後半25分 ズラタン
後半45分+4 杉本 健勇
勝てる試合。決めるところを仕留め損なえばこうなるということ。ポポヴィッチ監督らしからぬ攻撃的な采配でギリギリ最悪の結果はまぬがれたけれど、それ以上でもそれ以下でもない。
スターティングメンバー
キム・ジンヒョンは今節もメンバー外、ゴイコ・カチャルもメンバーから外れている。5-4-1のシステムは変わらず。
前半は理想的も……。
大宮はこれまで後手を踏んだ相手、神戸やACLホームでの山東、浦項とは違い、まず自分のブロックをしっかり作って相手のミスを突くスタイルのチームだった。なのでこちらのダブルボランチ、山口蛍と扇原貴宏が自由に動くことができた。
特に扇原からの横への展開、縦への勝負パスは有効だった。
そして大宮がコンパクトであろうとする分、前線の柿谷曜一朗、ディエゴ・フォルラン、長谷川アーリアジャスールにも裏に抜けられるスペースがあり、それなりに決定機は作れていた。ただ結果、ゴールだけが奪えず、面映い流れになってしまった。
システム上この3人は少し間が開いていて、絡むにはフォルランがサイドに流れるか残る二人が中に絞るしかないのだけれど、都度都度そういう動きができるわけではないので、去年までの「セレッソらしい」ショートパスのつながりが少ないのが気になった。
それでも大宮とはかなり分がいいやり合いができていた。個として怖いのはズラタンとこちらの左サイドに張り出した家長昭博くらいで、流れの中でヒヤリとしたシーンは数えるほどもなかった。だから一点を奪えされすれば、早くにも勝利が近づく空気感はあった。
最悪の後半と、最悪一歩手前の結末。
後半もこの流れは変わらずで、大宮のブロックをどうやって抜けるのかがカギになっていた。
しかし、相手キーパー江角浩司の好守に阻まれるなどして流れを変えられず、焦りばかりが募っていった。
ポポヴィッチ監督はいつもスコアが動くまで交代をしない傾向があるのだけれど、今日は早めの交代策をとってきた。後半20分に南野拓実を入れる。
ところがその後に悪夢のようなセットプレーが待っていた。後半最初に与えたコーナーキックでズラタンに合わせられ失点、唯一のピンチを耐え切れなかった。
セレッソの反応は素早いものだった、それも過去にはないドラスティックさ。失点からわずか三分後に藤本を下げて杉本健勇を投入する。4-4-2にシステム変更。
さらに柿谷、フォルランでは前線の高さがないと踏むと、すぐに柿谷と杉本がポジションを入れ替える。これがポポヴィッチの指示だったか当人たちのアドリブかは分からないが、適切な選択だった。
最後の一手は足が止まった酒本憲幸に代えてJリーグ101試合目の出場になる楠神順平。山口蛍を右サイドバックに下げて扇原のワンボランチ、前がかりにして力押し。
ロスタイムに入ると山下達也までが上がって、前線に杉本、山下が並ぶ。周りはそれに向けてひたすら放り込むだけのシンプルなパワープレーを始めた。これもポポヴィッチ監督になって初めてのこと。
そうして試合終了間際のラストプレーで杉本健勇がやっとやっとゴールをこじ開ける。
しかし、これ以上攻撃を続ける時間はなく1-1で終了、4月のリーグ戦は勝ちなしのまま終わった。
俺がこの記事に「さようならかもしれないね。」と書いたのには理由がある。後半の交代策が攻撃的で手早かったこと、いくつかの攻撃的なシステム変更(柿谷と杉本のポジションチェンジ、山下のオーバーラップ)が選手主導で行われたフシがあること、同点になっても選手達が急いで試合再開のために帰陣したこと。どもこれも、いつに無い「後が無い」空気のようなものを吐き出していた。
「それ」がセレッソにとってプラスになることであればいいけれど、どうなのだろう。まったくわからない。
試合後、新井場徹は意地のゴールを奪った杉本を手荒く祝福した。チームは、選手はまだ死んではいない。それだけが救いだ。
迷走ですかね?まずは勝利ですね。
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