4/08/2007

C大阪3VS0鳥栖 雨中桜宴。

 スタジアムのすく外には、見頃の桜が咲いていて、小雨にもかかわらず沢山の花見客がいた。しかし今日、長居で一番美しく咲いた桜は、ピッチに立った11本の名木達。

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 スターティングラインナップには若い選手の名前が目立つ。

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 キーポイントは2つ。まずは右サイド。初スタメンの山下、久しぶりにスターターとなった柳沢、そして森島寛に代わって攻撃的な位置に入った酒本。この3人がどれだけ頑張れるのか。

 いま一つはボランチで起用された濱田。セレッソで最も脆弱だった攻守の繋ぎ役、彼のパスワークが、タフさを要求されるこの位置で生きるのか。


 試合前、まだ冷たい春雨にうたれながら、悶々としていた私の悩みは、前半15分ほどで霧散していた。後の75分は、若い桜の木々達を愛でる花見になった。


 まず開始早々、酒本が右サイドを素早く遡上。ゴール前まで切り込むと混戦を演出し、ゼ・カルロスのゴールを呼び込んだ。この間僅か30秒。

 ラッシュはまだまだ続く。要因は、前線からのがむしゃらなプレッシングと、コンパクトなディフェンス。


 ボールを奪われた時、そのボールに最も近いのは、たいていボールを奪われた選手。その選手がボールホルダーにプレッシャーをかけて、一瞬でも相手の攻撃をでディレイできれば、守備の負担は減る。判ってはいても出来ないプレーを、前線の4人は積極的に続けた。

 相手最終ラインでのボール回し、バックパス、仮に追ったところで、結実することはまれ。それでもそうした努力を続けていれば、相手の心身のスタミナを少しずつ削り取ることが出来る。


 前がそれだけ頑張れば、中盤から後ろは楽になる。出てくるボールのコースがある程度限定されているから、その時点でアドバンテージが生まれ、人数をかけて守備をすることが可能になり、奪取位置も高くなる。

 また守備の際は古橋が二列目辺りまで下がり、4-5-1気味にして全体を厚めに保つ小技も利いていた。

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 15分に生まれた二点目、酒本の強烈なミドルを呼び込んだのも、そうした貪欲な意思に他ならない。相手のミスがあったとしても、そこに行こうという気持ちが無ければ、あのゴールは生まれなかったはずだ。ルーズボールを拾い、前半にして試合を決めた古橋のゴールにしても、あの場面まで、何度も何度もプレスをかけていた、その努力が実っただけに過ぎない。

 勿論3-0というスコアに対しての喜びは大きい、でもそれ以上に、アグレッシブで、泥臭くて、かっこ悪いのにかっこいい、大好きなセレッソが見られた事、それが嬉しかった。

 その輪の中に、濱田もいた。寧ろ最も泥臭いプレーをしていたかも知れない。以前の濱田とは全くの別人。ボランチとして相手プレーヤーを弾き飛ばすシーンすらあった。宮本との連携も及第点。アレーには悪いが、こういうのも怪我の功名というのだろうか。


 後半は、若手の為に用意された。特に相手選手が一人退場してからは、その傾向は顕著になった。

 まずは左サイドで奮闘していたゼ・カルロスにお役御免の交代。代わってスタメン落ちに奮起する苔口。

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 再び前線での起用となったが、相手の疲弊もあっていいプレーが出来ていた。一度決定機かというシーンがあったが、これはオフサイド。


 二人目は柿谷。

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 スペースさえあれば十分な働きができる、という印象。ポスト役がいない中、地上戦でしっかりした足技を披露した。パスの視野も広く、少しずつでも試合経験を積ませたい。


 ラストは香川。

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 正直柿谷等と比べると、派手さは無い。しかしこの位置で働ける選手が少ないセレッソでは、アレーが復帰するまで暫く出場機会が増えるだろう。この間でどれだけ成長出来るか。


 スタメンだった山下に関しては、デビューした頃の前田のような、溌剌さ、果敢さが印象的だった。危なっかしいシーンもあったが、山下だから防げた、という場面も多々あった。

 無失点という結果を考えても、4バックは暫くこのメンツでいいだろう。それで控えに回った前田、藤本が奮起してくれれば、いい刺激になる。

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 攻守で今年の形がようやく整いつつある感のあった一戦。この流れが持続されていくのか、この試合だけに終わるのか。注目されるところではあるが。とにかく今日は、この喜びを味わうことにする。

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