8/10/2014

2014 J1 第19節 C大阪 0vs0 F東京 もうすぐ。 #cerezo #photo #diary

2014年8月9日(土) 19:04キックオフ[ 観客 16,211人 ]曇時々雨

得点者なし


1点が遠い、シュートの本数も少ない。ただし、失点をしていない守備陣は評価されるべきだし、これまではチャンスの二歩手前で終わっていた攻撃が、今日は一歩手前までは来られるようにもなってきた。だから「もうすぐ。」


スターターとシステムは大きく変わった。4-2-3-1でダブルボランチは山口蛍と長谷川アーリアジャスール、1トップにディエゴ・フォルラン、南米の英雄にボールを供給するのは楠神順平、南野拓実、杉本健勇。


このシステムはいろいろな面でセレッソを良化させた。まず攻撃に関して。ボランチが2枚いることでサイドバックの守備の負担が減り、丸橋祐介の動きが良くなった。楠神との連係、そこから南野やフォルランに入るボールは前半何度もあって、そこから(やや強引ではあるけれど)ミドルが何度も撃てた。左サイドの攻撃という得意の形が復活したのはいいこと。


山口蛍は今までの二列目から一つ下がり、ボランチの位置から攻撃を組み立てていた。かなり低い位置から持ち上がるので、東京の中盤は捕まえづらそうにしていた。さすがに前半も半ばを過ぎると細かな修正を入れてセレッソの攻撃を窒息させようとしていたけれど、山口蛍本来の動き、「らしさ」がハッキリ出ていたので、完全に消し去られはしなかった。


楠神や南野、杉本も元来相性が悪い組み合わせではない。二列目はレヴィー・クルピ時代のようにグルグルとポジションチェンジするわけではなく、両サイドがそれぞれワイドに張り出す形ではあったが、楠神、杉本のどちらもそこから中にカットインし、互いの距離を縮めてくるので、南野も絡んでいくつかのコンビネーションも生み出していた。


また守備の際には、以前の4-1-2-3よりもずっと無理な負荷をかけないやり方を試していた。深い位置まで攻め込んだ時は4-4-2でセットし、前からのプレスを仕掛けて相手の攻撃をディレイさせる。


中盤まで押し込まれた時は4-4-1-1でブロックを作るとともに、南野をカウンターの起点として残し、相手にプレッシャーを与えていた。これならシンプルな約束事でバランスが取れるので、心身ともにスタミナの消費も少ないはずだ。事実、前半と後半途中までは互角以上に戦えていた。


最後にもう一つ、しっかり書き残しておきたいことがある。前半誰よりもチームのために動いていたのがチーム最年長、35歳のウルグアイ人だったということ。


1トップとして張るだけでなく、中盤の歯車が咬み合わないと下がってリズムを作り、コースが見えれば確実にシュートし、チーム全体を鼓舞していた。誰よりもゴールを、勝利を渇望していたように見えた。

だからこそ、後半21分という早い時間帯で彼を代えてしまったのは失敗ではなかったろうか。


ここからトンと得点の香りがしなくなってしまった。永井龍も悪い選手ではない、けれど、やはりフォルランとは明確な差があった。前に出る推進力、降りてくる判断の早さ、シュートへの意欲、チームを鼓舞するメンタリティ、失ったものは大きい。


弱り目にたたり目とはよく言ったもので、この直後にはキャプテンの山口蛍が足を痛めて交代してしまう。セレッソは次々と精神的な拠り所、ボールの預けどころを失い、南野、楠神、杉本への負担が増大してしまった。



代わって入った永井、キム・ソンジュン、それから扇原貴宏は、それぞれに個性はあるものの、インパクトには欠けてしまってあまり見せ場を作れなかった。平野甲斐、あるいは獲得のウワサがあるカカウがいればまた違ったのかもしれない。


後半45+1分
それでも、この試合は天皇杯以外のペッツァイオリセレッソの中では白眉の出来だった。それで勝ち切れないのは厳しいけれども、監督にチームの状態などを考えて、現実的に合わせてくる柔軟性があるとわかっただけでも意義がある試合だった。

後は、途中交代した山口蛍の怪我の具合、そして攻撃陣の奮起次第。あと少し、もう少し。


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