3/23/2014

2014 J1 第4節 鹿島 0vs2 C大阪 開花。 #cerezo

2014年3月23日(日) 15:04キックオフ[ 観客 32,099人 ]

得点者
前半19分 長谷川 アーリアジャスール(C大阪)
後半41分 フォルラン (C大阪)


完璧な試合。今まで無かったセットプレーという武器で先制点を奪い、最後まで相手を苛つかせた。これはアジアを相手にした経験が生きている。ACLは観客が入らず、けが人も増え、過密日程で疲弊するとマイナスの要因ばかり考えていた。けれど、山東戦での悔しい敗戦、プリーラムユナイテッド戦での光明が無ければ、この勝利も無かっただろう。

スターティングメンバー


プリーラムユナイテッド戦からは染谷悠太が外れ、入れ替わりにゴイコ・カチャル。その他は変わりなし。


前半


前半は、これまで6連敗中の鹿島相手、しかもアウェイ鹿島サッカースタジアムでよく我慢をしていた。特に相手の核であるダヴィへの対策は完璧だった。


ダヴィに入りそうな時はゴイコ・カチャル、山下達也がタテの関係になって、とにかくトップスピードにのせる前に潰すという意識が徹底されていた。今までもその手はずだったのだけど、これまではダヴィがそれを上回る攻撃力を見せていて、最後まで徹底できなかった。

しかし、この試合では難なくと表現していいほどダヴィに仕事をさせなかった。これは山東戦のワグネル・ラブとのマッチアップが生きていた。


相手の飛び道具を封じたところで、今度はこちらの飛び道具。鹿島サポーター、チームは南野拓実という名前とプレーを決して忘れないだろう、苦々しい思いとともに。


鹿島好調の要因は遠藤康、伊東幸敏という右サイドが機能していたことも大きく、南野、丸橋祐介という左サイドを生命線とするセレッソとは「喧嘩四つ」の形になっていた。そこをどう制するかが試合の鍵になるだろうというのが予想だったが、結果はセレッソの完勝になった。

今季のセレッソは前への推進力に問題があったのだが、柿谷曜一朗が一列下がり、長谷川アーリアジャスールがボランチに入ることで各ポジションのボール保持力、タテへのスピードが飛躍的に高まった。その効果で、今まで唯一ボールを運ぶ役目をしていた南野への守備がゆるくなり、全体的な攻撃力が増すことになった。


またもう一つ、セレッソが今年得た武器がセットプレーだ。徳島戦での山口蛍のフリーキック、清水戦での山下、カチャルのゴールなど、今季リーグ戦ではここまでの全6ゴール中3ゴールがセットプレー。新たな武器を得たことで、流れの中からゴールが生まれなくても強引に攻めこまず、我慢する意識が強くなった。

この試合でも貴重な先制点を奪ったのはセットプレー。左サイドからの丸橋のキックから混戦が生まれ、山下が何とか起点を作ると、ボックスの外にいた長谷川が見事なミドルを突き刺した。


相手の攻撃をしのぎ、一瞬の隙から先制点を奪い、相手の焦りを誘う。鹿島のお株を奪う試合運び。

先制点以降はボールポゼッションは鹿島で、セットプレーから危険なシーンも生まれたが、なんとか凌いで折り返す。

後半


後半は鹿島の自滅に助けられた要素が強い。 立ち上がりから本山雅志、ジャイールが入った鹿島だが、システムが理解できるまでの5分間以外は無難に守り勝つことができた。守るセレッソ、攻める鹿島の図式は延々と続いたが、山下の安定感が大きく、殆どのアタックをはじき返していた。


後半30分にはより守備的な意識を高めるため扇原貴宏を投入、長谷川が一列上がり、強固なトライアングルを形成する。 入れ替わりに鹿島はイラつくダヴィがカードをもらったことから交代され、鹿島の混乱はより強くなった。




このまま0-1で進むかと思われた後半40分には嬉しい追加点、左サイドに入っていた柿谷曜一朗と長谷川の関係で敵陣を侵食、高速の折り返しに合わせたのはディエゴ・フォルラン!


この追加点のおかげで残り2枚のカードも相手を焦燥させる時間稼ぎに回せた。

後半44分には前線からの守備も意識した永井龍の投入。その2分後にはミッチ・ニコルス。ゆっくりと時間を消化し、試合をクロージングさせる。



重ね重ねになるが、今まで何度もやられていた狡猾な試合運びを、相手のホームでやってのけたことは大きい。リーグ戦9得点無失点、安定感のあるチームを足止めし、得失点差1まで迫れた。その全ての起点はアジアを相手にした経験から生まれている。これからもアジアとのマッチアップは続く、セレッソは今からでも、さらに成長する余地を残しているのだ。それはサポーターにとって何よりの幸せといえる。


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