森島、西澤、大久保、香川、目もくらむような大スターの映像の前に、一人の男の孤軍奮闘している姿が映る。
久高友雄、Jリーグではガンバ大阪、セレッソ大阪で活躍。Jリーグでの得点はわずかに1点だけ。けれども、彼が後に残した魂、遺産は大きくて、計り知れない。
彼の背を見て森島が生まれ、西澤が現れ、大久保が加入した。そうしたセレッソの歴史を見て、香川が大阪にやってきた。それだけ説明すれば、十分だろう。
もう少しでも長生きしていたら、関西のサッカー界は今より確実に盛り上がっていた。森島のような門下生たちが彼のコーチするスクールからたくさん生まれていたかもしれない。
36年、彼に与えられた時間は少なすぎた。36歳の俺がそう言っているんだから間違いない。
家族のこと、仕事のこと、仲間のこと、自分が愛している世界のこと、もっともっとたくさんのことがしたかったろう。もっとそばで、変わりゆく人や世の中のことを見ていたかったろう。それなのに…。
明日は彼の命日。ホームの試合日と重なるのは初めてだそうだ。きっと大阪の空の上からは、キンチョウスタジアムがよく見えるだろう。
市内にあるサッカー専用スタジアムで、1万を超えるサポーターが、桜色のユニフォームを着て熱狂する。彼がプレーしていた頃から考えれば夢の様な話だろう。ダービーなんかじゃもっと集まるし、アジアの列強とも戦ったと言ったら、信じるかな?
何はともあれ、明日はリーグ戦どうこうというのを抜きにしても、絶対に落とせない試合。それを肝に銘じてスタジアムに集まろう。
柿谷はゴールをしたら、彼の住む空に向けて両手の指を伸ばすそうだ。有言実行の男と信じる。
有言実行ですね!
返信削除この試合、あの一点は、永遠に残る記録ですし。また記憶にも永く刻まれるでしょうね。ホントに千両役者ですよ。
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