野洲のサッカー、恥ずかしながら初見でした。今までの試合を観ていなかったことを後悔しました。特に決勝点となったカウンターのすべて(大きなサイドチェンジ、DFを引き付けてのヒール、サイドのえぐり、ラインからの飛び出し)が「有り得ない」展開で、本当に素晴らしかった。
残念ながら鹿児島実業はヒール役になってしまいましたね。ストイックなスタイルは、まさに高校サッカーそのもので、野洲との違いが際立っていました。でも彼らもファイナリストたるにふさわしいチームでしたよ。終始自らのスタイルを貫いた姿は、清々しいものでした。
しかし、日本人でも、高校生でも、これ程想像性豊かなサッカーが出来るものなんですね。普通途中で「テンパる」もんでしょう。自由闊達だった心に焦りが潜り込むと、クリアだけで精一杯、前にボールを運ぶだけで一苦労になるのが当たり前です。まして高校日本一を決める試合の、あの大観衆の中。冷静でいられる方がどうかしています。
それでもあれだけ高校生離れしたプレーを、出場した選手全員が、しかも110分間続けられたというのは、本当に革命的な事ですよ。途中押し込まれる時間帯も有りましたけれど、カウンターの切れ味は鋭かったし、何より追いつかれてもバタバタせずに、キチンとした攻撃を作っていた。
野洲のサッカー、傍目には楽しいサッカーですけど、本当は鹿児島実業のサッカーと同じくらい労を要するサッカーだと思います。自身に克ち、チームメイトを信じるのは、それほど難しい。高校サッカーでは前例が希少な分、より難しい道程であったと思います。それが今日結実した。喜びも一入でしょう。
エースの青木君はジェフ千葉入りが決まっているとの事、イマジネーションを大切にする今のジェフなら、フィットするのも早いかもしれません。厄介な選手がやって来たもんです。あと2ヶ月ほどでライバルになってしまいますが、今はただおめでとうございます。いい試合をありがとうございました。
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