4/27/2009

J2 第10節 富山0VS0C大阪 雨と風とカード。

得点者無し


セレッソが富山で貰ったものはタイトルに書いた三つだけ。惜しいシーンも数えるほどで、本調子には程遠い内容だった。


スタメン、リザーブは札幌戦をベースに、怪我のカイオに代わってトップに柿谷がスタメン出場。リザーブのFWには苔口が入った。

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会場となった富山県総合運動公園陸上競技場は気温が11℃、湿度90%以上、氷雨の中という最悪のコンディション。試合を通して濡れた芝に足をとられる選手が続出した。細かいパスワークも精度を欠き、いつもなら崩せる守備ラインを突破できない。そもそもさあ勝負というシーン自体が少なかった。前半は香川、乾に一度ずつあったくらい。富山のフィジカルに長けたディフェンスも厳しい。

守備はどうかというと、非常に落ち着きがなかった。前節の2失点目に懲りたのか、最終ラインでカットしてもバタバタと展開を急いてしまって、結果としてパスミスというパターンが多かった。その分両WHである石神と酒本は上下動が激しくなり、こちらもプレーの質を下げてしまった。

そう、今日のセレッソにはタメやプレーの緩急が殆どなかった。今年のセレッソは最終ラインにチアゴ、中盤にマルチネス、2列目に香川と乾、トップにカイオとボールをキープできる選手が揃っていて、そこがボールを失わないから回りの選手は余裕を持ってプレーできていた。しかしカイオが抜け、負ける怖さを知ってしまった今のセレッソは、連勝中にあったようないい意味での力の抜けたプレーが無い。柿谷は良いプレーもあったが、カイオの穴を埋め切れなかった。

泣きっ面に蜂とはよく言うが、この前半でマルチネスがダイビングの反則を取られ、通算4枚目のイエロー。次節横浜FC戦は出場停止となった。これで二人、ボールを保持できるプレーヤーがいなくなってしまった。2戦先の大一番、湘南戦に出場できるというのがせめてもの救いか…。


もう一つ収穫があるとすれば、後半から出場した黒木。

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恐らく次節マルチネスのポジションに入るであろう黒木、比較的落ち着いたプレーでチームをコントロールした。左右にいいボールを散らしてボールがサイドに偏らないようタクトを振るった。マルチネスの代役というのは荷が重いが、想像していたより悲惨な状態は回避できそうだ。


後半になると両チーム芝に慣れたのか時折イメージとプレーの差異が無いシーンが出始めた。印象に残ったのは度重なるコーナーキックのチャンスと、マルチネス、チアゴのミドル。そして柿谷を下げての0トップか。

後半はサイドで基点を作ろうとしていたセレッソ、富山がセーフティーファーストでボールをサイドやエンドラインに出すのでコーナーキックの機会が増えた。残念だったのはボールに変化が無く、富山をそれ程慌てさせられなかった事。羽田のシュートが唯一の決定機だったが、相手GK中川がよく止めた。前述のマルチネス、チアゴのミドルもコース、スピード共に素晴らしいものだったが、この中川に弾かれた。ただ後半チャンスらしいチャンスはこの3つと最後の黒木のシュート、これくらいだった。

攻め手を欠いたチームを見て、レヴィー・クルピは奇策をとった。柿谷を下げて濱田、トップ下に入れて、香川、乾は少し前に。見た目は3-5-2ながら、実質0トップ。

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チームがとにかくタテにと急いていたこともあり、この試合だけでは機能していたかどうかはっきりとは判らなかったが、厳しい台所事情の中で、選択肢の一つには入るだろう。ロスタイム直前には珍しく3枚目のカードを切り(酒本アウト平島イン)チームコンディションへの配慮を伺わせた(この時間帯での交代でチームがどうなるかは別として)

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結局スコアレスに終わったこの試合。スコアも不満だが、チームとしての連携に不安を残した。中盤から下が落ち着かないので攻撃もままならず、攻撃する時間帯が少ないので守備も疲弊するという悪循環に陥っている。トップでボールを持てるプレーヤーがいれば少しは変わるかも知れないが、小松の復帰、カイオの治癒までは柿谷のプレー精度、周りとの連携に賭けるしかない。少しでも好機を、そしてゴールを。

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