以前にも記事にしたけれど、その時も「スタジアム周辺の空いている土地を全てスタンドに作り変えても4万人入らない」という結論に達した。しかし今回は公式にぶち上げた話で、予想図まで用意されている。今回はこれをもとに改修案の推測をしてみたい。
先ず、ハッキリと全貌が見えるのは北側サイドスタンドとメインスタンドだ。ここから片付けていこう。
北サイドスタンドに関しては長居公園の敷地ギリギリにスタンドの尾根を延伸していくことになりそうだ。ただし、多層化はできない。理由は簡単で、北側には宅地が広がっていて、どれも(当たり前だけれど)南側にバルコニーを設けている。日照権が絡んでくるから、背の高いスタンドは作れない。屋根なしになっているようなので、改修後はこちらがアウェイスタンドになる可能性が高い。スタンドの規模から2200人規模から6000人規模程度には増強されるだろう。
メインスタンドは改修しない方向のようだ。収容人員も多く一番しっかりとした建物、お金をかけてもコストパフォーマンスに欠ける部分なので、これも無難だ。改修後にはバックスタンドになりそう。変更無しなので12000席は変わらず(スタンド上端はコンクリートむき出しで席ではないので、実際は11000席程度)。
さて、今の南サイドスタンドと現バックスタンドは阪和線、周辺施設との間にある敷地をフル活用し、さらに多層化することで収容人員を増やすようだ。北端の角にもスタンドを設けているので、南端にもスタンドを拡幅するのだろう。
しかし、図を見る限り現バックスタンドの高さは現メインスタンドとそう変わらない。もともとスタンドの傾斜が緩い分多層化しやすいが、それでも二層が限界なのだろう。収容人数も12000人入ればいいほうだ。
一番手が加わるのが南サイドスタンドになるのかと思う。スタンドの尾根がバックスタンドよりももう一段高く設定されているので、宮本功さんの話していた「三層スタンド」はこの部分のことを指している可能性が高い。
ここは南スタンドなので日照権の利害は発生しにくい(もともと墓地やテニスコートなので文句をいう人もいない)建築法の許すギリギリいっぱいまで背の高いスタンドを設け、ボンボネーラのように急勾配のスタンドを作ることができる。
今のアウェイスタンドとモニターは取り壊し三層のスタンドを作れば、ホームゴール裏として申し分無い規模にはなるだろう。しかし、それでも8000人入ればいい方で、かなりすし詰めになる。南西側角もイラストを見る限りギリギリまで拡張する様子だが、位置の関係で見辛い席になるだろう。招待席はここになるのかもしれない。
さて、改修後の各スタンドの収容人員をまとめよう。
現メインスタンド 12000席
現バックスタンド 12000席
北側サイドスタンド 6000席
南側サイドスタンド 8000席
計 38000席
やはり40000席は厳しい。現メインスタンドのバルコニー席やスタンド上部のコンクリートむき出し部分に桟敷席なりを設け、芝かぶりシートを拡幅しても2000席は増えない。実際セレッソのホームゲームで40000人を超える観客が詰めかける試合は年に一度あるかないか、無理に拡幅をする必要があるのか疑問だ。この辺り「国際Aマッチは収容人員40000人以上のスタジアムで」という今のルールに沿っているのだろうが、それでもな。
仮に北、南のサイドスタンドを一層目しか使わず、バックも一層目のみとすれば、23000人規模のサッカースタジアムとしても機能するが、ハナからそういう運用を考えているのだろうか?ヤンマースタジアム長居はキンチョウスタジアム改修後は使用しないということなので、柔軟な対応ができるスタジアム構造も必須だと考える。
4万人規模のサッカースタジアムが目の前にできる。確かに嬉しい話ではあるけれど、足元をキチンと見た上で一歩一歩様子を見てほしい。
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