4/28/2009

小さな街。

意見交換会の折、久しぶりに天王寺の街を歩いた。学生時代は阿倍野に住んでいたから、天王寺は庭のようなものだった。画材や本も買いあさったし、友達ともよく遊んだ。生野に生活の場を移してからはめっきり足を運ぶ機会が無かったので、最近はここに来る度に驚いている。

いつもどこかしらで「再開発」というのをやっていて、昔懐かしい場所は瓦礫の山になっている。そこもしばらくすると小奇麗なファッションビルが建ったり、昔のSFに出てくるようなタワー型マンションがドンと鎮座したりする。子供の頃よく遊んでいた近鉄百貨店も旧館が閉鎖され、3年もすると場違いと思うほどバカ高いビルになるらしい。


学生時代によく足を運んでいた書店、建物はそのままだったが品揃えが変わっていた。

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3階は学生用のドリルや赤本、それにコミックという、相反するものが並んでいるフロアなのだけれど、少しずつコミックのスペースが広くなっている。そのコミックも一番読んでいた大学時代(今から10年くらい昔になるのか)から比べれば流行の絵柄も様変わりしていた。学生時代に同人誌を描いていた様な人が、今は一線に立っている。よく練られたいい作品がある一方で「萌え要素」のようなある程度ヒットするエッセンスが記号化されて来ていて、それがなんとなくつまらない。


私が過ごしていた街が、私の知っている街が、少しずつうかがい知れない場所に変化していっている。それが少し寂しい。もう10年もすればそんな痕跡など何もなくなってしまうのかな。そう思いながら天王寺駅の北口に立つと、10年前と変わらずギラギラとしてネオンが輝いていた。ここはいつ変わるんだろう。それとも変わらないままなのか。

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