9/29/2012

2012 J1 第27節 神戸 2vs3 C大阪 10人の怒れる男。 #cerezo #photo

得点者

前半7分 小川 慶治朗(神戸)
前半17分 相馬 崇人(神戸)
前半22分 シンプリシオ(C大阪)
後半28分 シンプリシオ(C大阪)
後半36分 枝村 匠馬 (C大阪)


前半33分のことだ、ジンヒョンが苦痛に呻きながらホームズスタジアムのピッチにうずくまっている。

「犯人」は神戸DFイ・グウァンソン。 ボールが完全にホールドされているのにフィジカルコンタクトをしてきた。故意なのは明白で、藤本、茂庭らが烈火のごとく怒っている様子をただヘラヘラと笑ってながめている。


ああいう奴に負けられない。

チームにもサポーターにも同じ意識が生まれたと思う。それは丸橋が退場しても同じだった。


スターターとベンチは清水戦と全く同じ、いかにもレヴィーらしい。


神戸戦はいつも同じところでひっかかる。後ろでボールを回してポゼッションを上げたいセレッソと、そのパスを奪ってショートカウンターを仕掛けたい神戸のせめぎあい。

ホームズスタジアムは見る分にはすばらしいスタジアムだけれど、プレーヤーとすればあまりいい場所ではない。屋根が四方を覆ったスタジアムは風通しが悪く、ピッチ状態がよくない。いつもは通っているパスが不規則なバウンドをして合わなかったり、それを気にするあまり凡ミスをしてしまう。


神戸はそれを見越した、ポゼッションやテクニックに頼らない「体力にモノを言わせた」サッカーをする。

相手にボールを持たせている時は2列目がプレッシャーを与えてカウンター狙い。後ろでボールを奪ったらロングボールを都倉に当てて両サイドに開く。今年はそれに加えて野沢のセットプレーがあって厄介。激しく行けばセットプレーでピンチを招くし、甘く当たればゴリ押しされる。


立ち上がりの2失点は、連敗中で是が非でも先取点を取りたい神戸に気圧されて、相手に合わせたサッカーをしたがゆえのもの。この時はまたズルズル行くのかと嫌な気持ちになったものだ。


それを救ってくれたのは、あそこからミドルを撃とうという丸橋の勇気と、何が何でも勝つんだというシンプリシオの強い闘志だった。2点目を失ってからすぐのセットプレーで2-1に引き戻してくれて、皆がテンションを維持することができた。逆に神戸とすれば楽をしたい、試合を落ち着かせたいと思っていたところでの失点で、気分は良くなかったろう。

加えて、あの卑劣漢の振る舞いだ。黙っている方がおかしい。


後半半ばの丸橋の退場は逆サイドだったのでよくわからなかったが、セレッソにすれば意気消沈するどころか、怒りの感情がより強くなって、むしろ攻撃のベクトルが強く、激しくなった。

直後の交代もその意を汲んだもので、ケンペスに代えて杉本という攻撃的なもの。左サイドには扇原が入り、柿谷、山口螢がそれぞれ一列ずつ下がる。

後半15分

後半21分

杉本は2試合続けて素晴らしい活躍をしてくれた。直後にイ・グァンソンが下がってプレッシャーが落ちたこともあったけれど、うまく前線でタメを作ってくれるので、攻撃陣が勇気を持って上がっていけるようになった。


同点弾となったシンプリシオのゴールも、そうしたタメと、シンプリシオ自身の勇気、経験から生まれた。スタンドの声量も一気に上がり、スタジアムの空気がとても異様なものになったのを覚えている。




勢いに乗ったレヴィーセレッソほど手を付けられないものはない。神戸は完全に悪い流れの中にいて、混乱している。人数が多くても、気圧されていては意味が無い。

歓喜のゴールは、33分に入ったばかりの枝村が決めてくれた。胸がすくような、見事なシュートがニアサイドをぶち抜いた。



後半33分

 これで守りを固めず、一気に押し切るのも、さすがはレヴィーというか…。最後のカードは柿谷を下げて播戸。ベテランはボールの出どころ、相手バックラインを撹乱するために走り回る。

後半40分
健勇のねぎらい。

ロスタイムはさすがに防戦一方になったが、なんとか逃げ切り、苦手を相手にアウェーで逆転勝利という、これ以上ない結果を残してくれた。


この試合をモノにできて、数字の上でも残留争いで大きなアドバンテージを得ることができた。去年のホーム広島戦、はたまた、アウェー磐田戦のような、いける、やれるという自信がついたことも本当に大きい。

鳥栖、FC東京とのホームゲームの後は浦和、仙台と上位チームとの対戦が続く。それまでこの位置をキープしておきたい。ただ、気持ちは守りに入らず、前を向いて行こう。セレッソは星勘定ができるほど器用なチームではないから。


2 件のコメント :

  1. 西中島さん、こんばんは。アウェイ神戸戦お疲れ様でした。
    良くも悪くもウチらしい「濃い」エンターテインメント性溢れる
    試合でした。本当に全員で勝ち取った大きな勝ち点3でしたね。

    いやーそれにしても写真の空気感、密度感…すごいですね!
    西中島さんのセンスと相まって現場の雰囲気がよりダイレクトに
    伝わってくる感じがします。

    いいなーD600。

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    1. GOING!さん
      お疲れ様でした。ゴール裏の熱気は神戸を凌駕していました。その熱気の中にいたら、どれほど気持ちが良かったかと思います。

      GOING!さんの写真には、いつも刺激を受けています。いかんせんウデが追いつかないので、大枚をはたくことにしただけで(汗 本当は弘法筆を選ばず、と言いたいのですが。

      なかなかセレッソ自体が割り振れるカメラマンさんには限度があるようです。知らない人の心にも届くよい写真を一枚でも多く撮れるように、精進して、はやく追いつきたいです。そうすれば、同じ感動を味わいたいという人が、一人でも出てくるかもしれないじゃないですか。

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