後半5分 丸橋 祐介(C大阪)
後半29分 ネマニャ ヴチチェヴィッチ(F東京)
FC東京の(特にサポーターが作る)ノリみたいなものはあまり受け入れられないんだけれど、今日はその気持ちが少し変わった。詳しくは、先々に話そう。
一方で、FC東京がやっているサッカーは大好きだ。攻めにかかる時の一気呵成な様子は、妙にセレッソと近しいものもある。
こういういいチームとぶつかって、力量を見極められたことは喜ばしい。その中で、通じるところ、通じないところを確認できたことは、勝ち点1と同じく、すばらしい収穫だ。
スタメンとベンチはケンペスの退団、扇原の不調で大きく変わった。
1トップ気味に杉本健勇、そのまわりを柿谷。中盤は山口がアンカー気味、シンプリシオが攻撃的、両サイドの枝村、ヘベルチは柔軟にポジションを変える。
前半は、アウェーでのFC東京戦と同じく、スコアこそ動かなかったが見応えのあるものだった。懸念されていた攻撃のシステムも、健勇が無難にポストをこなして、人もボールもよく動いたいい形が作れていた。中盤も文句なし
FC東京は最終ラインに森重がいなかったからか、守備が少し不安定だったが、それでもいいチームに変わりはなかった。トップとDFラインがとてもコンパクトにまとまっていて、攻守の切り替えも早い。
もちろん軸はトップに入ったルーカス。彼を止めれば全体が止まるとわかっていても、しっかり仕事をされてしまう。こちらもキチンとブロックを作って応対。ボールが、狭い、密度の濃い空間を行き来するので目が離せない。
スコアレスながら濃密な流れが後半に入っても続いて、将棋で言う「千日手」みたいな状態になっていた。こうなると、得点を奪うには予想外の動き、アイデアしか無い。その期待に応えてくれたのは、丸橋だった。
サイドに切れ込むと、クロスのフェイクを織り交ぜながらカットイン。さらに右足でミドルを放ち、ゴールスミに叩きこむ。このところ先手を取られ、苦戦していたセレッソが、今日の試合は先手をとれた。
このすぐ後にも、相手のまずいミスで柿谷と権田が1対1になった。しかし柿谷がこれを外してしまい、流れを一気に引き寄せられなかった。今考えると惜しい。
FC東京は、スコアが動いた直後から、早め早めに選手を入れていくのだけれど、これが面白かった。チャン・ヒョンス、ネマニャ・ヴチチェヴィッチと二人、ともにこちらの左サイドに対して強い圧力をかけるぞ、という強いメッセージ性のある交代。そして実際、彼らは左サイド、丸橋の裏を執拗に突くようになっていった。同点になったゴールでも左サイドを破られてのもので、相手とすればしてやったりだろう。
セレッソの交代は後手に回ってしまった。
後半40分 |
よく動いていた枝村、ヘベルチ、それにパンクして足をつっていた丸橋を下げ、高橋、吉野、扇原を一度に投入した。図を見ればフレッシュな3人は全員左サイドで、傷が深くなる前にパッチしたという意味合いが強いのがわかるだろう。
この試合で課題だな、と感じたのはこの交代だった。もしケンペスがいたら、控えにいたはずの杉本を出して攻撃的に、といける。しかし今日の交代はどちらかと言うと守備のメッセージ性が強かった。もし丸橋がパンクしていなかったら、山口に代えて村田が入っていたのかもしれない、それならまた変わっていたかな。
とにかく、先発のシステムがセレッソにとってあまりにベストすぎて、カードを切った効果が薄いというのが不満。今のベンチメンバーではジョーカーになるプレーヤーがいない。
最後4分あったアディショナルタイムも、長谷川アーリアジャスールの退場以外に動き無く、少し消化不良の状態になった。
今日の試合の収穫は、杉本健勇が先発でも十分に使えるメドが立ったこと。 これなら戦える。
その一方で、リードされた場面、同点で動きが膠着した時などに、自信を持って切れるカードを作らないと厳しい、という宿題は残った。このあたりはレヴィー翁を信じるしか無いな。
相性が悪いFC東京相手に、最低限の収穫を得、同時に宿題も受け取った。これをどう消化し、浦和、仙台と続く厳しいアウェー2連戦を戦うのか。期待と不安が入り交じっている。
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