7/20/2014

2014 J1 第15節 C大阪 2vs2 横浜FM 紅い桜。 #cerezo #photo #diary

2014年7月19日(土) 19:04キックオフ[ 観客 30,188人 ]晴れ

得点者
前半45分 平野 甲斐(C大阪)
後半21分 オウンゴール(横浜FM)
後半35分 齋藤 学(横浜FM)
後半45分+1 杉本 健勇(C大阪)

スタッツだけを見れば互角かと感じるかもしれない、だが、生で観た感想は完敗だった。


4-1-2-3のシステムは2列目のインナーの相手ボランチを抑える動きや攻撃の瞬発力が肝になる。そんな中でキーマンの南野拓実を出場停止で欠いたのは痛かった。それに新戦力である平野甲斐、キム・ソンジュンを同時に、同サイドで起用したことでチーム全体のリズムが変化しすぎてしまった。

スターターは下記の通り。


藤本康太がベンチにもいない、染谷悠太が代役で入り、ベンチの控えも小谷祐喜だった。左のインナーにはキム・ソンジュンが入り、アウトサイドには平野甲斐が入った。

試合に入ると横浜FMに殆どの時間を支配されてしまった。あれではセレッソが一方的に疲弊してしまう。中村俊輔が横浜FMのキーマンで、彼の動きにセレッソは応対できなかった。


中村は時には1トップの伊藤翔の下でウロウロと動き、扇原貴宏がボールを持ってもちょっかいをかけてくる。別の時にはボランチの位置まで下がってゲームを作る。2列目のインナーが2対2で圧力をかけても、2対3と数的不利になってしまうから、なかなか攻撃の起点を潰せないという状態が何度か生まれた。

なのでこちらの4バックに対する圧力は相当なものだった。更に悪いことに横浜FMの左サイドには高速ドリブルが武器の齋藤学がいて、こちらの右サイドは決してスピードに長けいるわけではない酒本憲幸だった。安藤淳とサンドイッチするなどしてパッチしていたけれど、攻撃に移った際両サイドが高く上げられず、杉本健勇が孤立してしまった。


そんなであったから、決定機、その一歩前のチャンスの数は横浜FMが圧倒していた。対するセレッソは枠外を大きく外れるミドルが散発するだけで、決定的なシーンは前半終了間際の安藤のクロスまで一度としてなかった。しかし、それが決まってしまうのだから不思議なものだ。杉本をデコイにファーから詰めたのは平野甲斐。初出場、初先発でいきなり結果を出した。小兵ながら相手守備の隙間に入ってくる動きの巧みさはかつてのレジェンド、森島寛晃のそれを彷彿とさせた。



後半頭からはディエゴ・フォルランが投入され、システムも変更があった。



キム・ソンジュンを右サイドのトップに、フォルランは山口蛍と同列か、一歩前のインナーとして杉本健勇の周りを動き、バックアップに入った。しばらくすると完全な4-4-2のスタイルに。


横浜FMも同点の機会を作ろうとかつてガンバに所属していたラフィーニャを投入、よりこちらの4バックに圧力をかける用兵を行った。そうして、結果が出たのは横浜FMの方だった。代わったラフィーニャが右サイドを突破しクロス、丸橋祐介のオウンゴールを引き出した。

これを受けてセレッソもベテランの新井場徹を入れる。これは精神的な補完の意味合いが強かったように思う。


それでもここまで受けた4バックの疲弊はパッチできず、齋藤学に再び右サイドを崩され失点、逆転を許してしまう。


正直なところ、ランコ・ポポヴィッチ時代にも機能していなかった右サイドに長谷川アーリアジャスールという交代で、三人の交代枠を使いきってしまった後だったので、このゴールで試合は決してしまったかと諦めかけていた。


フォルランの動きがよく、あちこちに顔を出しては狡猾な攻撃を仕掛けていたけれど、孤軍奮闘の色合いが強く、両サイドも決してスピードがあるわけではないので手詰まりになっていた。


横浜FMも悠々と守備固めに入っていたし、おおよその人はこのままスコアが動かないだろうと考えていたはずだ。しかし、たったひとつのプレーでそれが覆される。


後半アディショナルタイム、キム・ジンヒョンまで戻されたボールにも横浜FMのプレッシングがかかり、ジンヒョンは慌てて大きく蹴りだした。バウンドした先は杉本と中澤佑二が競り合う最前線で、絶妙なところでバウンドする。天皇杯桑名戦から、散水のせいかバウンドが不規則になりDFが「かぶる」ことがあったが、この試合ではJ通算450試合出場のベテランの勘を狂わせた。一人抜けだした杉本はしっかりと同点ゴールを手に入れる。


試合はその後間もなくタイムアップ、セレッソはなんとか勝ち点1を手にし、自動降格圏と1差をキープすることになった。


4-1-2-3のキーマンは間違いなく扇原、南野、杉本だ。彼らの誰が欠けてもこのシステムは膠着し、攻撃力も守備力も半減させてしまう。その状態で、しかも後半アディショナルタイムまで劣勢だったものを、偶発的なミスを切っ掛けに引き分けに持ち込んだのは幸運以外の何物でもない。

ならば、いっそその幸運を弾みにこの危機的な状況を抜けだそう。次節はアウェーでの甲府戦で、ここに勝てれば、少しは残留について胃を痛くすることも少なくなるはずだ。突破力のある南野拓実が入れば4-1-2-3は再び活性化する、勝機は十分にあるはずだ。

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