Twitterで「Soccer Journal」たかちゃんさんが寄稿された「「コアサポ」は幻想にすぎない」という文章が流れてきた、拝見させていただいたが、これがとても面白い。
自分がはしょってしまうと絶対に齟齬が出るので、まずはリンク先の文章をしっかりと読んでいただきたい。
その上で、俺なりの「コアサポ」とか「サポーター」ってなんじゃいという私見を書こうと思う。
上記の文章についていうと、これはサッカーというものが当たり前にあるイングランドの話で、やはり日本と同列に語ってはいけないんじゃないかと感じている。
今のイギリス人(イングランドでも、スコットランドでも、どこでも)は、もう生まれた時からFAなんてしっかりした組織があって、環境だって整っていた。昔から続く伝統あるクラブの、その立ち上げ時期に関わったなんて人は、大抵天寿を全うされて、今は雲の隙間からサッカー観戦されているんだろう。
それに比べて、日本にはサッカーがプロリーグになる瞬間を生で見て、はじめてワールドカップ本大会への切符を手にしたことに歓喜した世代は比較的若く、まだまだご健在の方が多い。
Jリーグの創設にあたって、日本サッカー界はいろんな努力をした。某楕円球を使うスポーツ協会から「プロサッカーなんて根付くわけがない」と言われたこととか、某マスメディアの重鎮から散々企業名をチーム名に併記するよう圧力がかかったなんて話は有名だ。
その逆風の只中で、それでも日本サッカーの発展を願った人達の手によって、Jリーグはスタートした。
どんなに横槍を入れられてもくじけなかった人たちと、それについてきた人たちなのだから、それはもう先鋭化、コア化していくのは当たり前の話。そうした人たちはまだまだ現役で、コアサポであることを自認されている。
また、コアサポは世代交代の際も、熱が冷めることはない。
例えばセレッソでもコールリーダーは今で3代目だ。けれど彼らは先代から熱い情熱を受け継いで、より強いベクトルを生み出そうと頑張っている。今まで築きあげてきた財産を食いつぶしたり、廃れさせてしまわないように、彼らなりのやり方でチームに貢献しようと考えている。
親の背を見て子が育つように、スタンドでも魂は受け継がれていくのだ。それこそ「フィーバー・ピッチ」に登場するホーンビィのように熱い連中だ。
ゴール裏でも若い層が入ってくるようになった。中には俺の娘と同い年の子もいる。彼らも価値観こそ違え、立派なコアだ。
その一方で、やはりゆるやかに「イングランド化」が始まっているという皮膚感覚もある。スタジアムでかわいい子がいれば「誰のファン?」なんて声をかけるヤカラなんて数多いるし(俺みたいな奴な!!)オーナーズシートなんかでのんびり見たいって人も少なくない。サポーターもゆるやかに代謝しているのかも知れない。
これはサッカーに限らず、様々な興行などに見られる「健全な」サイクルだ。
日本のプロ野球も当初「しょせん興行、見世物」と揶揄されてきたが、多くの人たちの情熱に支えられ、今日がある。そう、プロ野球だって3世代ほど前はJリーグとさしたる変わりはなかったのだ。
だとすると問題は、成熟しきった、その後になるかもしれない。週末にサッカーがあることが当たり前、ワールドカップの予選は突破して当たり前という空気が今もある。その当たり前が崩れてしまったら、その時の関係者、当事者たちは再び情熱を持って日本のサッカーを支え続けられるのだろうか?ここが不安ではある。
よくコアサポを揶揄する人がいる。しかしある程度そうした先鋭的な存在がいなければ、力強い発展など望めないと考えるのは、古い考え方なんだろうか。
こんばんは
返信削除リンク先を読んだ上でのコメントです
私もコアじゃないと言われると否定できません
遠方在住や息子の試合を理由にスタジアムに足を運ぶ回数も少ないですし
さほどクラブにお金を落とせてません
(他クラブエリアに住みながら、子供全員をファン化するには成功しましたが…w)
でも、ボカ・ジュニアーズみたいにホームスタジアムのピッチ下をサポーターの墓地にしてもいいと言われたら
なけなしの遺産をはたいてでもお願いしますよ
俺も「葬式は直葬でいい、無駄金使うな」と言ってますが、スタジアム墓地は入りたいな。
削除こういうのも「コアサポ」的発想なんでしょうか。
リンク、ありがとうございます。サポーター論って、人の数だけ意見があって面白いですね。
返信削除そういう話を喧々諤々言える環境が日本にも整って来ました。これはいいことですよ。
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