得点者
前半5分 荒木康太(桑名)
前半33分 杉本 健勇(C大阪)
後半20分 ジブリン(桑名)
後半31分 南野 拓実(C大阪)
延前7分 阪本 将基(C大阪)
延後12分 阪本 将基(C大阪)
選手達はまだシステムに縛られていて、なにをどうすればいいのかとか、そちらにばかり気が向いているようだった。結果と阪本将基という新星だけが収穫。
新しいシステムに翻弄される……
スターターの布陣はこのようになった。
アンカーに扇原貴宏、ボランチ、センターハーフタイプの長谷川アーリアジャスールと山口蛍が2列目、右アウトサイドには安藤淳が入った。ドイツ代表も採用するこの4-1-2-3。しかし、なかなか機能しなかった。
攻撃の組み立て、キーマンはDFラインとその前にいる扇原。ここから両サイドの安藤、南野拓実に対して長いボールを入れるか、その準備のために2列目、両サイドバックにボールを散らすかになる。しかし山口蛍と長谷川がトップの位置まで入っていくスピードが早すぎて扇原のまわりがすっぽりと空白になり、ボール回しが単調になりがちだった。先制点を決められた焦りもあったろうが、バタついたプレーが散見された。
安々と先制点を献上 |
唯一機能していたのが、丸橋祐介から裏に抜けだした南野という縦一本なのだけれど、そこから中への折り返しがうまくいかない。桑名の2ラインが堅いことも一因ではあるが、一番の原因はシステムの習熟度の低さにあった。
前半、攻撃では扇原のタッチ数が異様に多く、縦への流れは南野、丸橋一辺倒、右サイドと2列目は殆どなにもできなかった。
このシステムは広島や浦和が採用している3-4-2-1に近しい。攻撃の時は両ストッパーがサイドに流れ、サイドハーフは前に上がる、そうしてボランチの一枚が降りて4-1-5の形になる。セレッソの場合は守備も攻撃のセットもはなから4-1-5というのが違い。
4-1-5は確かに縦へのスピードが大事なのだけれど、決め手に欠けて仕切りなおす時は1トップか2列目が降りてポイントを作るなど、変化をつけて相手を揺さぶらなければいけない。山口蛍、長谷川、そして1トップの杉本健勇はこれができなかった。33分の杉本のゴールも個人技の誘発によるもので、狙っていたとは言いがたい。
新星の登場
右サイドの安藤、酒本憲幸が機能していなかったため、後半からは酒本を下げて安藤をサイドバックに、2種登録の阪本が右サイドに入った。
まだフィジカル面で不安が残る阪本だったが、よく動いてボールを引き出してくれていた。
セットプレーから再びリードを許すも、次の交代、長谷川に代えて楠神順平が妙手だった。
楠神が左サイドでポイントになれたことも大きいが、扇原、南野と2列目に縦に動ける選手が入ったことで、アンカーが孤立せず、攻撃の縦への深さが増した。
守備では1ボランチの脆さ(両サイドにスペースが生まれやすい)、桑名の素早いカウンターに手を焼くが、攻撃では楠神の突破、南野と阪本のコンビネーション、扇原や山口蛍の攻撃参加など様々なパターンが生まれ始める。
南野の同点弾 |
ようやっとチームがチームとして機能し始め、同点に追いついたセレッソ。しかし決勝点を奪うには決め手に欠け、延長戦で雌雄を決することになった。
待たれるフィニッシャーの存在
結局延長戦では前後半1点ずつ阪本のファインゴールが生まれ、桑名のジャイアントキリングは防ぐことが出来た。しかと社会人サッカーリーグのチーム相手にこの出来は不安が残る。
試合を決める2ゴール目、阪本が吠える |
特に杉本のプレーはあまりいいものではなかった。ケガ空け、実戦勘が鈍った中での試合でいきなり活躍など厳しいのは分かる。しかしあの位置でボールが収まらないと2列目も死んで、ピッチ上で機能しているのが8人という状態になる。
柿谷曜一朗がいない今では、他にはディエゴ・フォルランしかその役目をつとめられる人間はいない。川崎戦ではぶっつけ本番でこのシステムの中に組み込まれることになる。ベテランらしく、巧みに1トップを演じきられるのか、それとも……
1トップ、2列目、パスのバランス、守備時のプレッシング、現状では全てが期待値より低い。これを改善していくことができるのか、マルコ・ペッツァイオリ監督の手腕を見守っていこう。
桑名はJFLじゃなくて三重県1部ですよ。
返信削除すいません、訂正いたしました。
削除