何があるか分からない。セレッソにしても、これまでしこたま不要な負け、引き分けで星を落としながらもここまで来れた。他の2チームも、ここまで山あり谷あり過酷なシーズンを過ごしてきた。何が起こるか分からないなら、何が起こってもいいように、腹づもりをしておくことだな。

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