前半44分 乾 貴士(C大阪)
後半5分 濱田 武(C大阪)
もう少し先だと思っていた。お前がいない寂しさをどう乗り越えようと苦心していた。チームは不振に喘ぎ、今年最初の苦難。でも帰ってきてくれた、元気に暴れまわってくれた。それがどれだけ嬉しいか。おかえり、ヒーロー。待ってたよ。
スタメン、リザーブ。カイオが驚異的な回復力で全治6週間を1週間半に縮めて帰ってきた。小松もリザーブで復帰。羽田は一列下がり、マルチネスの代役は濱田、黒木は中盤の底でボールを散らす。
今でこそ会心の試合と言えるが、立ち上がりは非常に悶々としたものだった。黒木、濱田のダブルボランチは少し軽い。特に黒木は持ち味が微妙に生かせない役どころなので苦労していたように思う。最終ラインの江添、チアゴ、羽田は初めてにしては安定していたか。流れがつかめた前半の中盤あたりでようやっとセレッソらしい動きが出始めた。
攻撃は、それはもう前節とは見違えるようで、カイオが縦横に動いて作ったスペースを香川、乾が切り開いていく。その流れの楽しいこと、美しいこと。タテへのスピードがまるで違う。石神(多分)のクロスからカイオヘッドは枠外、乾はワンツーで作ったチャンスを潰すが、得点の匂いがプンプンする展開だった。
結実したのは前半ロスタイム。左サイドを乾が侵食、少し時間とスペースが出来ていた。位置関係からすれば中へのグラウンダーがベターな選択だが、乾はそのウラを突いてキーパー岩丸の頭の上を打ち抜いた。それまで乾が掴んだチャンスの中で最も難しいものだったこの好機を見事にモノに出来た、これが大きかった。ゴールの余韻に浸ったまま前半を終える。
後半のアタマ、横浜FCは少し飛ばしていた。プレスがきつく、押し込まれる。コーナーキックのピンチだったが、よい流れを作っていたセレッソに運が巡ってきた。弾き返したクリアボールが上手く納まる。逆襲。十重二十重と横浜FCゴール前に、ボールホルダー香川にマークが集中し、濱田が空く。パス、ボレー。ボールはネットに突き刺さる。絵に描いたようなカウンターが決まり、2-0。押し込むはずが追加点を奪われた横浜FCはここから戦意と運動量を低下させていった。
ただセレッソも中盤から後ろは慣れていないメンバーというところがあり、散発的ながらピンチのシーンもあった。しかし、そこはキム・ジンヒョン。ハイボール、弾丸シュート、クロス、至近距離からの一撃、どれも完璧に弾き返す。
かくて、セレッソはおよそ半月ぶりの勝利を手にした。湘南が敗れたため首位も奪還、サポーターとすれば感無量の展開だ。それもこれもチームを愛してくれた一人のヒーローの頑張りあってこそ。もう一度言わせて欲しい。おかえり、ヒーロー!
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