3/09/2014

2014 J1 第2節 徳島 0vs2 C大阪 悩みの渦の中。 #cerezo #photo

2014年3月8日(土) 14:06キックオフ[ 観客 12,202人 ]晴れ

得点者
前半10分 山口 蛍(C大阪)
前半13分 オウンゴール(C大阪)

勝つには勝ったが、まだ課題が多い試合だった。それでも結果が得られたことを、幸運と感じるべきなんだろうか。


スターティングメンバー



今週の練習中に全治四週間の怪我をおった藤本康太と風邪で離脱している酒本憲幸がベンチ外。スターターの右サイドバックは新井場徹が入り、センターバックは山下達也とゴイコ・カチャルのコンビ。前線は1トップの下に3人が並ぶが、長谷川アーリアジャスールと南野拓実、杉本健勇と柿谷曜一朗が対になっていて、それぞれがポジションチェンジすることがあった。

ベンチには代表戦から中二日のディエゴ・フォルランの他にミッチ・ニコルス、安藤淳が入っている。

急造最終ラインは最後までコミュニケーションをとっていた。

ラッシュに成功したセレッソ


この試合の最初にして最大のキーは試合開始直後にあった。徳島は前節の鳥栖戦で5-0と大敗しており、自信を失った状態だった。この流れを動かさず、徳島が負った精神的ダメージを引きずらせるためには、試合開始時からのラッシュは必須だった。


セレッソはなんとかこのミッションに成功した。試合開始早々の10分に山口蛍が素晴らしいフリーキックを披露。




さらにその三分後には、丸橋祐介が左サイドを侵食、深い位置からクロスをあげて千代反田充のオウンゴールを誘った。ここまでは満点の出来だった。


この2点で流れをつかんだセレッソは個人技に勝り、ポゼッションを上げていく。ドウグラスの高さ以外に有効な攻撃パターンを見いだせなかった徳島は体力、精神ともに疲弊していた。


一試合しか見ていないのでなんとも言えないけれど、徳島は先制点をとってカウンターを仕掛けるプランが外れるとかなり厳しい。元セレッソの濱田武を中心に攻撃の形を作ろうとするが、山口蛍、扇原貴宏、山下、ゴイコ・カチャルが作るブロックは、こと守備に関しては完璧な仕事ぶりだった。


初スタメンとなったゴイコ・カチャルだが、前に強く、フィジカルも強烈なものを持っている。そして、ボランチ、トップ下もこなせる足さばきも魅力だ。スピードがどうかと思ったが、そこは山下がケアをしていて、うまく役割分担をしていた。


勢いに乗りきれないセレッソ


しかし、ここからグイグイと攻めにかかるでもなく、相手陣内でひたすらボール回しをするだけ、という姿が散見されるようになる。前に進む力を持っていたのは山口蛍か南野拓実、丸橋ぐらいで、後のメンバーはポゼッションのために横パス、バックパスを多用していた。


特に扇原、長谷川アーリアジャスールの「躊躇」はかなりのものだった。元々がボールの散らし役で、攻撃のスイッチを入れるキーマン。そこが停滞し、横パスばかりでは攻撃のスピードが上がらない。攻めに時間がかかれば、徳島も4-4のラインが全て帰陣してしまい余計攻め手に困るかっこうになった。これが前半圧倒的なポゼッションを握りながらフィニッシュまでいけなかった理由だ。


流れを明け渡しかけた後半


後半も、鳥かごのようにボールを回しながら、シュートで終われないセレッソの悪癖は変わらず。逆に徳島は捨て身の攻撃に入り、精神的な軛から開放されていく。ドウグラスに活路を見出した徳島は彼を起点に攻撃を仕掛け、徐々に流れがわからなくなってきた。


悪い流れを変えると同時に、疲弊している選手のケアを行う、交代策の全てはそこだった。後半19分にはディエゴ・フォルランが投入される。


ディエゴ・フォルランはまだチームにフィットしておらず、コンデイションも不良。そんな中でも強引にシュートを放っていった。シュートしなければゴールは生まれない、それを身をもって示しているようにも見えた。


 後半29分には楠神順平が登場、少ない持ち時間ながららしい突破を見せた。


楠神が入ったことで強引に前にボールが運べるようになり、いくらかはチームの状態が好転した。彼やミッチ・ニコルスのような突破力のある選手はドンドン使っていっていい。負けている側にすれば、ボールを自陣深くまで押し戻される精神的なダメージはかなり大きい。

最後のカードは永井龍。これは後半44分になってから。



セットプレーで一度新井場がゴールを防いだシーンが唯一危なかったが、それ以外はヒヤリとするシーンも無くタイムアップ。無事今季初勝利を飾ることができた。


正直なところ、とても褒められた内容ではなかった。けれど、勝ち点3、複数得点試合、無失点試合という結果を残したことは悪いことではない。後は、シュート意識と選手の疲労度のコントロールだ。

柿谷、南野、山口蛍、ディエゴ・フォルラン、連戦の疲れで動きが鈍っている選手はたくさんいる。試合を重ねながら彼らの回復を待つのは至難の業だが、タイトルを獲ると宣言したチームの義務だと考える。

そしてシュート。これだけ試合を支配しながらシュート8本は異常だ。「とりあえず打て」とは言わないが、もう少しリスクをかけた攻撃に期待したい。


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