9/25/2010

容易いはずだ、愛すればいい。

昨日(もう一昨日か)ガンバのオフィシャルサイトに載せられた一つのニュースリリースが話題になっていた。コアな人ならご存知の話しだし、ライトな人には見てほしくない話題なのでたたんでおく。この後は「自己責任」で。



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GAMBA OFFICIAL
[10.09.23] 9/18(土)セレッソ大阪戦における誹謗中傷のバナーに関して
9月18日(土)に万博競技場で行われましたセレッソ大阪戦におきまして、Aホーム席スタンド裏側周辺に相手クラブを誹謗中傷とみなされる横断幕が掲出されました。また試合中、試合後にはAホーム席スタンド内で同様のものが掲出されました。
ガンバ大阪は基本方針として相手クラブや選手らを誹謗中傷、侮辱する行為を禁止しております。それにも関わらず、今回こうした誹謗中傷とみなされる横断幕が掲出されるという状況を回避することができませんでした。これは明らかにクラブの方針に沿った対応ではなく、結果としてセレッソ大阪サポーターおよびセレッソ大阪関係者の皆さまのみならず、ガンバ大阪サポーターの多くの皆さまに対しても、非常に不快な思いを抱かせてしまいました。このことについてガンバ大阪として深くお詫び申し上げます。(後略)

ダービーの日、万博ゴール裏にあったマクについてのお詫びだそうだ。だが同様のマクはずっとガンバの練習場でも貼り出されていたので、当事者は「なぜ今になって問題にされるのか」と当惑しているという。当初は「ざまあみろ」という感じだったのだけれど、そういう場当たりなフロントに裏切られた経験がないではないので、僅かばかり気持ちが理解できるようになった。だからどうすればそういうとかげの尻尾切りに合わずにすんだか、ずっと考えていた。
結論から言えば、自分を、自分が愛するクラブを高めるために全てを注ぐ、これではないかと思う。
スポーツには必ず相手が必要だ。敵がいる。その敵に対してアドバンテージを得るためには三つ方法がある。自分を高めるか、相手を貶めるか、その両方を同時に行うか。この件では一部のサポーターが一方で自らを高め、相手を貶めた。
だが、相手がいかに憎いといっても、そこには人生をかけてプレーする選手がいる。汗を流すチームスタッフ、サポーターがいる。彼等は70年代のアニメーションに出てくるような「悪の権化」ではない。自分たちのチームの選手、スタッフ、サポーターがそうであるように、殆どの人間が普通に生活を営み、週末を楽しみに待っているいい意味で平凡な人々だ。ただ、愛するチームが違うだけ。
セレッソが3年間J2をさまよっている時に、それを身にしみて感じた。セレッソはビッククラブなどではないが、J2の中では比較的潤沢な運営をしている部類に入る。全選手の年俸を合わせてもJ1の高額年俸選手一人にかなわないというクラブだって当たり前にある。
しかしサポーターはそのチームを誇りとして日々を過ごしている。色とりどりのダンマクや、ゲーフラや、帯でスタジアムを飾り、声を出し、手を叩いて選手に勇気を与えようとしている。そして例え試合に敗れたとしても、肩を落とす選手を温かく迎え、勝った相手をリスペクトする。福岡と鳥栖のようにあまり良くない関係のチームもあるが、J2にはJ2でしか得られない素晴らしい経験もあるのだ。彼等のサポートは決してヌルくない、むしろ険しい道を歩んでいるとさえ言える。我々はこれこそが「応援」なのだという姿を観て、帰ってきたのだ。これはあの日掲げられた「What you got?」という問いかけに対する答えにもなるだろうか。
それを理解せずに、理解しようとせずに、誹謗するのは、あまり誇らしい行為だとは思えないし、もし理解していた上でそうしていたのなら、悲しい話だと思う。
自らのクラブに誇らしい歴史があるのなら、そして今があるなら、それを示し、高めればいい。あの応援には蛇足が多すぎたのだ。それを絶ち切って、ベクトルをプラスに向ける。それだけでいい。
セレッソの応援にも問題は沢山ある。まだまだ足りない部分がある。独特の気質が邪魔をして、連帯することに二の足を踏む人を見ていると嫌な気持ちになることもある。どちらもまだまだなのだ。だからこそダービーは互いを「高め合う」機会にしたい。つまらない潰し合いをして関西サッカーのマスを小さいままにしているのは得策ではない。
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