後半20分 レアンドロ ドミンゲス(柏)
柏の人達は、俺達が2005年に味わった胃の痛くなるような、眠れなくなるような重圧を味わってもらえたろうか?これがプレッシャーというものだ。
前半 -クルピの奇策-
セレッソは先発を4-4-2のメンバーでむかえたが、試合が始まってみると少しややこしいシステムに見えた。杉本がトップ、播戸がその周りを動いてボールを受ける。清武は左サイドが主戦場で、倉田とキム・ボギョンはそれよりも下がり目。マルチネスが底に入る変形の4-3-3のようなシステム。
これだとボールをさばくマルチネスの近くに倉田、キム・ボギョンがいて、ボールを持った時、すぐに複数の選択肢ができる。キム・ボギョンも前節に比べるとコンデイションが上がっていたし、倉田も与えられたタスクをキチンとこなしていた。
攻撃に関しては少し迫力が足りなかったが、ボランチのラインが3人に増えた分、守備では安定感が増した。柏が慎重に入ってきたためにボールホルダーも少し余裕があって、神戸戦のようにバタつくことが無くなった。
他の試合を観ていると、柏はもっとイケイケで、前がかりに攻めてくると思ったのだけれど、これがプレッシャーなんだなと感じられた。
播戸が酒本からのクロスをもう少し上手く決めきれていたら、もっと柏を苦しめられたはずだけれど、決定機はこの一度きりだし、前半0-0というのは御の字と言えた。
後半
両チームの監督がハーフタイムに動く。柏はフレッシュなFW田中を、セレッソは播戸を下げファビオ・ロペスを投入する。セレッソとすれば予定どおりの交代。
後半開始時
さらに幸運。立ち上がりのセットプレーで先制点を奪えた!上本の抜け出し方はいいもので、素晴らしいゴール。シーズン終盤、今までの悪い流れを考えれば、ここまではむしろ出来過ぎだったかも知れない。
ただ、これで柏の気持ちに火をつけてしまったようにも感じる。続けざまのカウンター、清武から杉本の流れで相手に恐怖感を与えられていたら、決めきれていたら、試合を決定づけられたかもしれないが、それは、さすが首位柏というべきなんだろう。ここまで勝ち上がってきたチームの強さと、ここまで勝ちきれなかったチームの焦りみたいなものが、ここでクロスしてしまった。
後半10分過ぎ頃から、柏の守備が変わったのも大きい。前からドンドンと追い込んできて、中盤でパスカット、そして素早く攻撃に移る。セレッソは前半あった倉田、マルチネス、キム・ボギョンの繋がりが希薄になりだして、柏がゴールを脅かす場面が増える。
後半20分のレアンドロ・ドミンゲスのシュートは素晴らしいもので、キーパーにすれば止める方が難しいもの。ああいうのは撃たれる前に止めないといけない。前半はマルチネスと倉田、キム・ボギョンのどちらかがサンドイッチにしていたのだけれど、あそこでは誰も行っていなかった。
この同点ゴールで、柏が自らにかけていた軛を完全に外して、いつも通りのプレーをし始めた。対するセレッソは少しずつ疲弊しだして、あと一歩、もう少しというところで競り負けたり、走れなかったり…。
ここまで頑張ってきた尾亦も足がつってアウト、藤本が急遽左サイドバックとして投入される。足がつってから藤本が入るまでに時間があったので、セレッソとしては肝を冷やしたところだったが、事無きを得る。
後半31分
後半33分杉本→村田
これが不思議なことなのだけれど、対人守備に長ける藤本が左サイドに入ることで、柏の右サイドの崩しをある程度止められるようになった。同点直後30分過ぎくらいまであった柏の躍動感もすこしずつ希薄になり、両軍ともに気持ちはあるけれど体が動かない状態に。
結局両軍このまま攻めきれず、アディショナルタイムの4分も見所なし、ドローという形になった。
セレッソからすれば2試合で6失点と崩壊していた守備陣がある程度のレベルまで戻ってきたことは収穫だし、柏にすれば名古屋に首位を明け渡さず、「勝てば優勝」というシチュエーションのまま最終節を向かえられるのは、最悪の結果ではないだろう。
ただ、気持ちの問題として、どちらも勝ちたかったはず。俺達はレヴィーに少しでもいい思いを残してブラジルに帰ってほしいし、柏にすればホームで優勝を決めたかっただろうし(もし勝てたとしても名古屋が勝ったため優勝はなかったけれど、心情として)
この気持ちを体を動かすエネルギーに変えられるのか、それとも足かせにしてしまうかで、最終節の結果は大きく変わってくるだろう。セレッソも天皇杯に向けて、少しでもいい形でシーズンを終えたい。泣いても笑っても残り1節。ならば全力で戦って、全てを出し尽くして、笑おう。セレッソにも柏にも喜びがあるように。
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