前半36分 小松 塁(PK)(C大阪)
前半42分 ケネディ(名古屋)
後半31分 永井 謙佑(名古屋)
もうわかっているはずだ、名古屋の「Anti-Football」を。
高さ、速さ、ガタイの強さ、フィジカルの長所をひたすら強調し、想像力、イマジネーションがひらめく前に、自分が相手に対してアドバンテージを持っているプレーを第一と選択し、いやらしくいやらしく続けていく。相手陣内でのファウルは全て得点機とばかり、ケネディ、増川、闘莉王が迫り、藤本、小川、玉田の精度の高いボールが入っていく。
磐田も同じようなサッカーをする。決定力のあるFWにいいボールをわたすところから逆算して、残りの9人のプレーヤーが動くところは似ている。ただ名古屋には資金をバックにした選手層の厚みがある。その差が前節の0-4と、今節の3-1というスコアに出た。
大勝した前試合からスタメンは動かさず、高橋大輔はベンチ入りもしなかった。怪我の播戸に代わっては永井、中後と山口螢が入れ替わっている。
前半
入り方自体は悪くなかった。相手のボールの出所と行き着く先は決まっているのだから、そこを念入りにケアしていくという方法は間違いではない。開始早々には小松がいい形からシュートを放つなど、いい感触。
引っかかったのは、攻撃陣のパスワークがどうしても鈍化してしまうところ。縦へのスピードが出せないので、相手が帰陣してしまって効果が薄い。
形を変えてサイドバックからクロスを入れても、ドリブルで仕掛けても、セットプレーに「逃げられる」形が多かった。そうすれば、長身のプレーヤーが難なくボールを跳ね返してしまう。これは気が楽なはずだ。
対するセレッソは、ファウルに対してとても神経質になった。なにせ相手はどんな位置からでも得点を生み出せる優秀な出し手と受け手、その両方を持っているのだから。最初は伸び伸びとプレーしていたけれど、守備の負担が相当だとわかると、守備でのコンタクトを恐る恐るし始めるようになった。小松のPKで1-1になってからも、相変わらずこのゴリ押しサッカーに手を焼いていた。セレッソが押せ押せの時間帯など、殆ど無かった。
1点目、藤本のフリーキックは素晴らしいものだし、小松が奪ったPKから同点に持ち込んでからのケネディの2点目もうまい。ただ名古屋がそういうチームだと、サポーターでも知っている。それをむざむざ決められる下らなさが、セレッソの選手たちから冷静さと正確さを奪っていた。せめて1-1で折り返していれば、メンタルの落ち込みはそれほどではなかったはずだけれど。
後半
後半は、もう名古屋にいいようにやられた。セレッソはしたいことが何もできなかった。それだけ。
攻め手を欠き、ミスが増え、ロングボールに対するケアも次第に緩くなっていく。ずっと相手のペースでプレーさせられてきたのだから、スタミナは予想より早く落ちていたのだろう。それを考えれば仕方が無いことだけれど。
ただし、負けている中で、選手交代が後手に回ったのはいただけない。杉本が準備万端で待っているのにプレーが切れないのは、不運で片付けていいものか?
後半23分、マルチネス→杉本
杉本は高さと強さを買われて3シャドーの真ん中、小松と共に前線をはる。倉田が一列下がって中盤で動ける選手を増やした形で、それはそれで効果があった。それでも、ゴリ押しサッカーに耐えるという大局は変わらなかった。
3失点目はそうした中、押し込まれた局面を何とか打開しようとした上本のミスから生まれた。こればかりは責められない。
二人目の交代は大竹、ここまで必死に走ってくれたファビオ・ロペスもこれが精一杯。こちらもスコアが動いてからで、後手に回った。
後半32分
最後の交代は、なんとも言えない。試合はすでに決まっていて、一人のプレーヤーが入った所で何も変わらないような形になっていたから。
後半38分
まとめとして。俺は名古屋の何の高揚感もないサッカーがキライだ。しかし勝っている、結果を残しているのだから、それはこの世界では正義なのだ。
例えパスが何本美しくつながろうと、ゴールネットが揺れなければ勝てないし、評価されるべきではない。どんなに不恰好でも、ルールに抵触しない形で勝てば、それは評価に値する。それがプロサッカーというものだと理解している。
だから、次こそ、次こそこの不恰好なサッカーを、格好良くいなしてやりたい。セレッソらしく勝ちたい。そのためのポテンシャルを持っているチームを応援しているつもりだ。レヴィー・クルピ、そのための策を。選手は、情熱と冷静さを持ったプレーを。
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