3/28/2010

J1 第4節 C大阪2VS3浦和 とってとられてとられてとって…。

前半21分 田中 達也(浦和)
前半21分 アドリアーノ(C大阪)
後半9分 エジミウソン(浦和)
後半34分 香川 真司(C大阪)
後半35分 エジミウソン(浦和)


このカードはバカ試合になる、普通の展開は有り得ない。この試合も酷い内容だった。唯一リードされてからの反抗だけが光明だった。

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スタメン、リザーブ。ボランチにアマラウが復帰。リザーブは小松が外れ、前節活躍した藤本、黒木らが入っている。

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試合開始時


予想通り、3バックと相手4-2-3-1(時折田中達也が動いて4-4-2になった)との相性が悪い。また生で観るとよくわかったのだが、守備組織も決まりごとが無く、場当たり的な守備しか出来ていない。上本、茂庭といった対人プレーに強みのある選手が最終ラインで辛うじて相手をはじき返しているだけで、後はただ人数かけてスペースを消しているような形。これだといざ攻撃という時に枚数が絶対的に足りなくなる。攻める浦和、ベタ引きのセレッソという形が前半の中盤まで続いていた。浦和の攻撃はそれ程整備されている印象では無いのだが、それ以上にセレッソの守備は整備されていなかった。1失点目は単純に上本のクリアミスなのだが、もう少し守備の組織、意識が徹底されていれば、あんな気の抜けたようなプレーは防げたのでは。このプレー以外にも軽率な判断が試合中随所に見られ、結局それが試合の結果を左右することになる。

幸運だったのは、それから一分も経たないうちにタイに持ち込めたところ。アドリアーノの個人技、キープ力、フィニッシュの素晴らしさは評価されるべき。浦和が先制点で浮ついていたところを上手く突けた。今の3-4-2-1ではあの形以外に得点は出来ないだろう。

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ハートマークのパフォーマンス


このゴール以外にセレッソに見せ場は無く、このまま前半を終える。


後半を迎えてもセレッソの攻撃に厚みが無い。

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マルチネスはパスの出しどころに苦労していた


例えばマルチネスがフリーでボールを持ったとしても、前には3人しかおらず、殆どの時間帯誰かがマークについていた。しかもフリーランをしていないためにスペースへのパスも出来ない。これでは右サイドの高橋くらいしかパスの受け手が無い。強引に香川、乾、アドリアーノにパス出しをしても途中でカットされてしまう。2失点目も乾が足下にボールを受けようとしていたところを見透かされ、ハーフカウンターで人数が揃う前に仕留められてしまった。


しかしサッカーは何が起こるか判らない。浦和が鈴木啓太を入れ、陣容を守備的に変えたところで、逆にセレッソにもチャンスが生まれてきた。これをより活性化させたのはレヴィー・クルピの「決断」。茂庭を下げて3バックを放棄、家長を入れて4-2-3-1に。これで2列目に一つポイントが出来た。

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後半26分


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後半32分


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攻めにアクセントをつけた家長


それまでも3バックのセンター(羽田)が上がり、4-3-2-1のようなシステムになった時があったのだが、個人的にはその時間帯が最も安定していたように思う。アマラウもマルチネスも汗かき役のボランチではない、そこに守備に長けた羽田が入ると最終ラインの前に一つフィルターが入るので攻守が上手くつながるようになるのだ。家長が右サイドに入った4-2-3-1(スカパーでは4-4-2と言っていたが)では守備のリスクは増したものの、攻撃の凄味はグンとアップした。香川のJ1初ゴールとなった後半34分のゴールも、そこだけ見れば単なるごっつぁんゴールだが、今まではあれにつめる人間がいなかったのだ(そもそもマルチネスがゴール前にいることもなかっただろうし)。去年のようならしい攻めが、開幕4戦目にしてようやっと見られた。

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ともに活躍した香川と柏木


しかし好事魔多し、歓喜は僅かに一瞬だった。エジミウソンに長いボールが入り、上本が1対1に敗れて失点、結局これが決勝点となった。これは4-2-3-1にした時にある程度覚悟していた展開。もちろん強いチーム、勝負強いチームなら、あそこでしっかりと気持ちをリセットし、ドローに持ち込むべきか、もっと攻めに傾倒すべきなのかの意思統一が出来ただろう。しかしセレッソは常に混沌の中から奇跡を起こしてきたチーム、個人的な心理としては実にセレッソらしい試合だったように思う。勿論負けて納得ということは絶対無い。ただこれまでの借りてきた猫のような物足りない試合展開に比べれば、はるかに得るものの大きい敗戦だった。この敗戦から何かを得、これからの試合に生かすのであればお釣りの来る試合だった。来週末の京都戦に、この流れの良い部分を引き継いでもらいたい。

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