山東戦は驚きの連続だった。何よりも驚きだったのは「セレッソ」が「セレッソのしたいサッカー」をしているチームに対して「セレッソのしたくないサッカー」をして勝ったことだ。
慌てて作ったフォーメーション図はこれ。丸橋と扇原だけフルネームなのはそれだけ急いでいたということ。この形は便宜上のもので、実際は押し込まれ、いや、むしろ押し込ませてこの形にしていた。
相手のフォワード、ミッドフィルダー、サイドバックの8枚に対してセレッソは9枚の人数をかけて数的優位を作った。ハーフコートに17人の選手がいれば、攻め手はどれだけドリブルがうまい選手でもスペースがなくノッキングするし、パスだって通らない。ああ、どこかのチームが連敗中にやっていた形だ。
そして、ボールを奪うとファーストチョイスは相手のセンターバックと中盤の間、そしてセンターバックの両サイドにできた広大なエリアへのドリブルでの侵入だった。
なぜセンターバックはそんな間合いを作ってしまったのか?それはディエゴ・フォルランがいるから。守備時にはなにもしていなくても、攻撃に転じれば危険な存在になる彼をマンマークでは残せず、2枚の選手が割かれることになる。フォルランは4-4-1-1の時にはせざるを得なかった前からのプレスをすることなく、攻守で貢献する立場に立てた。
俺はセレッソの守備は前からしかあり得ないと考えていた。けれど、パスの出し手を抑えるのではなく、パスの受け手全員を抑えるという荒唐無稽なスタイルが、今のメンバーにはあっていたんだな。
この「守備的」「カウンター」「ドリブル主体」のサッカーはポポヴイッチが志向している「攻撃的」「ポゼッション」「パス主体」のそれと真逆だ。それでもぶっつけ本番、完全アウェーの山東戦で勝てたのは選手の性質がアンチポポサッカーに適応していたからだろう。ACLは攻撃的なホームで1勝2敗、勝ち点3、得点5、失点5。守備的にせざるを得なかったアウェーで1勝2分け、勝ち点5、得点5、失点4、この差はなんだろう?
さて、神戸戦だ。この試合は4-4-1-1だろうか?それとも3-6-1(5-4-1)だろうか?相手は前からプレスをかける神戸、後者のほうが有利な気がする。
染谷悠太の位置はどこでも構わない、ここに1枚数的優位を作ることに意味があるから。
相手の4-4に対して4-5と1枚多く作り、数的優位とスペースの消去を狙う。相手のセンターバックはフォルランがいるので2枚残るしかない。
奪ったボールは相手のサイドに運べばいい。柿谷曜一朗、山口蛍、長谷川アーリアジャスール、南野拓実、杉本健勇、楠神順平、ミッチ・ニコルス、永井龍、誰が出ても運動量があり、ドリブルができる。あれ、どうしていままでそれをしなかったんだろうな?
俺自身前からプレスするのが定石と思っていたから、徹底的に下がり、受け手だけを狙い撃ちにするスタイルには驚いた。けれど結果が出ているのだから、せめてあと一試合は見たい。
もう少し山東戦の形を見たいですね。長谷川選手ではなく、扇原選手で。そうすれば山口選手の自由度が上がる気がしますが…監督が替わらないとそれは無理か…
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